今回ご紹介するのは、マンションのリノベーションアイデア。
共働きの夫婦と、高校生の息子さんがいる家庭をイメージし、国内外で注目されている「ネオセブンティーズ」のテイストを演出。インテリアコーディネーター荒井詩万さんによるコーディネートで、1970年代のトレンドを現代らしくアレンジしながら、「大人の余裕」を感じさせるアイテムを選び、モダンな空間を目指しました。
そんなインテリアトレンドを押さえつつ、ひとり時間を楽しむ工夫を散りばめた今回のコーディネート。家族が集うLDK以外に、ゲーミングルームやネイルルーム、インナーテラスなどを設けました。家族時間もひとり時間も大切にできる、洗練された部屋づくりのポイントをお伝えします。
- 目次
- LDKはトレンドを意識して高級感のある雰囲気に
- インテリア格子で空間を仕切り、家事の合間の「くつろぎスペース」を確保
- 複数のカラーを取り入れるときは「色のつながり」に気をつけて
- 「ひとり時間を楽しむ空間」は、異なるテイストで個性を演出
- 自分のための居場所づくりで、心地良さと豊かさを体感して
LDKはトレンドを意識して高級感のある雰囲気に
床「ラシッサ Sフロア」クリエチェリーF、引戸(キッチン収納)「ラフィス」プレシャスホワイト、ウォールアート「GESTURAL ABSTRACTION Anthracite WP20331 」(WALPA)
「ネオセブンティーズ」とは、1970年代のデザイン要素を取り入れたインテリアテイストのこと。木目、石目、スエード、ラタンなどの素材の組み合わせと、落ち着きのあるカラー選びが特徴です。
今回の空間のベースカラーとして選んだのは、床材「ラシッサS」のクリエチェリーF。おおらかな動きの板目と、味わいと落ち着きのあるカラーが魅力で、ブラックアイテムと組み合わせれば、モダンさと高級感を演出してくれます。
壁面を飾るモノトーンのウォールアートは、空間のフォーカルポイントとして選びました。こちらは海外の壁紙をモール材で囲って額縁風に演出したもの。ところどころひらがなのようにも見え、モダンな中にもどことなく「和」の要素も感じさせてくれるユニークなアイテムです。ゴールド調のラインがインテリアのポイントに。
キッチン「リシェル」ラスターブラック/バサルトブラック、ダイニングテーブル「REGLE」バサルトブラック(AYANO)、ダイニングチェア「ケープ」(CRASH GATE)
ダイニングとキッチンは、ブラックを基調にして重厚感を。ダイニングテーブルの天板とキッチンのワークトップは、同じデザインのセラミック天板を使用しており、連続するセラミックが美しく空間の主役に。傷や熱に強いセラミック素材は手入れもしやすく、おすすめの素材です。
ソファ「グロー」、ラウンジチェア「アボック」、サイドテーブル「トロ」(すべてCRASH GATE)、居室ドア「ラフィス」プレシャスホワイト
リビングスペースは、さまざまなシーンとレイアウトに対応してくれるソファを中心に、ネオセブンティーズらしい深みと温かみのあるこっくりカラーを散りばめました。
オレンジ、グリーン、ブラックなど、複数の色が存在していますが、チグハグにならないのは「色のつながり」があるから。例えば、ソファの上のクッションとラグマットのカラーや、サイドテーブルとチェアの脚のカラーなど。素材や形が違っても、色をリンクさせることで一体感が生まれ、バランス良く空間をまとめることができるでしょう。
LDK全体でも、チェア背面にある引戸の引手やサイドテーブル上のフラワーベースを、キッチンのウォールアートのゴールド調とリンクさせています。
インテリア格子で空間を仕切り、家事の合間の「くつろぎスペース」を確保
格子「インテリア格子」クリエチェリー
キッチンの奥には、床と同色のインテリア格子を設置し、家事の合間の休憩スペースを作りました。最近では、空間の一部にベンチやチェアなどを置いて、隠れ家のようなスペースを作る人も増えています。家族と同じ空間にいながら、ゆるく空間を仕切ったり、目線を外せるポイントを作ったりすることで、ほっと一息つきたいときのくつろぎ空間が生まれます。
ラウンジチェア「シャドウラウンジチェア」(CRASH GATE)、エコカラット「エコカラットプラス」マジェスティックスレート/グレー
このスペースに置いたラウンジチェアも、ネオセブンティーズをイメージさせてくれるアイテム。アクセントカラーのブラックが入ったインテリアを選ぶことで、キッチンやダイニングとのつながりも意識しました。
「ひとり時間を楽しむ空間」は、異なるテイストで個性を演出
ここからご紹介するゲーミングルームやネイルルーム、インナーテラスについては、LDKとの統一感は意識せず、あえて異なるテイストにしました。家族それぞれがひとり時間を楽しむための空間なので、各々の好きなカラーや雰囲気を取り入れた空間をイメージしています。
「ゲーミングルーム」はモノトーンスタイルでスタイリッシュに
床「リノバ うわばReフロア」ライトスモークオーク、デスクカウンター「集成カウンター」チャコールブラック、ゲーミングチェア「ルセルV3」(関家具)
壁面収納「アセントボード」ブラック、ドア「ラフィス」プレシャスホワイト/クリアガラス
他の空間よりも一層モダンさが際立つゲーミングルーム。全体をモノトーンでまとめつつも、暗い印象にならないように、明るいモノトーンカラーの床を上張り。さらに、窓がなくても明るさを感じられるように、ガラスドアを採用しました。
また、ヘッドフォンなどのアイテムが散らからないようにするため、壁面にアクセントボードを設置。マグネットを活用した「かける収納」で、部屋を片付けやすいように工夫しています。
テーブルを広めにレイアウトしているので、親子で並んでゲームを楽しむこともできます。ゲームだけでなく、デスクワークで使うのもおすすめ。
デコマドのある「ネイルルーム」は明るく華やかな空間
床「ラシッサDフロア 耐水UDわん」マーブルホワイト調、テーブル「耐水メラミンカウンター」プレシャスホワイト
ネイルルームは自分でネイルアートをするシーンはもちろん、友人を招いてネイルを施すことも想定して、女性らしいフレンチシックなインテリア選びに。
壁面の収納スポットとして設置したセージグリーンのアクセントボードは、クラシカルなグリーンのクロスとも好相性です。大理石調の床材やシャンデリアも、空間の華やかな雰囲気を高めてくれています。
壁面収納「アセントボード」セージグリーン
また、今回のネイルルームには、チェッカーガラスの室内窓を設置しました。
屋外からの光を取り込むための窓がない場合でも、室内窓を活用すれば廊下からの光を室内に届けたり、反対に部屋の明かりを廊下に届けることができるほか、部屋の外にいる家族との「つながり」を感じられたり、空気の入れ替えができたりといったメリットも。
ドア「ラフィス」プレシャスホワイト、窓「デコマド」プレシャスホワイト/チェッカーガラス
ヨガや読書、室内干しスペースにも。陽光差し込む「インナーテラス」
ドア「ラフィス」クリアガラス/フレームブラック
読書やヨガ、室内干しスペースとしても活用できる「インナーテラス」は、リビングとのつながりを感じられる、ガラスドアの引戸で間仕切りしました。3枚分の開口で、テラスから差し込む明るい日差しを、たっぷりとLDKにも届けます。
ベンチ「リラックスベンチ」プレシャスホワイト/座面クッション グレー、収納「ヴィータス」プレシャスホワイト
ベンチの座面の下は収納になっていて、普段外には出しておきたくないヨガの道具や季節物のブランケットも、スマートに収納できます。
自分のための居場所づくりで、心地良さと豊かさを体感して

家族の目を気にせずに、ぼんやりと考え事をしたり、自分の好奇心や興味に没頭できる場所を作ることは、日々の暮らしに心地良さをプラスしてくれるはず。
小さな部屋を設けるのも良いですし、インテリア格子などでゆるく仕切って、椅子を置くだけでもOK。空間が切り替わることで、気持ちのオンオフをつけやすくなりますし、暮らしの中に「自分のための場所」があることで、心の豊かさにもつながるでしょう。
マンションのリノベーションを検討している方は、ひとり時間を楽しめる工夫を取り入れてみてはいかがでしょうか。
取材執筆:佐藤有香
撮影:神出 暁