大きな空が広がる、高知市郊外の気持ちのよい住宅街。この一角に建てられたMさん宅。かつてはご主人の実家があり、リノベーションも検討したが、建て替えを決意したのだそう。
目指したのは「20年後も心地いい」と感じられるインテリア
調理台の前に収納棚がついたシステムキッチン(LIXIL)。中には隠したいものを、外は飾る用として使い分けられるのが魅力
中学生の頃からインテリア誌を愛読していたという奥さまの並々ならぬ家づくりへの情熱をご主人が見守る形で、マイホーム作りを進めていったMさん一家。意識したのは、20年後も心地よいと感じられるインテリア。
Mさん:「今はカッコいいと思っても、40代、50代になったときに“若いな”と感じるような造作は避けたいなと思っていました」
そこで、主要な部分はホワイト&ブラウンを基調カラーとしたすっきりとしたスタイルをベースにスタートすることに。
Mさん:「どこにどんな建具やドア、壁紙を使うのか考える時間が楽しかったですね」
特に家の印象を決定づけるクロスやタイル選びには時間を費やし、サンプルをもらっては、当時住んでいた家の壁や天井に貼りつけて検討する日々を送ったそう。
そんな中ひと目惚れし、絶対に使いたいと思ったのがネイビーのタイルでした。キッチンの側面タイルは「インテリアモザイク 釉泉(ゆうせん)」(LIXIL)
暮らしの中心となるキッチンとダイニングの間仕切りとしての役割を持ちながら、個性を感じさせる空間に仕上がっています。
キッチンの横はスタディコーナーに。コンクリート風の壁紙を貼って空間を仕切ることなくセパレート。デスクの上には、ご主人の実家から受け継いだという小さな引き出しが置いてありました。
Mさん:「インテリアにちりばめたパッと目を引く色使いは、ちょっぴりレトロでジャンクなテイストに惹かれている今のフィーリングとマッチしています。インダストリアルな家具や雑貨をほどよく加えて、コーディネートを楽しんでいます」
左/親子扉は「ウッディーライン」のクリエモカ(LIXIL)
右/クローゼットドアは「ウッディーライン」のクリエモカ(LIXIL)
リビングにつながる親子扉は高さ2.4mと大きいサイズを採用。住宅でこのサイズの扉を取り入れる例は少ないようですが、ご主人いわく「開放感があってお気に入り」なのだそう!
リビングの収納棚は上下にスペースを作り、雑貨を飾ったりしています。
奥さまが得意なDIYで“今の気分”を演出
DIYが得意な奥さま。収納場所に困る子どものおもちゃはDIYの棚でカッコよく収納。カラフルなおもちゃをインダストリアルな黒が引き締め、出しっぱなしでもサマになるおもちゃコーナーになりました。
2階は寝室などのプライベート空間。階段を上ってすぐのスペースには家族の写真をたくさん飾った、一家のギャラリーになっています。
子ども部屋の収納は、カラーボックスに壁紙のサンプルを貼りつけて簡単リメイク。
左/子ども部屋のドアは「ウッディーライン」のグレージュオーク(LIXIL)
右/室内の一角にはおしゃれなディスプレイスペースも。パネルの黄色×チェアの青の対照色が素敵です。右側にかけているバスサインは奥さまお手製
お庭に出てみると、ここにも奥さまのDIYアイデアがいっぱい!
リビングから見える目線の延長には柵を設置して外からの目隠しに。奥さまのお父さまがSPF材を古材風にペイントしたしたのだとか!
貨物ボックスをイメージしたプランターもDIY
おしゃれが楽しくなる、こだわりの水回り
左/タイルは「インテリアモザイク窯変ボーダー」YB11H(LIXIL)
右/鏡の下にあしらったタイルは「インテリアモザイク窯変ボーダー」YB22H(LIXIL)
2人の娘さんがいるMさんご夫婦が密かにこだわったのが、トイレや洗面所といった水回りです。
Mさん:「トイレはモノをごちゃごちゃと飾りたくないので、 手洗い器とタイルのカラーを合わせて、さりげないおしゃれを意識しました。また、子どもは女の子2人なので洗面コーナーは大きめにとりました」
洗面台はウッド、手洗器と蛇口はアンティーク調で、飽きのこないデザインです。モザイク風タイルとマッチしていますね。メイクなどをする洗面コーナーもウッドを基調にした、シンプルな空間。
これから2人の娘さんが成長していくにつれ、鏡の前は争奪戦になりそう。これだけ広い洗面コーナーなら、忙しい朝でもゆったりと身支度ができそうです。
水回りの設計にも、将来を見据えた工夫がちりばめられています。そこにもMさんらしいこだわりを感じました。
DIYで叶える、“今の気分で変化する住まい”
インテリアの好みも変化することを見越して、ベースとなる建具や床材、壁はベーシックにしたMさん。だからこそ、奥さまのDIYの技が活かされ、今の気分にフィットする楽しい空間が作られていました。
Mさん:「暮らしながら見えてくる欲しいものや、雑誌やウェブで見かけた旬のアイテムを、家に合ったサイズや色使いにアレンジして制作していました」
DIYが得意な奥さまの手によって“今の気分で変化する住まい”へ。「今度はあそこにあれを…」と、Mさん宅からは、週末になるとトンテンカンと楽しい音が鳴り響いていることでしょう。
※掲載商品は実施工例のため、販売終了商品も掲載されている場合がございます