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ものづくりLAB

―タイル名称統一100周年企画―
ツバメアーキテクツ×LIXILやきもの工房
ツバメとつくるタイル 最終回

2022年1月から3回の試作を重ねてつくりあげた「みたらしタイル」がツバメの空間を
訪れる人たちの目に触れる時が、とうとうやってきた。
ツバメアーキテクツが設計したHORA BUILDINGが8月初めに竣工。
自ら運営する1階のドーナツ屋と上階の設計事務所(SOHO)に、ツバメのオリジナルタイルは
どのように場所を得たのだろう?

BONUS TRACKの隣地にHORA BUILDING完成!

完成したHORA BUILDINGに事務所を移転したツバメアーキテクツ。1階のドーナツ屋「洞洞ほらほら」で。左からツバメアーキテクツの山道拓人さん、鈴木志乃舞さん、「LIXILやきもの工房」の芦澤忠さん、千葉元生さん、西川日満里さん。

建築とともに多様な人の関係を生みだしていくまちづくり

東京・下北沢でツバメアーキテクツが計画・設計を手掛けた商店街「BONUS TRACK」の完成に続き、2021年通りを挟んで斜め向かいにHORA BUILDINGの計画、設計が進行していた。敷地はBONUS TRACK建設時に現場事務所があった場所だ。「80㎡と小さな敷地なので、開発者の小田急電鉄の方から、これからの暮らし方について考える実験的な使い方ができないかというお話がありました」と西川日満里さんが経緯を話す。建ち方としては、鉄道を地下化して空地となった線路跡地につくられたBONUS TRACKに対し、もともと周囲の住宅は背中を向けて並んでいたが、新しい取り組みとして線路跡地に向けて建物の顔を向け、住宅地へとつながる取り組みとした。
「1階のドーナツ屋はBONUS TRACK側と住宅地側の両側に出入口を設け、互いに通り抜けできることが特徴です。ドーナツを食べてくつろぐ人がいたり、建築の打ち合わせをしていたり、子どもたちが出入りしたり、いろいろな状況が生まれています」。建築とともにさまざまな関係性をつくっていくツバメアーキテクツのアプローチがHORA BUILDINGにも反映されている。今回のオリジナルタイルは、このプロジェクトのために取り組んできたもの。試作のプロセス、使い方にもツバメは偶発性を取り込み、進めていった。

HORA BUILDING

HORA BUILDINGの正面外観。
鉄骨造、延床面積135.78㎡。
1階床は地盤面から約80㎝下がっている。
BONUS TRACK側に面し、背後の住宅地に
抜けられるプランだ。

BONUS TRACK BONUS TRACK

左/下北沢駅から世田谷代田駅間の線路跡地に立つ商店街「BONUS TRACK」。右/中庭側に入ると食事をしたり、休んだり、通り抜けたりと公園のような場所になっている。

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