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ものづくりLAB

―タイル名称統一100周年企画―
ツバメアーキテクツ×LIXILやきもの工房
ツバメとつくるタイル 第一回

「六古窯」である常滑の歴史と建築を見よう

ずっとやきものとともにあった常滑

常滑は瀬戸・越前・丹波・信楽・備前とともに、1000年前から続く六古窯の一つに数えられる。その歴史を伝えるのが「とこなめ陶の森 資料館」。常滑は材料、地形、海上交通の地の利などに恵まれていたことから有力な窯業地となった。平安時代に出土した大きな甕(かめ)に始まり、時代とともにつくられた多様なやきものが展示されている。やきものを見る時間の尺度が一気に広がっていく。ツバメアーキテクツは土管や焼酎瓶などを再利用した風景にも盛んにスマホのシャッターを切った。

常滑市の「とこなめ陶の森 資料館」で。古来、やきもの文化を育んできた常滑は、明治10年代から土管の生産地として大きく発展した。

常滑を特徴づける風景。焼酎瓶、硫酸瓶、土管を再利用した土手(常滑市山方町)。

建築家・堀口捨己の洗練された空間に感動

ぜひ立ち寄りたい場所が、日本のモダニズム建築の巨匠・堀口捨己が設計した「とこなめ陶の森」の陶芸研究所だ。RC造2階建ての外観を印象づける深い庇(ひさし)は、デザインだけではなく、建物を風雨からしっかりと守っているという。玄関扉や階段のデザインをはじめ、茶室の空間構成、展示室、屋上まで、発見の連続だ。ツバメアーキテクツの眼は、外部の吊り階段の巧みさまで見つけ、一貫した堀口の建築スピリットに感嘆していた。

「とこなめ陶の森 陶芸研究所」。建築家・故堀口捨己氏の設計。3.5mも張り出した深い庇と、紫色のモザイクタイル張りの外観が目を引く。

外壁にカラコンモザイクタイル(製造/伊奈製陶)を用い、紫の色彩にグラデーションを与えている。

左:エントランス正面に美しい吊り階段。建築関係者はこのデザインに熱い視線を注ぐ。
右:1階の茶室で、斬新なディテールに思わず目を奪われる西川さんと鈴木さん。

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