INAX
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ものづくりLAB

―タイル名称統一100周年企画―
ツバメアーキテクツ×LIXILやきもの工房
ツバメとつくるタイル 最終回

通りに面した「洞洞ほらほら」で楽しむ揚げたてドーナツ

1階にオープンしたドーナツ屋「洞洞」。通りから差し込む光がタイル張りのキッチンカウンターや現しの天井に反射する。

「洞洞」のメインカウンター。「流し掛け」を施した艶やかな「みたらしタイル」のうえに、実物のドーナツメニューがずらり。どれもオリジナリティあふれる美味しさ。左からバニラシュガー、レモングレーズ、オランジェット、ピニャコラ、じゃがベーコン。常時甘い系としょっぱい系を合わせ、7種類ほどのドーナツが揃う。ドーナツが乗る四角形の器もタイル。

キッチンの隣にカフェスペース。可動式のサブカウンターを制作し、天板に「みたらしタイル」を張った。

カウンターに張ったタイルの表情はメイン、サブともに「流し掛け」。流れの模様とドーナツにかかったシュガーグレーズのイメージが重なる。可動式サブカウンターのタイルは模様の色が少し濃いタイプ。左/基本のドーナツ、バニラシュガー。右/レモングレーズ。

カフェスペースの一角では、アートイベントを開催中。HAYATO KATSURA個展 ”My height was 193cm” 左手、住宅街に面して通り抜けできる出入口がある。

ドーナツ屋はアートに、学びに、ポップアップショップも展開

BONUS TRACK前の通りを行く人たちが新しいドーナツ屋「洞洞」を覗き込み、ゆっくりと吸い込まれるように入ってくる。キッチンの前に広がるのはオリジナルタイルを張り回したメインカウンター。キッチンのとなりにカフェスペースを設け、住宅街へ通り抜けができるのもおもしろい。ここでは飲食だけでなく、さまざまなイベントを展開する。山道さんは公民館にも例え、「アートもあるし、学生が企画を持ち込んできたり。ぼくらの思いつかないことも飛び込んできます。まちが入り込んでくるようにつながっていく場所になっていく感じです」とこの場所への反応に期待を込める。

上階2層とロフトはツバメアーキテクツのオフィス(SOHO)

2階と3階、3階のロフト空間が縦にワンルームのようにつながっている。

3階のロフト。現在、模型制作の場所に使っている。下に見える3階のワークスペースとつながり、作業のようすがわかったり、会話も交わしやすい。丸太の照明は石川製作所の制作。以前に手掛けたプロジェクトから再利用した。

ゆるやかにつながる一体空間のオフィス

ドーナツ屋に来たお客さんが、上の階はなんだろうという様子で入口の前の階段を仰ぎ見たりしている。上階のツバメの事務所(SOHO)から、なにやら気配が降りてくるからだ。上っていくと、2階、3階からロフト階へ、さらに屋上まで、内部を天井と壁で区切らずに、ゆったりと空間がつながるように設計されている。「床の高さをずらすことによって、姿が見えなくてもそれぞれが仕事をしている気配が伝わってきます」という西川さん。ドーナツ屋を訪れる人たちの気配も伝わって来て、人が集まる立体広場のようなHORA BUILDINGができあがった。

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