Our Vision

「無駄にしない精神」
が生んだ
画期的な
再生アルミニウム

脱炭素化の新たな選択肢に

アルミ新地金への依存を減らす循環型低炭素アルミ「PremiAL」は、開発者の粘り強い意思で実現しました。

25年の経験と取り組みが結実、アルミ新地金への依存を減らす循環型低炭素アルミが誕生

池上直樹・LIXIL Housing Technology
材料事業部

池上直樹・LIXIL Housing Technology 材料事業部

LIXILがアルミのリサイクルに取り組み始めたのは、カーボンニュートラルという言葉が出るはるか以前、25年以上前のことでした。当初から脱炭素を目指したというよりは、アルミという貴重な資源を有効に使おうという社内的な取り組みから始まったのです。

当初、解体されたアルミサッシの廃材などをねじや錠などの様々な部品がついたままの状態で引き取り、自分たちの手でそれらを取り除き、再生できる状態になるまで選別していました。その後リサイクルアルミ使用比率を高めていく中で、パートナー企業に回収、解体、選別の協力を依頼するようになり、現在は全国各地から選別された原材料を安定的に供給してもらっています。

脱炭素社会の実現のためには、CO2排出量の削減に大きなポテンシャルを持つアルミのリサイクル推進が必要です。
私たちは、“目の前にある気付きに対して、今取り組めば環境課題を克服できる可能性を秘めている”ことがあれば、短期的な経済的合理性だけで判断せずに、長期的な視点をもって取り組んでいきたい。
それが、アルミを主力商材として取り扱うLIXILの使命でもあると考えています。

過去からの積み重ねや、パートナー企業との協力関係があってこそ

田中直也・LIXIL Housing Technology
材料事業部

田中直也・LIXIL Housing Technology 材料事業部

技術面で最も難しかったのは、リサイクルアルミ使用比率を上げるだけでなく、リサイクルアルミの成分を新地金によるアルミと全く同じにすることでした。そのためには、回収した材料に混入している鉄やステンレス、亜鉛などの異種合金などを効率よく、徹底的に取り除く技術が必要だったのです。

LIXILでは2009年から2012年にかけてNEDO(新エネルギー・産業総合開発機構)の助成事業として、早稲田大学などと共同で使用済みのアルミサッシから不純物を取り除く選別技術の研究に取り組みました。その後も独自の研究開発を重ね、現在では新地金を使ったアルミと同等の品質と性能をリサイクルアルミで実現することが可能になっています。

R100の量産化に成功した時は、この開発に関わることができてよかったと心から感動しました。
これもすべて過去からの積み重ねや、パートナー企業との協力関係があってこそできたことです。今後はさらにグローバルなCO2削減に貢献したい。日本ばかりでなく世界で採用されるようにこれからも研究を続けていきたいと思っています。

資源循環の輪を世界へ広げるきっかけに

細井健司・LIXIL Housing Technology
サステナビリティ企画推進部

細井健司・LIXIL Housing Technology サステナビリティ企画推進部

製品に使う樹脂や木材についても積極的にリサイクル材の活用を進めており、アルミ製品については2031年3月期までにリサイクルアルミ使用比率100%の達成を目指しています。

LIXILでは、大型のビルや一般住宅の双方において、省エネによって使うエネルギーを減らしつつ、創エネによって使う分のエネルギーをつくり、エネルギー消費量を正味(ネット)ゼロにすることで、オペレーショナルカーボンの削減を推進しています。断熱性の高い建築工法や高断熱窓で消費エネルギーを削減しながら、太陽光発電などによる創エネを推進し、オペレーショナルカーボン削減の取り組みは大きく前進してきたと思います。

現在、原材料にリサイクルアルミを100%使用してアルミを生産できるのは、国内では唯一、アルミニウム大手の2社だけ※2と言われています。
PremiAL製品を使えば、建設会社、建材メーカー、デベロッパー、ビルオーナーにとって、エンボディドカーボンの大幅な低減につながります。建築物は、建設から解体撤去に至るまでの長期にわたって環境に対して様々な影響を与えます。
誰にでも身近な建築物を通じて、脱炭素化の取り組みが進んでいることを広く伝えていきたいと思います。

※2 2024年3月LIXIL調べ