大学生と考える、
プラスチック資源循環の
未来
vol.2 LIXIL久居工場編
東京都市大学からの参加者(左より)
同大学 杉浦正吾教授(ひらめきプログラムコーディネーター)、同大学理工学部機械システム工学科4年 神田沙緒里さん、 同大学院総合理工学研究科1年 加藤凜香さん、同大学理工学部機械システム工学科4年 金川秀造さん
津市リサイクルセンターでは、汚れがあるために再資源化が難しい廃プラスチックを手選別で取り除く作業を見学し、改めて分別の重要性を学びました。廃プラによる環境負荷を減らしながら、リサイクル率も上げる解決策のひとつがレビアです。vol.2では、再資源化困難な廃プラスチックがどのようにレビアに生まれ変わるのか、Z世代の東京都市大学生3人が製造工場に足を運び、レビアの生産現場のこだわりや情熱を肌で感じてきました。
製造工程も環境負荷軽減を目指して
LIXIL久居工場の創業は1979年。長年培われたアルミや樹脂サッシの押出成形技術やリサイクル技術が、新素材レビアの製造に活かされています。
世界のCO2排出量に占める建設部門の割合は37%*1と言われており、建築物のライフサイクル全体で環境負荷を減らしていく動きが加速しています。久居工場も環境に配慮したものづくりに力を入れ、太陽光発電の導入など、製造工程でのエネルギー使用量削減に取り組んでいます。
再資源化困難な廃プラを再生させる
通常、関係者以外は久居工場には入れないのですが、今回は特別に製造工程を見せてもらうことができました。これまで焼却処分に回されていた廃プラスチックが再び使える素材に生まれ変わるまでには、たくさんの試行錯誤と工夫がありました。Z世代の3人がその秘密に迫ります。
久居工場 伊藤剣さんLIXILは課題へのアプローチとして、廃プラスチックと廃木材を細かく粉砕することで均質化し、押出成形が高度な技術を確立し、製品化に着手できるようになりました。
原料の粉砕と配合は、レビア開発の鍵となった特許技術です。レビアは融点の異なるさまざまな廃プラスチックを原料とするため、試行錯誤が続き、開発には3年の月日を要しました。
廃プラスチックの多くは、実は焼却処分されています。日本で発生する廃プラスチックのうち、リサイクルされるのは24%。再資源化が困難だった廃プラスチックは全体の76%にのぼります。
この課題を解決する新素材として開発されたのがレビアです。今まで再資源化困難だったプラスチックを活用することで、製造工程で発生するCO2排出量を削減できます。また、使用の過程で古くなって割れたり、削れたりしたレビアは回収し、再び新たなレビアにする水平リサイクル*2が可能です。
廃プラスチックのベール(圧縮梱包されたもの)
左は選別機で回収された金属。右は手選別で取り除いた異物
伊藤さん最初の工程で、届いた廃プラスチックから異物を取り除きます。ベールを解き、手選別で除去した後、設備に廃プラスチックを投入し、段階的に金属や異物を取り除いていきます。
選別を終えると、洗浄しながら廃プラスチックがある程度の細かさになるように粉砕し、遠心力で水を弾き飛ばします。洗浄に使った水は、工場内の排水処理設備で微生物によって浄化し、再利用します。
こうして選別、洗浄した廃プラスチックは廃木材と配合し、レビアの原料となる粒状のペレットにします。廃木材もLIXILの他工場で出る建材の端材などを有効活用しています。
加藤さんレビアの色が製品によって違うのは、原料の廃木材の色の違いによるものですか?
伊藤さん色は、顔料でつけています。原料に使う廃プラスチックの色が明暗に影響して、濃い色の原料が混じると、暗めの色になります。
原料を手に取って眺める金川さん
デザイン性や実用性にもさまざまな工夫
次は押出工程です。前工程で製造したレビアの原料を、時間をかけて機械で押し出していきます。
製造直後のレビアの触り心地を確かめます
3人は押し出された試作品を手に取り、感触を確かめ、四方から眺めたりしながら製品展開の可能性や魅力を探ります。
レビアについて説明する宍戸さん。重さは3kgほど
レビアを使った製品には現在、舗装材「レビアペイブ」があります。再生材の温もりを活かした素材感が緑のある自然環境によくなじみ、歩道などに採用されています。
レビアペイブは手に取ると重みを感じますが、同じ大きさのコンクリート平板が12kgほどなので、舗装材としてはかなり軽量です。
レビア事業部 宍戸弘昭さん工事をする職人さんは、舗装材が重いと作業が大変ですし、輸送の際も重い方がCO2排出量は多くなります。だから現場や流通の環境を考えると、軽い方がメリットはあります。
加藤さんよく見ると、粒々がキラキラ光っていてきれいです!それに表面に浅い凹凸があるので、光の当たり方によって見え方も変わりますね。
神田さん粒と凹凸が模様のようにも見えて、1枚1枚の表情が微妙に異なるのがいいですね。
宍戸さんお菓子などの製品パッケージ袋の裏側に薄いアルミがついていることが多いのですが、それを細かく粉砕すると粒になって残るので、光って見えています。
凹凸はランダムに浅い溝を入れて、陰影に濃淡を入れる特許技術で、光の加減によってニュアンスが違って見えるようになっています。この繊細な木質のニュアンスを感じさせるレビアの意匠が評価され、大阪・関西万博のパビリオンにも採用されました。
アルミが混ざっている製品パッケージ袋は再資源化が難しいプラスチックの代表的なものでしたが、レビアでは原料に使えます。そのアルミの粒がレビアの魅力になっていると、学生たちが発見してくれました。
デッキ材を使った試作品に座って
最後は、レビアの試作品として屋外に設置されているデッキの使い心地を体験しました。デッキの上でジャンプしたり、歩いてみたり、座ったり、耐久性のチェックを始めました。
加藤さんレビアに乗っても大丈夫なんですね!プラスチックが入っていますが、劣化は大丈夫ですか?
久居工場長 長嶋伸明さん日照で多少色が落ちますので、見た目の経年変化はありますが、腐食して傷む心配はありません。
金川さんこれ、都市大にも置けたらいいですね!
久居工場で、レビアの製造工程を間近で確認した3人は、レビアへの愛着と関心をさらに高めたようです。
vol.3では、学生たちがLIXIL従業員とレビアについて意見交換を行います。
- Global Alliance for Buildings and Construction, “2021 GLOBAL STATUS REPORT FOR BUILDINGS AND CONSTRUCTION”
- リサイクルできる回数には限りがあります。