“私らしい暮らし“を実践するゲストを迎えてのインタビュー企画「あの人の暮らし」。今回は家具ブランド「CRASH GATE」のチーフバイヤー・平田とわさんにお話を伺いました。
2017年よりLIXILとコラボレーションしている家具ブランド「CRASH GATE」。高いデザイン性と、扱いやすい素材が魅力で多くのファンから愛されています。
「CRASH GATE」のチーフバイヤーとして活躍する平田さんは、インテリアスタイリストとしても大人気。平田さんの審美眼は日々の暮らしの中でどのように磨かれているのでしょうか?
平田とわさんのお仕事
―「CRASH GATE」のチーフバイヤーとして活躍している平田さんですが、普段はどんなお仕事をされていますか?
平田さん:「バイヤーとして国内のメーカーさんから、“CRASH GATEらしい”雑貨をセレクトし、販売交渉も行なっています。家具を選ぶときのポイントは、おしゃれだけどとんがり過ぎていない、それでいて日本の住まいに取り入れやすい、ということです」
―「CRASH GATE」はお店の雰囲気も空気感が統一されていてとても素敵ですよね!
平田さん:「店舗では家具と一緒に雑貨も販売しているのですが、それは家具だけでなく、その“空間”を提案したいからなんです。なので、店舗スタッフとして店頭にいたときは、雑貨の陳列もしていて、そこでインテリアスタイリングの知識を学びました。そのおかげで、最近ではスタイリングの依頼をいただく機会も増えています」
―インテリアのお仕事を始めたきっかけを教えてください
平田さん:「もともと“住まい”に関することが好きだったので、新卒でインテリアショップに入社しました。最初の6年間は店舗で家具販売、その後3年間はダイニングのバイヤーを経験しました。当時 “これからは暮らし全体を提案する時代” という考え方が広まりつつあって家具と雑貨を一緒に販売する新たなブランド『CRASH GATE』の立ち上げスタッフとして声をかけてもらいました。入社当初から店舗スタッフとバイヤーを兼任し、その後専任になりました」
―お仕事で一番やりがいを感じる瞬間はどんなときですか?
平田さん:「スタイリストとしてモデルルームなどのスタイリングを依頼さることもあるのですが、そのお仕事は楽しいですね。毎回オーダーされるテイストが違うので、新しいパターンにチャレンジできるんです。中には得意じゃないテイストもあったりして、その場合は完成までに時間がかかってしまうのが悩みですが…。でも私の新しいチャレンジをお客様が喜んでくださった瞬間は、すごくやりがいを感じますね」
仕事でもプライベートでも、他のインテリアショップに足を運んでインプットを増やしたり、雑誌や本、インスタグラムやピンタレストといったSNSも日々チェックして研究している平田さん。クライアントからのどんなオーダーにも対応できるよう、日々の努力は欠かせません!
平田さんの仕事道具【BIBのビブス】
架空の仕立て職人・リチャードの物語に基づいたファッションウェアを提案するBIB (BE IN THE BAG)。アイコニックな商品であるビブスは、登山好きのリチャードが「バックパックを背負ったままでも小物が出し入れしやすいように」と開発したものなんだとか!
平田さん:「このビブスはCRASH GATEのスタッフユニフォームにも採用しているものです。ポケットが大きく、仕事で欠かせないメジャーや筆記用具を入れておくのに便利なんです。ファッション性も高くて可愛いので仕事中の気分も高まります」
自分時間のつくり方
― バイヤーとしても、インテリアスタイリストとしても活躍している平田さんですが、“自分時間”はありますか?
平田さん:「私、帰宅してから2〜3時間で寝ちゃうんですよね(笑)。その中で、夕飯の時間が準備を含めて1時間〜2時間、お風呂や家事の時間もあるから自分のために使う時間はあまりないかもしれません」
―お忙しい日々の中で決めているマイルールはありますか?
平田さん:「どんなに忙しくても夕飯は必ず旦那さんと一緒に食べることをルールにしています。料理を準備するのは先に帰った方と決めて。なので、旦那さんと一緒に仕事の話をしながら食事をする時間が1日で最もリラックスできる “自分時間” かもしれません」
ご主人の帰りが遅くても一緒に食事を共にするという平田さん。とても素敵なご夫婦ですね!
―リフレッシュしたいとき、どのように過ごしていますか?
平田さん:「昔から本が好きなので、一人になれる時間は読書をしています。ジャンルは問わずいろんなものを読みますが、最近は宮部みゆきさんの推理小説が好きですね。マンガも大好きです」
平田さんのハマりごと
―長めのお休みが取れたときは、どんなことをしたいですか?
平田さん:「夫婦でキャンプ好きなので、千葉・山梨・静岡など近場のキャンプ場に行きたいです。最近はおしゃれなキャンプが流行っていますが、私たちはすごく地味なキャンプ(笑)。テントを張って、簡単な食事を作って、ただ焚き火を眺めるんです。焚き火の炎ってパチパチとゆらめいたり、瞬いてすごくきれい。ずっと見ていても飽きないんですよ」
―先ほど本がお好きだというお話もありましたが、最近ハマった作品はありますか?
平田さん:「『俺、つしま』(小学館)という猫のマンガにハマっています。おじいちゃんとキジトラの“つしま”の交流を描いた作品なのですが、猫たちのリアルな描写と猫愛あふれるストーリーに癒されています。『猫ってこんなこと考えてるんだなぁ』と猫の気持ちを想像しながら読んでいます」
“自分らしい暮らし”のために。心がけていること
―毎日を心地よく暮らすために習慣にしていることはありますか?
平田さん:「先ほどもお話しましたが、旦那さんと一緒に夕飯を食べることですかね。結婚したときに決めたルールですが、出張の日以外はルールを崩さず守り続けています。ときには2〜3時間待つこともあるんですけど(笑)、テーブルを囲んでおしゃべりするひとときは、夫婦にとってとても大切な時間ですね」
―逆に気持ちよく暮らすために辞めたことはありますか?
平田さん:「ペットボトルの飲み物を買わないようになりました。ペットボトルによる環境汚染問題をテレビで見たのがきっかけです。エコバッグは、仕事帰りに急遽買い物したりすることもあってそこまで継続できていないのですが、タンブラー生活なら続けられると思ったんですよね。家で飲むコーヒーやお茶はもちろん、会社にも自分でいれたお茶を持参するようになりました。この生活を始めて家のゴミが格段に減りました!」
―では最後に、平田さんが“自分らしい暮らし”をするために心がけていることを教えてください
平田さん:「以前は自分だけでやろうとしたり、自分の思った通りに動いてくれない相手にイライラすることがありました。でもあるとき『察してもらおうと思っても、思っているだけでは相手には伝わらない』ことに気づいたんです。それ以来、やってほしいこと、気づいてほしいことは、ちゃんと言葉にして伝えるようにしています」
平田さん:「特に旦那さんは『きっと気づいてくれるだろう』でわかってくれると思いがちなのですが、家族だからこそ言葉で伝えるようにしています。ちゃんと伝えることで相手も理解してくれるし、私のストレスも減り、気持ちよく過ごせるようになりました」
ふんわりと柔らかい雰囲気が素敵な平田さんですが、仕事や暮らしへの考え方はしっかりとした芯が通っていて魅力的な女性でした。多忙な中でも、ご主人とのコミュニケーションを大切にしている姿は、憧れの夫婦像ですね。
・Photo by:岸孝平
・Writing by:小野喜子