INAX
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ものづくりLAB

―タイル名称統一100周年企画―
ツバメアーキテクツ×LIXILやきもの工房
ツバメとつくるタイル 第一回

まずは、「世界のタイル博物館」でタイル浴!

タイルを文化的な文脈で見る

世界のタイル博物館では、紀元前のメソポタミア、エジプトに発祥したタイルが、イスラムからアジア、ヨーロッパ各地へ広がっていった歴史を主任学芸員・後藤泰男さんが解説。長い時間をかけた壮大なタイルの交流を多くの実物を見ながら辿ることができる。山道さんは「交流マップはとてもおもしろい。建築学科ではタイルを仕上げ材として捉え、文化的な文脈で語られることはほとんどないんです。初めて体系的に知ることができました」。後藤さんは「タイルメーカーとして私たちも、残したいと思ってもらえるタイルをつくりたいんです」と、歴史を語るタイルに目を細める。

イスラムのモスクのドーム天井が再現されているコーナー。光で変容するモザイクタイルを張り詰めた幾何学紋様の宇宙を体感。

タイルの装飾デザインと製作技法や施工法の変遷を情熱的に語る後藤さん。未知の話に聞き入るツバメアーキテクツ。

タイルは、紀元前のオリエントから世界中に伝播し、現代にいたる。その交流と変遷にタイルの文化が見えてくる。

いよいよタイルづくりの現場へ踏み入る

やきもの工房でタイルづくりのディスカッション

LIXILの研究所の一つ。建築家やデザイナー、アーティストとコラボレートし、タイルや衛生陶器をはじめ、新しいものづくりを進めることもLIXILやきもの工房の大事なミッション。「ここでは大量生産の工場ではむずかしい手仕事もできますし、小ロットで難度の高いタイルづくりや造形に対応します」と芦澤忠さん。思いをめぐらすクリエイターと対話しながら、実現に向けてリードする。これまでのプロジェクトで試みた素地や釉薬の配合、焼成方法・温度などによるテストピースのファイルは1000を越える。ツバメアーキテクツのメンバーは、少しずつ色などが変化するテストピースを初めて見て、「モノとしてもおもしろいし、かわいいですね」とうなずき合った。

やきもの工房の一室で、タイル素地の種類と焼成温度の変化によるチャート、復原したタイルやテラコッタのパーツなどを見る。

やきもの工房を率いる芦澤忠さん。工房26年のエキスパート。どんな質問にも答えてくれる。

工房内の釉薬調合室。求められる微妙な色合いを実現するには、釉薬の調合技術も重要。

「建築現場の土を使ってタイルをつくれますか?」さまざまな発想から質問を投げかける。

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