ウエルライフ:体験インタビュー

脳卒中障がいを持つ方々が「座って料理ができる」快適さを実感

脳卒中障がい者団体 NPO法人ドリーム様

脳卒中障がい者団体 NPO法人ドリーム様

ドリームさまは名古屋を中心に脳卒中障がい者を支援するNPO法人。
座って使えるキッチン「ウエルライフ」に興味を持たれ、自らも当事者であるスタッフの方々がLIXILショールーム名古屋に取材に来られました。

2018年にフルモデルチェンジした「ウエルライフ」を体験いただきながら、 LIXILの担当者と共に、脳卒中障がいとキッチンなどについてお話を伺いました。

取材の経緯

Q:フルモデルチェンジした「ウエルライフ」に興味を持ったきっかけは?

― ドリーム 伊藤 圭太さん(運営事務局長)

当NPO法人は脳卒中障がい者の自立的な活動の支援を大きなテーマとしています。その一環として情報誌「一歩いっぽ」の発行があります。これは「脳卒中の当事者が自らつくる情報誌」をコンセプトに実際の企画・編集・取材に至るまでほぼ全てを脳卒中障がいの方々でおこなっています。

今回の取材は、自らも脳卒中障がいの当事者である制作チームが、この情報誌「一歩いっぽ」に是非「ウエルライフ」を掲載したいという想いから実現しました。

以前からLIXILさんとは新商品開発の検証などでつながりがあったのですが、先日、当法人のスタッフがLIXILショールームを訪れた時に、「ウエルライフ」の話をお聞きしました。

そこで「ウエルライフ」がフルモデルチェンジをして、より使いやすい仕様になっていることを知り、「これは車いすの方だけでなく、脳卒中障がい者をサポートしてくれるキッチンかもしれない。より多くの方に知ってもらうために是非、取材したい」となりました。

写真

【ドリーム 事務局長 伊藤さん】

写真

【ドリーム 情報誌制作の皆さま】

― LIXIL 中村 いくえ(技術研究所)

ドリームさまから商品開発上でご意見をいただくようになったのは10年ほど前から。最初はシステムバスの壁面に一周ぐるっと設置した手すり(フラットサポートバー)の件でした。その後、トイレの手すりやキッチンなど他の商品の開発品評価にもご協力いただいています。

ドリームさまは脳卒中障がいの方の生活実態調査や社会参加を支援するサービスなどをまとめたガイドブックの作成など、幅広く情報発信をされています。どの情報も脳卒中障がいの実態がとてもわかりやすく書かれていて、大変参考になります。

ドリームさまと障がいのある方の情報を共有し、学ばせていただきながら、商品開発できることは非常に有意義でありがたいことだと思っています。

今回は、LIXILから「ウエルライフ」フルモデルチェンジのご連絡をしたところ、興味をもっていただき、取材へとつながりました。

写真

【LIXIL 中村 いくえ(技術研究所)】

「ウエルライフ」体験

ドリームの皆さまに「ウエルライフ」フルモデルチェンジのポイントをお話ししながら、実際に「ウエルライフ」を体験いただきました。

梅北 健一 [うめきた けんいち] さん(理事長)

右半身麻痺・失語症
ご自宅で洗い物

「病気になってから洗い物など時間が倍以上かかるように。座ってキッチン全体を見渡せるし、シンクが浅くて、作業がしやすそう。吊戸棚が自動で動くのは、便利。時間を短くできますね。」


写真
写真

・シンクの深さは通常より浅く
 座った状態でも楽に洗い物ができるように!

・リモコン操作で昇降する電動式の吊り戸棚
 座ったままで出し入れ可能に!

曽我 由利 [そが ゆり] さん(副理事長)

左半身麻痺
ご自宅で毎日料理。ドリームさまの喫茶事業のスタッフとしてもキッチンを使用

「病気してからは料理に時間がかかり、夕食を作るのに2時間かかることも。時短したり、効率を考えながらしているが、料理中に疲れてしまうこともある。そんな時にちょっと椅子に座りながら料理ができるのはうれしい。」


写真

「座った姿勢でもラクに手が届く」
膝もつま先もしっかり奥まで入る!

藤井 泰志 [ふじい やすし] さん

右半身麻痺・失語症

「キッチンで座れて、足が中に入るのはいい」
「カウンターの奥行も深すぎず、作業するのにちょうどいい」

写真
写真

キッチンカウンターの奥行を従来の65cmから60cmに変更
水栓のレバーや壁のコンセントに手が届きやすい!

三輪 千絵 [みわ ちえ] さん

左半身麻痺
ご自宅で毎日料理。

「料理を作って、みんながおいしいねと言って食べてくれるのはうれしい。料理のための買い物は社会参加になると思う。自動水栓は手を伸ばさなくても水が出るのでいいですね。」

写真
写真

センサー水栓でレバー操作がなくても手をかざすだけで水が使える!

ドリームさまのご感想

取材の最後には、「ウエルライフ」への感想とともに脳卒中障がいの方の料理やキッチンについての想いに話が及びました。

Q:「ウエルライフ」を取材した感想は?

― ドリーム 曽我 由利さん

脳卒中障がいの知人女性で病後、掃除や洗濯はご主人にお願いするようになったが、料理だけは自分でやりたい、それだけは譲れないという方もいらっしゃる。ただし、障がいの程度や年齢を重ねて体力が落ちてくる中で、料理に工夫が必要になってきているので、そういった時に「ウエルライフ」のような座って料理できるキッチンは料理のよろこびを後押ししてくれるかもしれない。

写真

― ドリーム 伊藤 圭太さん

今回、取材した「ウエルライフ」の情報を通じて、今まで脳卒中障がいで料理をすることを諦めていた人が料理ができるようになるかもしれない、と思いました。

例えば、今まで、旦那さんやお子さんに料理を作って「おいしい」と言ってもらっていたお母さんが脳卒中になり、急に料理が出来なくなる。自分の場所が失われてしまった状況をこの「ウエルライフ」が救えるかもしれないし、社会に参加するきっかけになるかもしれない。そんな可能性があると感じました。

写真
写真

【取材風景】

取材を終えて


ドリームの皆さまに「ウエルライフ」を体験いただいた際の笑顔、そして「これは便利だね」という言葉が心に残りました。
「ウエルライフ」を通じてより多くの方に料理を楽しみ、豊かで充実した生活を送っていただきたいと強く思いました。

取材いただいたNPO法人ドリームさまに感謝いたします。最後はドリームの皆さまと記念写真を撮影しました。

写真