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競技者からのメッセージ

Message
女子日本代表 小出 深冬 選手

小出 深冬 選手

ラグビーを始めたきっかけを教えてください。

タグラグビーを小学2年生からやっていて、本格的にラグビーをやり始めたのは中学生からです。最初は弟が関東学院大が子ども向けに開いているラグビー体験コースに通って、その前の時間に女子がタグラグビーをやっていたので、じゃあ行ってみようかという感じになったんだと思います。

他の競技経験もありますか?

中学の時は陸上をやっていました。でもそれもラグビーを第一に考えて、ラグビーのためにやっている感じでした。なので、本当にラグビー一本で来た感じです。

そこまで惚れ込んだラグビーの魅力とは。

トライをとるとか、タックルを決めるとかに魅力を感じる人が多いと思うんですけど、私はあの選手のあのパスでトライが取れたとか、仲間を生かしている選手のプレーを見て、すごいかっこいいなと思うことが多いです。この選手はなんでここで抜けたんだろうとか凄いステップを見て感動したりもします。

小出選手自身もボールを持って、相手を抜いていく能力に長けていますよね。

小学生の時からタグラグビーをやっていて、いまここを突けば抜けるというようなスペースは見えたりしているのかもしれません。ステップに関しては、みんなに変とか言われたりするんですけど、やはり相手を抜いていくところにはこだわっているつもりです。

相手を抜くために普段から努力していることは。

ひとりでも相手を抜くことをイメージして練習したりしますし、YouTubeとかで海外の有名選手のプレーを見てこういうのいいなと参考にしたり。こういうプレーがしたいと思ったのは南アフリカのセシル・アフリカ選手ですね。

小出 深冬 選手

サクラセブンズの中でも若い方なのに、
常に冷静だという声もあります。

試合中に冷静だと言われるようになったのは本当に最近のこと。去年とか入ったばかりの時はプレーするのが精一杯で、ボールをもらったらこうしようとか、いろいろ考えてしまってうまくいってなかった面もありました。いっぱい試合を経験させてもらって、まだ大丈夫とか、このプレーはミスしちゃったけど大丈夫とか思えるようになって、
そうしたら、いろんな人からどうしてそんなに冷静なのとか言われるようになりました。タグラグビーをやっている時から、疲れていると、『あいつ疲れているぞ、狙え』って言われたりするのが本当に嫌で、疲れているけどどうにか疲れていないように見せようと頑張りました。本当は膝をついて休みたいくらいなんですけど、そんなことしたら、またあいつのところ狙えと言われると思って、苦しくても絶対顔を上げているようにしています。そういう感じでいるのを冷静だと勘違いされているだけかもしれません。

今年は女子セブンズ日本代表にとって重要な年。8月にはワールドラグビー女子セブンズシリーズ2015-2016コアチーム予選大会で勝ってコアチームに昇格を果たしました。

コアチーム入りの予選に関しては、去年よりいい準備をして臨めました。大会前の直前合宿で、セットプレーなどラグビーの基礎のところをしっかりできた。準備がしっかりできていたので、試合でも慌てることなく落ち着いてプレーできたように思います。
決勝はアイルランドと対戦して、前半は12対0で負けていた。後半は全員走って最後は13対12で勝った。
あの大会ではウェールズ戦でも前半リードして後半逆転した。後半もトライを取れるチームになったのを感じています。
自分たちは『宇宙一のフィットネスのチームになる』ことを目指していて、少し近づいたかな。

11月には7人制ラグビーアジア予選もあります。アジア予選で勝つためのポイントは。

練習中でもひとつのミスが出ると、それが連鎖的に続いてしまうことがある。そういう場合にいかに自分たちの原点に戻れるかというのが大事になる。パスミスが起こったら、もっとこういうパスが欲しかったとか、もっとどうしてほしかったのかを聞くようにしています。そういうコミュニケーションが大切になってくると思うので。

注目を集める大会のある今シーズン、どのようなサクラセブンズをアピールしていきたいですか。

日本人って世界的にみるとすごく小さいし、サクラセブンズももちろん小さいんですけど、体が小さくても世界に勝てるチャンスがあるというところを私たちのラグビーで示していきたいですね。

小出 深冬 選手

ところで、試合前のゲン担ぎみたいなことはありますか?

試合前に必ずするのは音楽を聴くことですかね。あとは、過去の自分の良かったプレーとかを探して、それを見てイメージトレーニングしたり。毎回、同じ映像を見る訳ではなくて、今回はタックルを頑張ろうと思ったら、練習中にコーチに今のタックルが良かったと言われたのを思い出して、その時のプレーを見てみたり、自分、最近得意のステップができてないなと思ったら、去年の試合とかでステップで抜けた時のものを見たりしています。

いままでで一番印象に残っている自分のプレーというと……。

去年のワールドシリーズのアトランタ大会で初めて代表になって、初めてトライしたスペイン戦でのシーンに関しては時々見て初心に戻るというのは繰り返しています。
スクラムからボールが出てきて、ヒュルって抜けちゃって、50mくらい走ってトライになりました。

読者の方にメッセージをお願いします。

女子ラグビーが少しずつ注目されるようになって、試合会場に行っても『がんばって』って声をかけられることが凄く多くなりました。それがすごく嬉しくて、自分たちのことを応援してくれている人がこんなにもいるんだなって。そういう人たちにはサクラセブンズが試合に勝つところを見てもらいたい。そして、自分たちは見ている人たちが面白いと思うラグビーをしていかないといけないと思うし、そのためには日々練習で一つひとつプレーを大事にしないといけない。今度の女子7人制ラグビーアジア予選は東京でも試合があるので、実際に試合会場に足を運んでサクラセブンズを応援していただきたいなと思っています。