使うたびに育つ、無垢材オイル仕上げの木皿【PINTの愛用品】第1回

使うたびに育つ、無垢材オイル仕上げの木皿【PINTの愛用品】第1回
中地大介
中地大介
雑貨店「PINT」代表

輸入雑貨代理店への勤務後、2012年にプロダクトブランド「PINT」を立上げ。「日本の風土に合っている、伝統ある素材と技術を今の暮らしのシーンに本当にフィットさせたもの」をテーマにオリジナル製品の企画をしている。雑貨店やホテル、飲食店への製作卸のほか、WEBサイト運営と京都の実店舗での販売を行う。
・HP:http://pint.mn

はじめまして。PINTの中地です。

このコラムでは、プロダクトブランド「PINT」を手がける私の愛用品を紹介します。
第1回で紹介する愛用品は、栃(とち)の木の無垢材で作られた木皿です。

木とオイルのみ。木の素材そのままの器

ろくろ挽きの木皿 栃の木

ひと口に木皿といっても、木の種類も仕上げ方法もたくさん。扱いも難しそうだし、少し手を出しづらいという方も多いのではないでしょうか。

でも実は付き合い方さえ覚えれば、軽くて割れにくく、経年変化も楽しめるなど木皿にしかない魅力がたくさんあります。

今回紹介するのは「ろくろ挽きの木皿 栃の木」。

長野県の南木曽で作っていて、PINTの初期からずっと販売している木皿です。
素材には集成材ではなく、一枚板の無垢材を使っています。樹種は国産の栃の木。

製作をお願いしている「カネキン小椋製盆所」では丸太で仕入れ、長期間の乾燥、製材と製作まで一貫して作られています。

カネキン小椋製盆所

「ろくろ」というと陶芸のろくろを思い浮かべる方も多いと思いますが、それとは異なりこの製作に使われるろくろは、横向きで、木材を固定して回転させ、刃を当てて加工します。平皿やお椀、お盆など径や深さは様々ですが、丸い形になります。

ろくろで木皿を加工

この木皿の特徴は、シャープな形と薄さ。
今の食卓や洋食器とも合いますし、薄い分、木の軽さが際立ちます。

薄い木皿は反りの可能性が出てくるので、一般的にはウレタン塗装やガラス塗装のものが多いですが、こちらはオリーブオイル仕上げ。

多少の取り扱いの注意は必要になりますが、天然のオイル仕上げだからこそ、木の特長である経年変化がたっぷり楽しめます。

ろくろ挽きの木皿 栃の木

木皿にもいろいろありますが、最も原始的というか、ストレートな作り方で作られています。もちろん、材料も木とオリーブオイルのみ。自然でシンプルです。

パンから餃子まで。小皿をのせてワンプレートとしても

ろくろ挽きの木皿 栃の木
PINT「ろくろ挽きの木皿 モミ栃の木」9寸(27cm)

大きさは1寸(約3cm)刻みで、5寸(15cm)から9寸(27cm)までご用意しています。

小さめサイズはデザートやパン、銘々皿として。
大きめサイズは、ワンプレートとして小皿やカップを載せてもよし、パスタや餃子、チャーハンなどの大皿としてたっぷり盛り付けても絵になります。

お皿の面はフラットではないので、汁気のある炒め物やパスタを盛っても大丈夫。
また、オイル仕上げなので、温めたトーストやパンの蒸気をほどよく吸収し逃してくれます。木素材はサラダとも相性抜群です。

サラダとろくろ挽きの木皿PINT「ろくろ挽きの木皿 栃の木」8寸(24cm)

油分や食材の濃色は木皿に移ることがありますが、使ううちに馴染んでいきます。
油染みができても、メンテナンスで油を塗ったり、日々使ううちに周りもその濃さになるというイメージ。

パンとろくろ挽きの木皿
PINT「ろくろ挽きの木皿 モミの木」6寸(18cm)

新品の状態をキープするのではなく、こういった経年変化を楽しむ気持ちで使うと木皿らしさをより楽んでいただけると思います。

取り扱いについて、気をつけることはこちら。
・食洗機、電子レンジ、冷蔵庫など、機械は使わない。
・洗った後は、水気を拭き取る。
・強い直射日光や冷暖房直下など強い乾燥状況に長時間置かない。
・通常の食器洗いと同様の洗剤、スポンジ、ブラシを使用する。

こうして書いてみると面倒に見えますが、心配はいりません。
一つ一つ覚えなくてもこの注意事項には目安があって、それは「人間と同じ」ということ。

人も機械には入りたくないし、金属タワシは痛いし、手を洗った後は水を拭きとりたい。直接冷暖房に当たるのも気持ち良くありません。とりあえず、これだけで意識していれば大丈夫です。

木皿と手入れ用具

メンテナンスは必須ではありませんが、もし木肌の乾燥が気になる場合は、ご自宅のキッチンにある食用のオイルを布やティッシュなどで薄く塗って、陰干しを。
油分が補給され表面の塗膜になるので、木皿にとって自然でいい状態になります。

オイルは家にあるものでしたら何でも大丈夫ですが、亜麻仁油やくるみ油は乾性油といって乾き馴染みもよく、木の食器に適しています。

料理や食材の油も、木皿の木肌にとっては塗膜になります。日々使っていれば、メンテナンスをしなくても十分な場合が多いです。

私はテストを兼ねて、トマトベースのパスタ、焼きナス、炒飯、餃子など、色や油のつきそうな料理も盛り付けて使っています。
直後は色がつくことはありますが、何度か使ううちに周りや全体的に色濃くなって馴染んで一体化します。

使い込んだ後は、受け入れてくれる料理の幅が広がる印象です。
ちなみに、この使い始めタイミングでカレーを盛り付けるのは、色と香りが残りやすいので、お気をつけください。(じき、馴染んで消えます)

今ある食器に、木皿を組み合わせて

木皿とサンドイッチ

この「ろくろ挽きの木皿」は、昔ながらの作り方で、無垢の木をストレートに使った木皿です。

取り扱いには多少の注意が必要ですし、色も変化していきますが、それは木皿を使う上ではセットのこと。

木のクセそのまま、それに寄り添いながら使いつつ、育ってゆく経年変化を楽しむ。そんな付き合い方を楽しめそうな方にはおすすめ。

ろくろ挽きの木皿 栃の木

ちなみにこのページに使っている料理を盛り付けた写真は、全て実際に使ってくださっているお客様からいただいたもの。

買ったその日の夕飯に餃子を盛り付けたり、カフェで毎日ランチプレートに使ったり。
中にはこちらが心配になるくらいの勢いで使ってくださる方も。
「思っていたよりも気軽に、楽に使えている」という声も多いです。

木皿は、陶磁器やガラス、金属など、他の素材との相性も抜群。
今お持ちの器に加えて、組み合わせや使い方で、自由に楽しんでいただけたらと思います。

使うたびに育ち、経年変化を楽しめる木の器。
皆さんの食器選びの参考にしていただけたら嬉しいです。

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