工場の経験を活かして──新商品開発に奮闘する新卒4年目の躍進
商品開発
リビング事業部洗面開発部洗面開発グループ洗面2チーム
Y.H / 2020年入社生命環境学部 環境デザイン学科
図面を0.1ミリ単位で調整。小さな違和感も見逃さず、ものづくりと向き合う
現在、リビング事業部洗面開発部洗面開発グループ洗面2チームに所属しています。私の部署で扱っている洗面商品は、住宅向けから公共施設向けまで多岐にわたり、価格帯もさまざま。その中で私のチームが取り組んでいるのは、住宅向け洗面化粧台の新商品シリーズで、私は木製キャビネットの開発を担当しています。
新商品を企画するときは、まず商品企画部がアイデアを出します。エンドユーザーの声を踏まえた商品企画案を見て、私たち開発部が「実際にそのような商品がつくれるか」を設計面で検討。商品の小物類だとざっくりしたイメージのみを共有され、それをもとにデザイナーと仕様について議論することもあります。品質面の課題が発生しそうだと判断したときは「こういう仕様ならつくれます」と条件を付けて提案に磨きをかけることもあります。
その後、図面を作成し工場や部品を製作いただく外注業者様と試作を重ね、性能評価に合格すると、ようやく設計仕様が確定します。その後、量産条件で再度試作をして性能評価を行い、問題なく量産できるとなればひとまずゴールです。
試作段階や仕様決定後に問題が出たときは、工場と連携して原因を確かめ、仕様そのものを調整することもあります。そうして丁寧に仕上げた商品に対して、「この間発売した新商品いいね」というようなお客様のうれしい声を開発側や製造側に共有いただくことも。
アイデア出しの段階から発売後まで、商品企画部や工場などの各部署と手を取り合い、一丸となって進めていけるのが醍醐味です。開発の仕事は、自分が手がけた商品が世に出るまでを一貫して見られることがとてもおもしろいと感じます。
洗面開発部に異動してきてからは、まだ半年ほど。経験が少ない分、先輩にアドバイスを求めることも多々あります。ただし、各アイテムは開発者一人ひとりが担当しているため、私自身が最終決定を下すことが大事。設計上のルールなどを自分で細かくチェックし、物としての品質を保てるよう、0.1ミリ単位で調整していきます。商品を使ってくれるエンドユーザーを思いながら、小さな違和感も絶対に見逃さないという気概でものづくりに取り組んでいます。
初任配属は工場。その経験が今の開発に活きている
私は昔から手芸や裁縫が好きで、文房具や雑貨などの小物を見て「こういうデザインのものがあったらいいな」とよく想像していました。また優れたデザインのものを見て、「これってこういう意図でデザインされているんだ」と考えるのも好きでした。そんな自分にぴったりだと思い、プロダクトデザインを学べる大学に進学。将来は「暮らしをつくるもの、良くするものを設計したい」と思うようになり、就職活動の際には家具メーカーやホームセンターを志望しました。
LIXILを受けたきっかけは、研究室の先輩が内定をもらっていて、身近で話を聞いていたから。まずインターンシップに参加したところ、採用担当の方がフレンドリーで、今時の雰囲気を持った会社だと感じました。そして本選考では、最初からずっと1on1の面接で、一人ひとりにとても時間を使ってくれることが印象的でした。面接っぽい質問ではなく、私という人間のパーソナリティを丁寧に探ってくれた感覚があり、社員を大切にする会社なんだなと確信。 無事内定をもらえて、2020年に入社しました。
入社時は開発の仕事を志望していましたが、初任配属は工場の設計課でした。設計課のミッションは、商品設計に製造面での問題はないか、品質やコスト、商流などを、開発部や工場内の他部署と密に連携しながら細かく判断していくこと。初めのうちは戸惑いがありましたが、ベテランの先輩方に教えてもらいながら、なんとか慣れていくことができました。
工場での経験が今、開発という業務にとても活きていると感じています。その理由は、仕事への理解度が格段に上がったこと。現場に何度も足を運んで、工場の方々と生産課題について議論を重ねました。ものができあがっていく過程を間近で見てきたからこそ、設計仕様を考える際に工場での技術を吸い上げて反映していくなど、ダイレクトに役立つ知見がたくさん身につきました。生産現場を知っているおかげで、この仕様だと工場で作れないかもしれない、負担かもしれないと想像しながら設計をすることができています。後戻りが少なくなるなど今の仕事に非常に活きていて、最初に現場を経験することができたのは、とても良かったと思います。
また、工場で働く方々と温かな人間関係をつくることができました。何かトラブルが発生した際もみんなで協力して乗り越えてきましたし、気の置ける仲間と砕けた会話もたくさんしました。裏表のない感情表現をする方が多かったので距離感も近く、振り返ると充実した日々を送れて楽しかったなと感じます。
工場と開発、両方を経験した社員としてバリューを発揮したい
現在の部署に異動してきたのは、2023年5月のこと。当社にはキャリア申告制度というものがあり、年に1回、自分が考えるキャリアとその実現に向けての取り組みを、上司と話し合うタイミングがあります。そこで「いつかは開発に行きたい」と上司に伝えていたところ、異動の流れに。思いを明確に伝えていたからこそ、早々に実現できたのかなと思います。
開発部では、仕事内容はもちろんのこと、仕事の進め方も大きく変わりました。
実は、工場と開発の両方を経験した社員は、多くはないんです。だからこそ、私のキャリアならではのバリューを出していけたらと思います。今の部署で、「工場ではこれってどうなの?」と質問される機会もあり、製造現場の経験がある私ならではの視点で周りとコミュニケーションを取りながら進めています。
また、時間の使い方も変わりました。工場では周りと協力してひとつの仕事をこなしていたのですが、開発部では担当アイテムの開発を基本はひとりで担っています。スケジュール調整が一層柔軟にできるようになったので、夫の休みに合わせて休みをとったり、フレックスを使って半日お休みして出かけたり、プライベートとの調整がしやすくなりました。
その一方で、工場の生産現場に足を運ぶこともしばしば。製造部時代に「開発側が製造現場にいかに寄り添うかが大事なんだ」とよく聞いていましたし、私自身も生産現場によりそった開発担当者をめざしているので、積極的に生産現場で現物を確認することを意識しています。工場に行ったら、かつて一緒に働いていた皆さんがたくさん声をかけてくれるのがとてもうれしいですね。
自分らしいワークライフバランスを実現できる環境
私が今担当している木製キャビネットは、洗面化粧台の多種多様なアイテムの中のごく一部。樹脂製や金属製のものなど、他にもアイテムはいろいろあるので、さらに挑戦の幅を広げていきたいです。開発と製造とつなげられる開発者になって、いつかすごく売れる商品や、特許を取るような商品を生み出せたらうれしいですね。「この商品、私が設計したんだ」とまわりに自慢してみたいです。
LIXILは国内の主要な建材・設備機器メーカー5社が統合してできた会社なので、本当に多くの商材を扱っています。だからこそ、社内の他商材のアイデアからインスピレーションを受けたり、他工場の取り組み事例を参考にしたりできるのが強み。担当者の生の声を聞きに行ったり、社内チャットで質問したりすることで、自社内でシナジー効果が得られるんです。
実際に、洗面化粧台の設計で、同じ水回りを扱う他事業部の設計を参考にしたこともあります。その際他事業部の方に「この仕様ってどうなっているんですか」などいろいろ相談させてもらったり、逆に向こうから「洗面台のこの仕様をうちでも試してみたいんですが協力してもらえませんか」という相談があったり。社内のSNSも盛んなので相談も気軽にすることができます。技術者としてはとてもありがたい環境ですね。
LIXILという会社には「いろいろな分野にどんどんチャレンジしていきたい」という人だけではなく、「ひとつのことを極めていきたい」という人や「自分のペースで成長していきたい」という人もいて皆それぞれが活躍しています。それぞれの理想のワークライフバランスを認め合い、支え合っていける環境だと思います。そんなLIXILでのものづくりに魅力を感じてくれる方がいれば、ぜひ一緒に働きたいですね。
*所属・内容等は取材当時のものです。