大切なペットに快適な時間を過ごしてもらうためには、安全を配慮したインテリア選びや、ストレスフリーな配置の工夫が大切です。
特に「猫」は、高い場所を好む傾向にあるため、キャットタワーなどを取り入れて「上下運動」ができる空間をつくってあげるのがおすすめです。
人気家具店「CRASH GATE(クラッシュゲート)」の立川亜沙美さんに、猫が快適に過ごせるインテリアのポイントや、アイテム選びについて伺いました。
▼使用したアイテム
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□キャットウォーク…「猫壁」壁パネル(プレシャスホワイト)パーツ(ベージュ&オレンジ)および(ライトグレー&ライトグレー)
□室内ドア…ラシッサS(クリエモカ)
・ドア把手…握り玉(ブラスゴールド)
□床材…床「ラシッサ Dフロア」(耐水・ペットメープルF)
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この空間に使われたアイテムの画像付き一覧を記事の最後でご覧いただけます。
- 目次
- (1)猫が動きやすい動線づくりや家具の配置で、「ストレスフリーな空間」を目指す確保ースを確保
- (2)アレンジ可能なキャットウォーク「猫壁(にゃんぺき)」で猫のパーソナルスペースを確保
- (3)お手入れしやすいペット用の「床」で、より過ごしやすく
- (4)猫も飼い主もストレスフリーな暮らしを目指そう
猫が動きやすい動線づくりや家具の配置で、「ストレスフリーな空間」を目指す
猫がくつろげる住空間のポイントは、「猫が動けるスペースが十分にあること」。猫はゆっくりと室内を歩き回ることもあれば、思いっきり全速力で走り出すこともあります。この行動は、狩りをしていた頃の本能から来るもの。走り回ることで不安やストレスを解消していると考えられています。
猫が動きやすくするためには、床には物を置きすぎず、猫が安全に動き回れるスペースを確保することが大切です。
壁紙:猫壁面 FE76243(サンゲツ)、ドア面 FE76242(サンゲツ)
また、気ままで自由な性格の猫にとって、リビングや廊下、寝室など、家中を好きに行き来できることも大切です。室内のドアは常に開けておいて、「飼い主がいないと部屋の出入りができない」という状態にならないよう注意しましょう。
しかし、猫が自由に部屋を出入りできるように常にリビングのドアを開けておくと、夏や冬は冷暖房の効果が下がってしまいます。そんなお悩みを解消するために、「ペット用ドア」を検討してみてはいかがでしょうか?
ドア「ラシッサS」ペットドア(クリエモカ)、ドア把手「握り玉」(ブラスゴールド)
リクシルの室内ドアシリーズ「ラシッサ」では、ラインナップ28色の全色ペットドア仕様をセレクトできます。
豊富なカラーの中から、家の雰囲気や床・壁のカラーに合わせて選択。部屋のインテリアをいかしながら、ペットに優しい仕様を選べるのが便利です。今回は、ウォルナット系カラーのクリエモカを選びました。ドアノブはアンティーク感のあるブラスゴールドの握り玉です。
開口部は高さ279mm×幅226mmのゆとりあるサイズで、猫や小型犬が楽々出入りすることができます。フラップ部分は半透明の樹脂製素材で、ドアの向こうにいるペットの姿も確認しやすいデザイン。簡単に取り外しして掃除がしやすく、フラップの上下の部品カラーも建具に合わせられるので、空間に馴染ませやすいのも嬉しいポイントですね。
詳細はこちらの動画をご覧ください。
アレンジ可能なキャットウォーク「猫壁(にゃんぺき)」で猫のパーソナルスペースを確保
キャットウォーク「猫壁」、ソファ「SOFA SNIFF」(NWLH)、天井照明「Astre アストル シーリングライト」、スタンド照明「Svante スヴァンテ フロアライト」(ともにCRASH GATE)
猫が上下運動しやすいように、キャットタワーやキャットウォークを設置するのもおすすめ。室内で動ける環境が整っていないと行動範囲が狭くなり、運動不足やストレスにつながることも。大切な家族の健康管理のためにも、十分に運動できるスペースを用意してあげましょう。
キャットウォーク「猫壁」壁パネル(プレシャスホワイト)パーツ(ベージュ&オレンジ)
リクシルでは、ペット保険会社・アニコム損害保険と共同開発した、マグネット脱着式のキャットウォーク「猫壁(にゃんぺき)」を取り扱っています。
猫壁とは、専用のマグネットボードを壁に設置するだけで、好きなパーツを脱着でき、猫の年齢や性格に合わせてレイアウトがアレンジできるキャットウォークです。
お好みでパーツを組み合わせできるので、部屋のテイストに合わせてカラーを変えたり、家具の配置に合わせて移動したりと、後から変更ができるのも嬉しいところ。こちらの空間では木目カラーともよく馴染みつつ空間のアクセントにもなるオレンジのパーツをセレクトしました。
一般的なキャットタワーは、猫が飽きて遊んでくれなくなったり、加齢によって登れなくなったりすることも。「猫壁」なら新しいパーツを加えたり、パーツ間の距離を縮めたりと、飼い猫の成長や性格に合わせて変更できるので、快適なパーソナルスペースをつくることができます。
キャットウォーク「猫壁」、パーツは「ボックス透明タイプ[アクリル仕様]」(ライトグレー&ライトグレー)
さまざまな形状のパーツがあり、穴の空いたトンネルや、程よい揺れを楽しめるブリッジ、優しく包み込んでくれるハンモックなど、全10種類。上の写真のように底の一部が透明のアクリルになったタイプもあるので、猫の肉球を下から眺めることができるのも、猫好きにはたまらないですね。
8kgの猫が飛び乗っても安心の設計なので、安全に遊んでもらうことができます。多頭飼いで2匹の猫が1つのパーツに乗る場合は、同シリーズの「サポートバー」を付けることで使用していただけます。
お手入れしやすいペット用の「床」で、より過ごしやすく
床材もペット視点で選ぶことで、猫も飼い主も快適に過ごしやすくなります。「ラシッサ Dフロア 耐水・ペット」の床材は、耐水性と抗菌効果があるので、もし猫が粗相してしまった場合でも、さっと簡単に拭き取れてお手入れも楽ちん。耐アンモニア性もあり、変色がしにくいのも特徴です。
床「ラシッサ Dフロア 耐水・ペット」(メープルF)
床材と合わせて選びたいのが、ソファやスツール、ラグなどの家具。ペットと暮らしながらでもケアしやすいアイテムを選んでみるのはいかがでしょうか?
例えば、ドライクリーニング可能なソファ。大型家具はメンテナンスのしやすさを重視してみるのがおすすめです。
また、家具の配置は全体的に低めにして猫が上りやすいようにしたり、丸みのあるアイテムにして柔らかな雰囲気にコーディネートするのもおすすめです。
丸スツール「STOOL DOT」、テーブル「CENTER TABLE SERVO」(ともにCRASH GATE)
私たち人間にも家の中に「お気に入りの場所」があるように、猫ものんびりと過ごせる「自分だけのスペース」が欲しいもの。ペット用ベッドを置いてあげるなど、人と一緒に暮らす中でも安心して過ごせるパーソナルスペースをつくってあげましょう。
センターテーブルの脚やスツールの黒とペット用ベッドの脚をリンクさせることで、インテリア全体に統一感を生むことができます。
ペット用ベッド「KEVIN」、ペット用フードボウル「RIME」(ともにPETTO)
猫も飼い主もストレスフリーな暮らしを目指そう
猫との暮らしの中では、つい「猫優先」の視点に偏りがちですが、長く一緒に暮らすためには人間にとってもメンテナンスしやすい空間づくりが大切です。
猫の性質や行動を理解しながら、ストレスをかけない環境づくりとともに、飼い主もストレスフリーでいられる空間づくりを意識してみてはいかがでしょうか。快適な環境を整えて、猫との暮らしを楽しんでくださいね。
後編では、【おしゃれでペットフレンドリーなインテリア】をご紹介。ぜひご覧ください。
【プロフィール】
立川 亜沙美(CRASH GATE)
株式会社関家具「CRASH GATE」所属。店舗マネージャーとして芝公園店と幕張新都心店を担当し、お客様に向けて空間づくりのアドバイスを行う。3Dシミュレーターを使ったコーディネートサービスも行い、空間コーディネートをサポート。「ナチュラルテイスト」や「北欧テイスト」などのスタイルを得意としている。
撮影:鈴木寿教
取材執筆:佐藤有香