組み合わせて楽しめるLIXILの建材と、人気家具店とのコラボレーションで彩る“私らしい”コーディネートをご提案する「インテリアレシピ」。
今回は人気家具店「CRASH GATE(クラッシュゲート)」の立川亜沙美さんに、ブラックインテリアを使ったモノトーンスタイルをご提案いただきました。
黒を使ったモノトーンインテリアは、落ち着いた大人の空間を演出することができますが、一方で「暗い印象になりそう」「圧迫感を感じるのでは」というイメージも。
そこで今回は、黒のインテリアを使いつつ、明るさや軽やかさを感じられるコーディネートをご紹介します。
立川さんに抜け感を作るためのテクニックや、柔らかい印象にするためのポイントを伺いました。
▼使用したアイテム
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□室内ドア・引戸…ラフィス(プレシャスホワイト/トープ)
・ドア把手…スクエアJ(シャインニッケル)
・引手…(シャインニッケル)
□室内ドア…ラフィス(プレシャスホワイト×フロストホワイト)
□床材…グラムストーンⅡ(IPF-630/GSN-1)
□キッチン本体…リシェル(ペールグレイン×カラカッタホワイト)
□カップボード…リシェル(シルキートープ×カラカッタホワイト)
□収納…ヴィータス 一枚棚(プレシャスホワイト)
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※この空間に登場するアイテムリストは、ページ下部「アイテム一覧を表示」からご確認いただけます
- 目次
- (1)黒を使ったモノトーンインテリアには、どんなメリットがある?
- (2)「目線より下」に黒を配置。家具の脚などで細いラインを意識する
- (3)さまざまな素材をミックスして、「黒」の印象をやわらかくする
- (4)曲線のラインと木目調アイテムでリラックス感を高めて
- (5)「黒2割」で構成した、穏やかなモノトーンスタイルが完成
黒を使ったモノトーンインテリアには、どんなメリットがある?
キッチン本体「リシェル」(ペールグレイン×カラカッタホワイト)
今回は黒系を主役にしたインテリアに、白い建具や木目調のアイテムを組み合わせた「モノトーンスタイル」を紹介します。
近年、黒インテリアはシンプルなスタイルや洗練されたホテルライクなテイストを好む方に人気です。
黒を使うことで得られるメリットは、空間にメリハリをつけてくれること、部屋の雰囲気をキリッと引き締めてくれること。無彩色の黒はスッキリと整った印象も与えてくれるので、ミニマルな暮らしをしたい方にも好まれています。
ただ、黒の割合や配置する場所によっては、「重たさ」や「圧迫感」を強めてしまうため、「抜け感」を意識してバランスを調整していくことが、うまくまとめるためのポイントです。
黒インテリアをバランス良くコーディネートするコツは、以下の4つです。
- 目線より下の高さに配置
- さまざまな素材をミックスさせる
- 曲線や木目調のインテリアと合わせる
- 黒を2割にすることでやさしい印象に
ドア(写真左)「ラフィス」(トープ)、ガラスドア(写真右)「ラフィス」(プレシャスホワイト×フロストホワイト)
今回セレクトしたのは、「ラフィス」シリーズの異なる質感の2つのドア。やわらかな印象のカラーや透け感のあるガラスドアは、モノトーンスタイルとも相性抜群です。
床や壁の明るいホワイトと黒いインテリアの中間となるカラーや質感を選ぶことで、暗さや重さを感じにくく開放感を感じさせてくれます。今回選んだラフィスのトープは、ニュートラルなグレーよりもグレージュ寄りのカラーなので、温かさも感じます。
「目線より下」に黒を配置。家具の脚などで細いラインを意識する
面積の大きな黒インテリアは、「目線より下」に置くようにしましょう。高い位置に黒を配置してしまうと空間を圧迫してしまいがちです。低めにコーディネートすることで、しっかりと存在感を出しながら、開放感のあるスペースに仕上げることができます。
フロアランプ「Panama-floor lamp」(ARTWORK STUDIO)
また、繊細なラインが美しいフロアランプには、ゴールドを選んで遊び心を演出しました。台座が石素材なので、白タイルの床との境目が目立たず合わせやすいです。
床「グラムストーンⅡ」IPF-630/GSN-1(LIXIL)、ダイニングテーブル「MOLDA DINING TABLE」LGY、チェア「DINING CHAIR ATOM」(ともにCRASH GATE)
ダイニングスペースは、清潔感のある白タイルで明るい雰囲気に。
ここでも家具の黒要素は足元にまとめています。ダイニングテーブルは、脚部分が「細いライン」のアイテムをセレクトすることで、抜け感を演出。太いラインはどっしりとした安定感を感じられますが、同時に重たさを感じさせてしまうことも。「黒を使いたいけれど、重い印象は避けたい」という場合は、家具の脚の細さを意識すると良いでしょう。
また、ダイニングテーブルやキッチンの天板のセラミック素材は、黒アイテムとも好相性。清潔感や高級感を印象づけてくれます。
さまざまな素材をミックスして、「黒」の印象をやわらかくする
ソファ「SOFA PLUTO」(CRASH GATE)
黒インテリアは、素材によって表情が大きく変わります。例えば、柔らかい印象にしたいならファブリック類を使ったり、スマートな印象にしたいなら革素材を選ぶなど、好みのスタイルに合わせて、素材選びも意識してみましょう。
今回セレクトしたソファは、黒のコーデュロイ素材。目で見るとチャコールグレーのようにも見えるので、「優しい黒」を演出したいときにおすすめです。
他にも、サイドテーブルには透過性のある黒いガラスを、ダイニングチェアの座面にはダークグレーのファブリックを使うなど、「真っ黒ではない黒」を意識して選んだことで、黒の強さや堅さを緩和してみました。
テーブル「CENTER TABLE KATE」(CRASH GATE)
インテリア選びでは、手入れのしやすさも大切なポイント。拭き掃除しやすいガラス製のサイドテーブル、傷や汚れに強い機能性ファブリックのチェア座面など、手入れのしやすさも重視することで、長くきれいに使い続けることができそうですね。
チェア「DINING CHAIR ATOM」(CRASH GATE)
注意したいのが、黒インテリアをすべて同じ色や素材、質感でそろえすぎてしまうこと。
統一感を意識してすべて同じ感じにしてしまうと、かえって収まりが悪くなってしまうこともあります。
黒インテリアは同じ質感やトーンの黒で統一しすぎず、バランス良くさまざまな質感を取り入れるのが上手にまとめるためのポイントです。
曲線のラインと木目調アイテムでリラックス感を高めて
テレビボード「TV BOARD ZINRO」(CRASH GATE)
空間全体に「直線」のフォルムが多い場合は、アートや小物には「曲線」や「丸み」のあるデザインを選び、リラックス感を高めるのがおすすめです。
今回セレクトしたアートは、深みのあるブルーの曲線がポイント。黒インテリアともなじみよく、程良い差し色になってくれます。
カップボード「リシェル」(シルキートープ×カラカッタホワイト)、キッチン収納「ヴィータス 一枚棚」(プレシャスホワイト)、ペンダントライト「Bliss mini 3-dining pendant」(ARTWORK STUDIO)
また、今回は木目調のアイテムも意識的に取り入れてみました。「白や木目調のアイテムと、黒系の家具は合わせにくそう」と思われがちですが、黒インテリアは白やナチュラル素材との相性抜群です。
黒と白のモノトーンスタイルに木目調のナチュラルカラーを入れることで、カッコ良さの中に優しさが程よいバランスで調和できます。「黒が好きだけど、かっちりした印象にしたくない」という方におすすめなので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
「黒2割」で構成した、穏やかなモノトーンスタイルが完成
黒の割合を全体の2割程度に抑えた今回のコーディネート。黒のカッコ良さを引き立てつつ、明るさと穏やかさも感じられる空間に仕上がりました。
黒の割合を増やしていくと、かっちりした雰囲気が増し、モノトーンのコントラストを強く感じられるように。
インテリアの模様変えで、さまざまな黒の割合を試してお好みのバランスを見つけてみるのも楽しそうですね。
【プロフィール】
立川 亜沙美(CRASH GATE)
株式会社関家具「CRASH GATE」所属。店舗マネージャーとして芝公園店と幕張新都心店を担当し、お客様に向けて空間づくりのアドバイスを行う。3Dシミュレーターを使ったコーディネートサービスも行い、空間コーディネートをサポート。「ナチュラルテイスト」や「北欧テイスト」などのスタイルを得意としている。
・撮影:鈴木寿教
・取材執筆:佐藤有香