インテリアの印象左右する「枠」の色とデザイン
前々回のコラムにて、室内ドアの「枠」について少し触れましたが、今回はもう少し「枠」について掘り下げてみたいと思います。
ドアの「枠」ってどの部分?
ドアや引戸などの建具には枠があることが一般的です。壁と扉本体の間にフレームのように入っている“アレ”ですね。
一般的に枠とは、上の写真のように、扉本体と同じ色にしている姿を想像することが多いと思います。
しかし、扉本体とは違う色のドア枠をセレクトすることで、インテリアの可能性は大きく広がります。
室内ドア、クローゼット開き戸:ファミリーラインパレット(ナチュラルオーク)
例えばこちらのお家。
左側の壁は黒板調のクロスになっていて、そこに白い枠、そして扉本体は木目調です。
壁、ドア枠、扉と3種類の異なる色が使われていますが、枠が額縁のような役割を担い、それぞれの境界がはっきりとした印象になっています。
このように「枠」を扉本体と違う色で構成するのも案外アリだったりします!
「枠」の色、どの組み合わせパターンがお好きですか?
では、枠の色でどう印象が変わるのか、写真を用いながら見ていきましょう!
今回は淡い模様が入ったアクセントクロスの壁面に室内ドアを入れた場合について、3パターンを比較しました。
1.扉本体に合わせる
全体に統一感がでます。クロスと建具の色=2色のみになるため、スッキリした印象です。
2.壁に近い色(白)にする
枠の存在感が抑えられ、扉本体自体が視覚的にスリムに見えます。
また枠が壁に近い色であるため、扉を開けたときの枠の主張も少なくなります。今回はベージュ系のクロスですが、一般的な白い壁であれば、より枠が目立ちにくくなります。
3.壁とも扉本体とも違う色(黒)にする
枠の黒がアクセントになり印象が強まります。
先ほど紹介したお家の事例と色は異なりますが、やはり額縁のようですね。この場合、ハンドルや丁番の色も黒なので、そこに枠の色を合わせることで、色数を抑えています。
実際の空間写真で比較!「枠」の事例集
ここからは空間事例をいくつかご紹介します。まずは白い枠を使った事例です。
左/ドア:ラシッサD パレット(ブルーペイント)、枠:ノンケーシング(プレシャスホワイト) 右/ドア:ラシッサD ラテオ(イタリアンウォルナット)、枠:ケーシング付(プレシャスホワイト)、定尺材:ワイドケーシング(プレシャスホワイト)
【写真左】
ピンクのクロスとブルーのドアの組み合わせ。扉自体の色がインテリアのアクセントになるので、白い枠が入ることで優しいパステルカラーをさらに引き立てています。
【写真右】
ストライプのクロスに横木目調のドアの組み合わせ。壁はタテ、扉はヨコ模様の組み合わせですが、枠を太く白で入れることで違和感なく仕上がっています。ストライプの幅と枠の幅も近く、絶妙に馴染んでいますね。
続いて、黒系の枠です。左/ドア:ラシッサD パレット(スモークオーク)、枠:ノンケーシング(チャコールブラック) 右/ドア:ラシッサD ラテオ(ウォルナット)、枠:ケーシング付(クリエダーク)、定尺材:ワイドケーシング(クリエダーク)
【写真左】
スモーキーな木目調のドアに合わせ、床や壁のデザインも彩度が低いもので統一されています。壁が白なので白い枠を選んでも違和感はありませんが、そこに黒が入ることで空間が引き締まり、シックで大人な雰囲気が演出できます。
【写真右】
個性的なクロスに木目調のドアの組み合わせ。
実はこの枠は黒ではなくダークな色味の木目調。これだけの太さで入れても枠が強すぎないのは黒でなくブラウンをセレクトしているから。クロスの主張が強くごちゃっとしそうですが、ドア枠のラインが太めに入ることで引き締まっています。
ビビッドなターコイズブルーの壁が特徴的な“古民家カフェ風”がテーマのお部屋。
枠は扉本体と合わせて木目調にしており、その他カウンターやオープンシェルフも木を使っています。
強い色の壁でも空間に落ち着きを感じるのは、ナチュラルな木の色のおかげ。
カフェスタイルにはピッタリの雰囲気に仕上がっていますね。枠は白でも合いますが、コンセプトとは異なりポップな印象が強くなっていたかもしれません。
LIXILのラシッサシリーズでは、枠カラーは全20色から選ぶことができます。
インテリアの印象は「枠」で変えられる
今回は室内ドアの「枠」のアレンジについて、様々なパターンをご紹介しました。
ちょっとマニアックな内容かもしれませんが、せっかくの家づくり、細かい部分までこだわってお気に入りの空間を作り上げてくださいね。
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