現在 JavaScriptがOFF に設定されています。すべての機能を使用するためには、JavaScriptの設定をONに変更してください。
公開日:2026/06/25
ドアや床、収納を開発しているLIXILリビング事業部のメンバーがお送りします。商品紹介ページには掲載していないコーディネートや組み合わせ方のコツなど、思いを込めてご紹介していきます。
インテリアのトレンドを取り入れたいと思ったとき、「何を参考にすればいいのか」迷ったことはありませんか? SNSや雑誌で見かける空間は素敵だけれど、そのまま取り入れると“どこかしっくりこない”ということもあります。リクシルのデザインは、その“違和感”に向き合うところから始まっています。住む人の“心地よさ”に寄り添いながらトレンドを意識した色や素材、デザインを住まいに落とし込んでいく。そのプロセスやこだわりについて、デザイン部門で製品開発に携わるTさんに伺いました。
Tさんが所属するCMF(Color, Material, Finish)グループでは、建材の色や質感を横断的にデザインしています。ドアや床、収納などの住まいを構成するさまざまな要素を個別に考えるのではなく、“一つの住まいとしてどう見えるか”を軸にデザインを行っているのが特徴です。「私たちは、商品単体のデザインというよりも、住まい全体のまとまりを意識して考えています。そうした設計が暮らしの心地よさにつながっていくと思うんです」住まいはさまざまなパーツでできていますが、そこに住む人にとってはあくまで一つの空間。だからこそ、それぞれの要素が自然につながり、違和感なく調和していることが、心地よさにつながっていきます。こうした空間づくりの出発点となるのが「トレンドの把握」です。ただし、リクシルではトレンドをそのままデザインに採用することは、ほとんどありません。「トレンドはあくまでヒントの一つ。例えば、SNSや海外の事例で見えてくる傾向もありますが、それがそのまま日本の住まいにフィットするとは限りません。大切なのは、そのトレンドが“どのような背景で生まれ、どんな暮らしに結びついているのか”を読み解くこと」リクシルでは、海外の展示会などで大きなデザインの傾向を捉える一方で、SNSや店舗、ホテルなど、より生活に近い場所での観察も重ねています。「さまざまな場所に足を運び、自分の目で見ることを大切にしています。色や素材は写真だけではわからないことも多いので、現地の空気感や光の当たり方も含めて確認。その上で、家具や雑貨、ファッションなどのユーザー像を固めていき、“暮らす人”をイメージしたものづくりにつなげています」
ユーザー像の設定は、特定の一人を想定するのではなく、より広い層に共通する価値観や感覚をすくい上げることが重要。ライフスタイルや家族構成、好きなものまで細かくイメージし、“こういう人たちにとっての心地よい空間は何か”を探っていきます。「デザイナー自身が、ユーザーになりきって考えることもよくあります。近年では “自然”や“ナチュラル”を好む流れが強まっていますが、実はその中にもかなり幅があります。同じ木でも、どのくらい木目を出すか、どの色味にするかでまったく違う印象になってしまうんです」だからこそ、トレンドのキーワードだけでなく、その奥にある感覚まで読み解くことが求められます。「トレンドを追いすぎると、一時的には新しく見えても、すぐに古く感じられてしまうこともあります。一方で無難にまとめすぎると印象に残らない空間になってしまうことも。そのバランスを取るのが難しいところでもあり、面白さでもあります」このように導き出された方向性は、次の工程であるデザインコンセプトの策定や、具体的な色、素材の検討へとつながっていきます。次回は、トレンドとユーザー像から描かれたイメージが、どのように具体的な製品として形になっていくのか、そのプロセスを紹介します。この連載「担当者が語る、リクシル製品のこだわり」では、カタログには掲載しきれない製品のニッチな情報や開発の裏側などのエピソードを紹介しています。・「担当者が語る、リクシル製品のこだわり」連載一覧はこちら取材執筆:佐藤有香
SHARE