
「従業員のため」を追求。現場の声に寄り添い、会社の発展を支える人事の想い
人事
Human Resources Total Rewards Total Rewards Japan Compensation Re-design
K.I / 2004年入社工学部 機械分子工学科
能力を最大限に発揮することができる人事制度をめざす。従業員の成長を、会社の成長へ
私はTotal Rewardsという部署のCompensation Re-designに所属しています。「Re-design」とあるように、報酬の制度を時代に合った設計に変更することが私たちの役割です。
現在は、2022年度に改革した管理職の制度について、理解の浸透や運用の定着を図るとともに、一般社員の制度改革に向けて検討を重ねています。
人事制度を改革する最大の目的は、実力主義の下で公正で透明性を持ち、誰もが能力を最大限に発揮できる環境を整え、従業員の皆さんの成長を後押しすることです。性別や年齢、社歴等に関わらず、職務内容と、一人ひとりの挑戦と貢献に見合った報酬を得ることができる。そうした制度を設計することにより、従業員のモチベーションを高め、事業の成長につなげることをめざしています。
その中で私がもっとも大切にしているのは、「従業員のためになるかどうか」という視点です。新しい施策がトップで決定された場合でも、トップの意向を確認しながら、具体的にどのように制度を設計し運用するか、どのようにコミュニケーションをとれば従業員にとってやりがいや働きがいにつながるかを一番に考えるようにしています。
そのためにも重要になるのが、従業員の声です。労働組合から寄せられる意見に耳を傾けているほか、全社的な取り組みとしては「LIXIL Voice」という従業員サーベイを年に1度行っています。制度の改革が一方的な押し付けにならないよう、HRBP(Human Resource Business Partnerの略で、事業部門のパートナーとして事業成長を人と組織の面からサポートする役割の人事を指す)とも連携し、施策に対する従業員の反応を汲み取るように努めています。
HRは売上や利益と直接関わらない間接部門であるため、結果を数値で測るのが難しいという側面があります。そこで私が意識しているのは、具体的な行動目標をできるだけ多く立てるということ。それを一つひとつクリアすることで、人事としての貢献度を測るようにしています。
もう一つ私が大切にしているのが、チームワークです。一人でできる仕事は限られており、チームワークがなければ大規模なプロジェクトは達成できません。リーダーとして担当を決めつつも、チームで連携し、全員でより高いゴールをめざすことを追求しています。
チームメンバーとは定期的に、本社に集まり対面での面談などを実施してコミュニケーションを深めています。その際は出社しますが、基本的なワークスタイルは在宅勤務です。通勤時間がない分、時間を有効に使うことができ、通院などで数時間業務を離れたい場合も融通が利くため、とても働きやすいと感じています。


工場勤務と海外事業の経験を経て、人事へ。悔しさを糧に専門性を磨くことを決意
LIXILは2011年に国内の主要な建材・設備機器メーカー5社が統合して誕生していますが、私は2004年にトステムへ入社しました。住宅関連のメーカーに就職しようと考えたのは、実家が何度かリフォームをした際、自分の部屋やキッチンのデザインを考えることにとてもワクワクしたからです。
入社後は技術職として工場の加工課に配属。半年間の研修を経て、生産量や原価管理、ラインの改善などに取り組みました。そこで3年の経験を積んだ節目に、上司との面談で伝えたのが、海外の工場で働きたいという想いです。当時、女性で海外の工場に出向している人がいなかったので、私が第一号として道を開きたいと考えていました。
新しいことに挑戦したいという私の想いを会社が汲み取ってくれ、海外事業に携わる部署への異動が決まりました。そして1年にわたり、韓国の企業と合弁会社を立ち上げるプロジェクトに参画。工場勤務ではなかったものの、新会社のスキーム構築から工場建設地の選定、商流の検討など、会社設立までの一連のプロセスに携わる貴重な機会となりました。
新会社は無事設立され、工場も完成。当初はその工場に赴任する予定だったのですが、残念ながら願いはかないませんでした。理由は、私には海外で通用する専門性がなかったからです。その時はとても悔しい想いをしましたが、専門性を持つことの重要性に気づけたことが、後の成長につながったと感じます。
そこからHR部門に異動することになったのは、当時の人事責任者との会話がきっかけでした。海外に赴任できないとしても、そこで働く人たちの労働環境を支えることで貢献できるのではないか──当時の人事責任者のこの言葉に納得し、人事のプロフェッショナルとして、自分の担当領域で誰よりも専門性を磨こうと心に決め、キャリアチェンジすることにしました。
人事の知識が何もないところからのスタートだったため、社外の交流会に参加するなど自分で学ぶ努力をしつつも、わからないことはその分野に詳しいメンバーにとにかく質問。そうして周囲から知識を学びつつ、自ら積極的に話しかけることで関係性を構築し、人事として円滑に業務が進められる環境づくりにも取り組んでいきました。

会社と従業員、双方に貢献することを追求。未来を見つめ、今必要な変化を選ぶ
HR部門に異動した後は、LIXILへの統合にともなう人事システムや手続きの変更をはじめ、制度の企画など幅広い業務を担当しました。
その中でもとくに成長につながった経験が、労働組合との交渉です。人事は会社と従業員の間に立ち、双方に貢献することが求められます。私も一人の従業員として、労働組合の主張は理解できるものの、会社の経営を考えるとすべてを実現するのは難しい場合もあります。
誰もが100%納得する結論を出すのは難しいですが、会社と従業員の将来にとってより良い最適解を出すことを意識しています。
変化を無理に押し付けると、従業員のエンゲージメントを失うことになります。そのため一方的にならないよう、従業員の声にもしっかりと耳を傾けながら、対話を通じて変化の必要性を理解してもらうことが大切です。
なぜ変化が必要なのか、まずは自分が咀嚼して徹底的に理解すること。それを心がけながら、独善的な見解に陥らないよう、さまざまな立場のメンバーにも相談して意見をもらっています。そして最終的な判断の軸となるのは、やはり「従業員のためになるかどうか」という視点。従業員の成長が会社の成長につながる。迷ったときはそこに立ち返るようにしています。
難しい判断を迫られることもありますが、従業員が働きがいを感じられる環境づくりに貢献できることが、私の一番のやりがいです。
過去に業務で関わった工場のメンバーが、人事制度の改革について好意的な声を直接伝えてくれるなど、これまで私の成長を支えてくれた仲間に還元できていると実感できるのも、仕事の喜びにつながっています。

働きやすさと「人」が魅力。キャリアの可能性を広げられる環境で、さらなる成長を
技術職から人事へとキャリアチェンジした中で、工場勤務で身につけた、生産性を意識する働き方が今も役に立っていると感じます。決められた期限までにいかに効率よく完了させるかを考えて取り組むこと。それをチームメンバーにも促し、プライベートの時間を確保できるようサポートしています。
そうした効率的な働き方を心がけているのは、LIXILがワークライフバランスを大切にする会社だからです。有給休暇の取得も推奨されているため、私は有効活用して毎年旅行を楽しんでいます。リフレッシュできるだけでなく視野を広げることができ、プライベートの充実が仕事の活力につながっています。
働きやすい環境があることはもちろん、LIXILの大きな魅力は「人」です。5社が統合されて設立された会社であるため、多様なバックグラウンドや専門性を持つメンバーが活躍しています。
一緒に仕事をする中で刺激を受けることが多く、メンバーから学ぶことがたくさんあります。それぞれの個性は尊重し合いながら、課題に対しては一体となって取り組めるのも私たちの強みです。それはLIXILの行動指針であるLIXIL Behaviors(3つの行動)にある通り、お互いに「敬意を持って働く」ことを大切にしているからだと感じます。
今後も多様なメンバーと高め合いながら、より働きがいのある職場づくりに取り組んでいきたいです。そして、経営の強化に貢献できる人事をめざしたいと思います。その両方を追求していくためにも、自分の想いを伝えるためのプレゼンテーション能力、そしてさまざまな立場の人と対話し合意へと導く交渉力を磨いていきたいです。
私が技術職からキャリアをスタートし、海外事業を経て、現在は人事を担当しているように、LIXILには海外を含めさまざまな職種があり、一人ひとりの挑戦を応援してくれる風土があります。自分が進みたい分野を究められるのはもちろん、入社後に新たな道を選ぶことも可能です。成長のチャンスが広がっている会社なので、新しい仲間にも、ぜひ自分が望むキャリアを描いてほしいと思います。
*所属・内容等は取材当時のものです。