古いもの好きのBさん夫妻。2015年に中古の一軒家を購入し、念願のリノベーションを行いました。理想の家づくりにはどんな工夫が散りばめられているのでしょうか。
“古民家カフェ風”をテーマに
カウンターは家族だんらんの場。内側が低いので、ご主人の膝の上の娘さんとも目が合います。
Bさん:「自分たちで手を動かすのが好きなことと、費用を抑える狙いもあって、DIYの余地を残した仕上げにしてもらいました。〝古民家カフェ風〞をテーマに、棚をつくったり、壁を塗りかえたり。理想の家づくりは今も進行中です」
個性的な色や武骨な素材を上手に使いこなして
Bさんは、個性的な色や武骨な素材を上手に使いこなして、カフェスタイルのインテリアを実現しています。手前はリビング。リノベーションでキッチンとひと続きの広いワンルームにしました。
Bさん:「キッチンを家の主役にしたくて、壁の色は大好きなターコイズブルーをチョイス。北欧風の淡いブルーと迷いましたが、ビビッドな色にして大正解。キッチンにいるだけで気分が上がります」
北欧好きの奥さまが集めた食器やポット。壁のブルーや窓のチェッカーガラスと好相性。一見難しそうな色ですが、しっくりとなじんでいるのは配色の妙。
Bさん:「床、カウンター、オープンシェルフ、ドアなど面積のある部分は、ナチュラルな木の色でまとめました。壁の強い色を受け止めて、空間に落ち着きを与えてくれます」
色使いとともに、素材選びのうまさもBさん宅の特徴。ナチュラルな雰囲気になりがちな木を多用しつつも、金属を組み合わせることで甘さを抑え、男前の印象を生み出しています。
左/キッチンのオープンシェルフの下に、壁の色になじむカラーのスチールワゴンを。右/カウンターの下にもスチールシェルフを。
キッチンの棚や洋服のハンガーラックは、木とアイアンのコンビ。
Bさん:「金属は丈夫で実用的なことはもちろんですが、硬質な素材感が、ほどよいインテリアのアクセントになってくれるんです」
建具好きの奥さまは、キッチンと浴室、トイレをつなぐドア&引戸選びにもこだわったそう。
Bさん:「はじめはヴィンテージで探していたのですが、デザイン、価格とも満足いくものがなかなかなくて。LIXILのショールームでこのドアに出会って即決しました。こなれた感じの質感や、チェッカーガラスのレトロな表情がお気に入りです。浴室には引戸、トイレにはドアを選びました」左/キッチンからトイレ(奥)、浴室(手前)へと続くドアと引戸はLIXIL「ファミリーラインパレット」のナチュラルオーク。右/白を基調に色を配した浴室。
キッチンで存在感を放つカウンターは、天然木の一枚板。内側を1段低くして、座る人と目線が合うようにするなど、カフェさながらの工夫が施されています。イームズのシェルサイドチェアは、あえて色が異なる3脚を並べています。
洗練された色彩感覚のたまもの!
DIYはご主人、大胆な色使いのプランニングは奥さまが主に担当。奥さまは服飾系の専門学校でテキスタイルを学んだのち、デザイナーとして働いていました。色をたくさん使いながらもごちゃごちゃしない空間づくりは、洗練された色彩感覚のたまものです。
左/マリメッコの布を張って壁紙がわりに。すぐまねしたいアイディアです。奥にちらりと見えるシャンデリアがアクセント。右/縁側だったスペースを、床にタイル風シートを貼り、壁にしっくいを塗って、サンルームのように変身させました。ペットのパグ2匹(イチゴ、ワカメ)の憩いの場です。
左/玄関まわりの壁はダークブラウンの合板。いずれDIYで塗りかえるつもりで、あえて元のまま残してもらっています。右/玄関に置いたヴィンテージのカップボードに北欧のカップを並べて。
いつかお店を開けたら・・・
「今後は、少しずつ買い集めてきたヴィンテージ家具を生かして空間をととのえていきたいですね。いずれカフェや雑貨ショップを開けたら素敵です」と話す奥さま。人気のお店になりそうですね。
※掲載商品は実施工例のため、販売終了商品も掲載されている場合がございます