8年間の「家づくり」で気づいたこと。暮らし方の正解は、私の中に、家族の中に。【life with seasons】

公開日:2026/02/27

8年間の「家づくり」で気づいたこと。暮らし方の正解は、私の中に、家族の中に。【life with seasons】
Atsuko
Atsuko
グラフィックデザイナー

個人デザイン事務所『kalon design』代表。大手雑貨メーカーでデザイナーとして活躍後、2016年に『kalon design』を設立グラフィックデザイン業務の他、SNS運用代行、動画編集など幅広い活動を行う。ナチュラルで心地いいご自宅のインテリアやライフスタイルを紹介したinstagramも人気。

「kalon design」HP

今まで家づくりや暮らしに関してたくさんのコラムを書かせていただきました。今回はそんな私が思う、「家づくり」「暮らしを楽しむこと」についてお話ししようと思います。

このコラムを読んだ方が、心地よく暮らすヒントに、そして第一歩につながったら嬉しいです。

正解は自分の中にあることを忘れないで!

家づくりをはじめよう。暮らしをととのえよう。そう思ったとき、まずすることは情報収集ですよね!

どんなメーカーがあるのか。実際に採用してみてどうだったのか。

今はSNSがあるので、実例写真も、リアルな声も、たくさん見ることができます。とても便利で、ありがたい時代ですよね。

一方で、情報が多すぎて混乱してしまうことはありませんか?

暮らしの正解は自分の中に

「◯◯しないと損」、「◯◯は絶対にして」

そんな言葉を見ているうちに、はじめは何も気にしていなかったはずのものが、まるで自分が体験したこのとように、そうしなければ損だ!絶対にそうしたい!と思うようになってしまう経験があるかと思います。

でも、一度立ち止まって考えてみてほしいのです。

その情報を教えてくださった方と、住んでいる地域も、家族構成も、価値観も、まったく同じとは限りません。

おしゃれなら多少手入れが大変でも構わない、という方もいれば、何よりも“手入れがラク”が大事という方もいる。どちらも正解です。正解は、いつも「自分の中」にあることを忘れずに、たくさんのヒントを参考にしながら、家づくりや暮らしと向き合ってほしいと思っています。

“家づくり”は、家よりも人を考えること

 “家づくり”は、家よりも人を考えること

私にとっての家づくりは、“どんな暮らしがしたいのか”、自分自身や家族とじっくり対話する時間でした。

間取りや設備を選ぶこと以上に、自分たちの性格や癖、苦手なことを見つめること。朝から夜まで、平日・休日、わたしたちはどんな風に暮らしているのか、そんなことを考える時間が一番長かったと思います。

たとえば「片付けが苦手」だとしたら、収納が足りないのか、片付けまでの動線に問題があるのか、そもそも片付ける行為が嫌いなのか。その理由を掘り下げて考えてみることが大切だと感じます。

暮らしの癖を、家づくりに活かして

わが家はアパート時代、大容量のシューズクローゼットがあるにもかかわらず、なぜか靴が玄関に散乱していました。「どうしてだろう?」と考えたとき、扉の開け閉めが面倒だったことに気づきました。

さらに夫に理由を聞くと、「革靴はデザインを眺めてどれを履くか決めたいから、出ている方がいい」とのこと。思ってもいなかった回答でした。無意識に散らかっている×意識的にそうしている状況が合わさっていたんです。

扉を設けないオープン型のシューズクローゼットで、革靴を見せる収納に

そこで家づくりでは、シューズクローゼットを扉なしにし、革靴は見せる収納にしました。
するとどうでしょう。あれだけ散らかっていた玄関が、8年経った今でも整っています。
オープン収納はごちゃついて見えそう、と思われがちですが、見えるからこそ整えたくなるという心理から、キレイが保てているようです。

自分たちの“性格”を否定するのではなく、理解して活かす。新しい家だから、気持ちを改めるのではなく、今の自分たちに寄り添う。それが、私にとっての家づくりでした。

“暮らしを楽しむ”を因数分解して

家づくりでも暮らしをととのえる際でも、「どんな暮らしがしたいか」を具体的に考えることが大切だと思っています。

「緑のある暮らし」「家事がしやすい暮らし」のような大きなテーマも良いですが、もっと些細なことに目を向けることが快適につながると思っています。どんな空間で、どんなふうに過ごしたいのか、小さな希望に目を向けてみてください!

ここから、少しだけ私のエピソードをお話します。

「どんなふうに食事をしたい?」

食事の仕方ひとつとっても家族の思いはさまざま

たとえば、どんなふうに食事をしたいか。

わが家はダイニングテーブルがありますが、なぜか夫はリビングテーブルで床に座って食べたがります。私はダイニング派なので、そこにちょっと不満がありました。一人暮らしをしていたアパート時代に床座だったからかな?と勝手に想像してしまっていたのですが、理由を聞いてみると意外な回答でした。

「夫婦ふたりで並んで食べたいから」

隣に座れば、同じ景色を見て、一緒にテレビを見ることができる。距離が近いことで、よりふたりで食事を楽しんでいる感じがするのだそうです。

ちょっと可愛らしい理由に、思わず納得してしまい、今まで不満に感じていたことが全て消え去ってしまいました(笑)

その言葉を聞いてから、自分が思っていた普通の食事スタイルではなく、“私たちらしい食事時間”を大切にしたいと思えるようになり、食事の時間が一層楽しく感じられるようになりました。

服を置きっぱなしにする理由。なかなか直らない習慣。そこには必ず背景があります。その背景を理解した上で整えていくと、“我慢”ではなく“納得”の暮らしになります。

家づくりも暮らしづくりも、対話から。

少し家づくりの話に戻りますが、さきほどの食事スタイルのエピソード、これを事前に知っていたら家づくりにもきっと生かせていたと思います。隣に並んで座ることを想定していたら、きっと違う間取りが生まれていたかもしれません。

暮らしを楽しむことや、ととのえることは、未来の家づくりに役立つと思います!

暮らしを整えることは、暮らしを楽しむこと

家づくりも暮らしづくりも、対話から

私にとって“暮らしを楽しむこと”は、特別なことをすることではありません。

自分や家族と対話しながら、心地よく暮らしていく。改善が必要ならととのえる。それが暮らしを楽しむことだと思っています。

キッチンの収納をととのえたら、お掃除をしてピカピカにしたら、「今日は新しいレシピを試してみようかな」とワクワクしたり。そんな経験はありませんか?ととのえたことで、気持ちに余白が生まれる。

暮らしをととのえたことで、楽しむ気持ちに気付くキッカケが生まれます!

変わり続ける暮らしとともに

変わり続ける暮らしとともに

私にとっての家づくりの主軸は、間取りを決めることでも、設備を選ぶことでもなく、自分と家族を深く知るということでした。

暮らしを楽しむことは、背伸びすることではなく、自分たちらしく整えていくこと。そこから生まれる気持ちの余白から、“やってみたいこと”に一歩踏み出すこと。その繰り返しが何より楽しいと感じます。

家づくりも、日々の暮らしも、まずは「自分や家族を知ること」から。

年齢やその時の状況によって、求めること、悩み事、心地よいと感じることは日々変わっていきます。だから、これからも私は、暮らしを楽しむために、自分と家族に問いかけ続けたいと思います。

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