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競技者からのメッセージ

Message
女子日本代表 鈴木 実沙紀 選手

鈴木 実沙紀 選手

ラグビーを始めたきっかけを教えてください。

もともと新体操をやっていて、タグラグビーは小学校の授業の一環でやっていました。横浜市は特にタグラグビーが盛んで、どこの小学校でも授業があり、学年も性別も関係なくみんな一緒に楽しむことができたので、一番好きなスポーツとして名前が挙がるほど人気がありました。私はスポーツクラブでもタグラグビーをやっていたこともあり、小学6年生の時には横浜市の大会に出場しました。それを最後にタグラグビーは終わりにしようと思っていたのですが、その大会でクラブチームに「中学生になっても続けてみないか」と誘われ、中学生になってからは新体操を続けながら、週末はタグラグビーのクラブチームに通うようになりました。けれども半年くらい続けたころ、新体操の先生に「両立は難しい」と言われ、タグラグビーを選んだのがきっかけです。

タグラグビーを選んだ決め手は何だったのでしょうか?

新体操も楽しかったのですが、新体操は決められた時間に決められた演技をして、見た方のジャッジや評価が自分の得点になる。でもタグラグビーは、自分たちでボールをつないで自分たちで点を取りに行くので、自ら得点する、ということがすごく気持ちよかったし、純粋に楽しかったんです。タグラグビーにはまっていましたし、コンタクトのあるラグビーも少しずつ始めていた頃だったので、タグラグビーとラグビーを続けていきたいなと思いました。

セブンズと15人制で活動されているとのことですが、それぞれの魅力を教えてください。

15人制は、ポジションによって役割が明確なのですが、その分役割に対しての責任も強くなるので、責任を持って徹するところ、自分の長所を生かして得点に貢献できるところが魅力だと思っています。試合時間が長いので、流れが行ったり来たりするのもおもしろいですね。
セブンズは7人みんながマルチプレーヤーでなければいけないので、自分の長所を生かしながらも色々な仕事が求められる難しさはありますが、逆にそこがおもしろみだなと思っています。試合時間も短いのでスピーディーだし、スペースも広いので、一人一人がボールを持つ時間が長く、全員が活躍できる場があるので、セブンズもおもしろいです。

ずばり、セブンズと15人制、どちらが好きですか?

自分のプレースタイルと一致する15人制は、本能的にできるというか、すごくやりやすいですし、楽しさも感じるので好きなのですが、15人制とはまた違った楽しさをセブンズの中に見つけることができたので、今、セブンズがすごく楽しいです。セブンズは自分のプレースタイルと反していて、自分のプレースタイルだけでは成り立たないので、もっともっとチャレンジしないといけないのですが、セブンズの中でこうなりたい、こういうプレーをしてみたいと思うことが増えてきたので、これからできることがもっと増えて、色々なことにチャレンジするようになったら、セブンズをもっともっと好きになるんだろうなと思っています。

鈴木 実沙紀 選手

セブンズでプレーをする上でご自身の長所はどこだと思いますか?

ディフェンスでは、背が低い分、低いプレーを強みにしているので、タックルやその後の仕事です。アタックでは、自分ひとりでトライをとり切ることはできませんが、トライをとるための起点となる、前に出るプレーというのは役割として重きを置いています。

食生活で気をつけていることはありますか?

体重は増えてもいいのですが体脂肪は増やしたくないので、食べる物を選べる場合は、たとえば揚げ物ではない方とか、デザート系でもカロリーを考えて選んだり、あとは野菜から食べるなど、食べる順番を考えたりはしています。また、トレーニングをした後は身体がすごく傷ついているので、食べるタイミングを考えたり、補食を入れたりしています。

遠征に必ず持って行く物や、試合前の験担ぎなどはありますか?

以前は色々と持って行っていたのですが、荷物の重さを注意されることが多くて、最近は梅干くらいです(笑)。
験担ぎとしては、何かをすることの方が多いですね。例えば、髪の毛を編み込んだりして、自分の中で試合前の流れとしたり。
また、試合前に聴く音楽はその時の気分で選んでいます。緊張するタイプなので、ギリギリまでテンションが上がる曲を聴くことが多いですね。邦楽は歌詞が頭の中に残ってしまうのであまり聴かず、リズムとして耳に入る洋楽をよく聴いています。

遠征が始まるとしばらくオフはないとのことですが、貴重なオフはどのように過ごしているのですか?

代表活動がなくても、クラブチームの練習だったり個人的なトレーニングがありますし、休みの日も身体のケアに行ったりするので、なかなかオフといえる日がないのですが…希望としては、買物と美容院へ行ってリフレッシュしたいですね。

今、はまっていることや趣味などがあれば教えてください。

最近は時間がなくてできていないのですが、読書とパズルをするのが好きです。小さいパズルや3Dパズルは時間がある時にやるんですけど、もし機会があれば、大きなパズルをやりたいなと思います。

鈴木選手にとってラグビーとは?

もちろんラグビーも好きなんですけど…ラグビーは中心すぎて、ひとつの枠にははめられない感じです。

ラグビーをしていて嬉しいと思う瞬間はどんな時ですか?

試合で勝った瞬間はもちろん嬉しいですが、勝ち負けだけでなく、一緒にプレーをしている仲間が活躍した時もすごく嬉しいです。代表メンバーもクラブチームの仲間も長い時間一緒に過ごしているので、みんながどれだけラグビーに尽くしているか、どれだけラグビーのために生活しているか、どういう思いでラグビーをやっているかなど、それぞれのラグビー愛を知っているので、仲間が良いプレーをしたりトライした時、そしてそれで勝てた時などは、ラグビーをやっていて、みんなとラグビーをしていて本当に良かったなと思います。

鈴木 実沙紀 選手

今までのラグビー人生の中で、挫折したり、辞めたいと思った瞬間はありますか?

辞めたいとまでは思いませんでしたが、一度だけ、ラグビーにどう向き合っていいのかわからなくなってしまったことはありました。
高校3年生の時にアジア競技大会に出場したのですが、その遠征期間と、所属している高校のラグビー部の県大会の決勝戦が重なってしまったんですね。女子である自分を受け入れてくれた同期の引退試合になるかもしれない試合に、私はいることができなくなってしまった。でも、男子部員たちは、「俺たちも勝って絶対に花園に行くから、絶対に優勝して帰って来いよ」と言って送り出してくれたんです。結果、男子は決勝で負けてしまったのですが、「おまえは絶対優勝して帰って来いよ」と変わらず応援してくれました。
そんな状況で臨んだアジア競技大会でしたが、私たちは5位という成績で、決勝にすら行くことができませんでした。みんなが応援してくれたのに、みんなが望んだ結果を持ち帰れなかったことがすごく申し訳なくて、しかも、負けてしまった試合では自分のミスや自分のせいでとられたトライなどがあり、それがすごく頭に残ってしまっていて…。これだけ応援してくれた男子部員たちへ結果を持って帰れなかった申し訳なさから、今後、どうすればいいのかわからなくなり、ラグビーをするのが怖くなってしまった瞬間というのはありました。

それはどのようにして克服したのですか?

部員達に顔向けできないと思っていたので学校に行くのが嫌だったのですが、その時は帰国が朝だったので、遅れて学校へ行ったんです。そうしたらちょうど休み時間で、廊下でばったり部員に会ってしまって。でも、彼らはすごい笑顔で「お疲れ様。結果は残念だったけど、頑張ったでしょ。俺らも負けちゃったけど、また頑張ろうね」って、すごい笑顔で言ってくれたんです。その時に、もしかしたら結果だけではなくて、課程も見てくれていたからそう言ってくれるのかなって思って、すごく嬉しかったんです。その後も引きずってはいたのですが、こういう風に言ってくれる人たちもいるし、みんなすごくラグビーを楽しくやっていて、仲間もいたので、また頑張ろうかなって思うことができました。

今後の意気込みと、ファンの皆さんへメッセージをお願いします。

これから重要な大会、試合が続きますので、そこで自分のやってきたことが120%出せるよう、練習の時から勝つという気持ちをしっかり持ち、大会をイメージして練習していきたいなと思っています。また、大会や試合では、自分のやってきたことを出すという意味でも、良い意味で楽しめるように、今から全力で準備をしていきたいと思います。
勝利の瞬間を皆さんと一緒に喜べるよう、1試合1試合を大事にして、その1勝1勝を皆さんと一緒に喜びたいと思いますので、応援よろしくお願いいたします。