まどからはじまる5つの物語 Episode02「おてんきまど」 まどからはじまる5つの物語 Episode02「おてんきまど」

LIFESTYLE まどからはじまる5つの物語
Episode03「なかよしまど」

日々の暮らしに合わせて窓を選びたい。そんな思いを込めて「まど」と「住む人」の心地よい関係を模索するプロジェクトを立ち上げました。
新たな“まどのカタチ”を提案してくれるのは、暮らしまわりの快適さ、豊かさを追求する「心地よい暮らし研究会」(略して、ココ研)のみなさん。住む人の目線で考え、日常から生まれた窓についての暮らし提案を5回シリーズでお届けしています。
3回目は「なかよしまど」。まどから広がる豊かな暮らしの物語です――――

家の内と外を窓でつなげれば
家族みんなが笑顔になる

幼いころ、夏休みになると訪れた田舎のおじいちゃんとおばあちゃんの家。
古い日本家屋には、日当たりのよい南側に縁側があって広い庭が見渡せる。縁側のはき出し窓は夏はたいてい開け放たれていて、まるで隣の部屋に行くように気軽に庭へ出入りできるから、おいかけっこをしたり、虫捕りをしたり、池の金魚にエサをやったり、私もよく庭で思う存分遊んだっけ……

街中のマンションに暮らしていると、外の自然や四季の移り変わりを感じることがほとんどない。子どもたちは、家の中でユーチューブを見たりゲームに没頭して返事もしなくなるありさま…。これって、子どもにとって不健康なんじゃないかしら?

昔、祖父母の家で遊んだ、あの縁側越しの空間が懐かしい。あれは部屋の中でもない、かといって完全に外でもない、不思議に居心地のよい空間だった。
庭で外遊びをしているけど、すぐ横には窓を開け放った縁側があって、ときどきおじいちゃんやおばあちゃんが座って私を眺めている。外だけどいつも見守られている安心感。それが居心地のよさの理由のひとつだったのかもしれない―――

「縁側」と「庭」という昔懐かしい日本の住宅様式。子どもにとって遊びやすい環境ですが、スペースが限られた街中の住宅やマンション住まいでは、そんな贅沢な空間は望めないのが現実です。でも、ちょっとカタチを変えれば、同じような空間が作れるかもしれない……「心地よい暮らし研究会」のメンバーがそう思い立ち、知恵を絞って生まれたのが「なかよしまど」です。決して広い敷地や庭は必要ありません。小さな家でもマンションでも実現できる、とっても簡単な方法とは?
今回、「なかよしまど」について語ってくれたのは、暮らしの達人である中山あいこさん。家の中に外部空間の快適さを上手にとり入れるテクニックも、あわせて教えてくれました。

庭がなくてもできる
アウトドアな外遊び

「都心のコンパクトなマンションに住む私にとって、ベランダも貴重な部屋の一部なんです」

という中山さん。窓の向こうにベランダが見渡せると、奥行が出て部屋全体が実際より広く感じるそう。また実際にベランダスペースで子どもを遊ばせたり、ガーデニングを楽しんだりと、部屋と同様にしっかり活用しています。

庭がなくてもできるアウトドアな外遊び 庭がなくてもできるアウトドアな外遊び

「わが家のベランダはみんながくつろぐ和室にあって、日当たりのよさもバツグン! レジャーシートを敷いてキャンプ用の椅子を出し、子どもたちとおやつを食べたり、夏には水遊びをしたり。家族みんなにとって、ベランダも欠かせない生活空間になっています。イメージは、幼いころによく遊びに行った祖父母の家。縁側にある窓から、外の庭へ自由に出入りできて、部屋の中と外との隔たりを感じさせない。そんな空間が理想です」

庭がなくてもできるアウトドアな外遊び 庭がなくてもできるアウトドアな外遊び

まるでベランダは小さな庭。そんなふうに考えると、アウトドアな楽しみ方ができて生活の幅も広がりそう。一軒家なら、1 階のテラスをそんなふうに利用してもいいかもしれません。

「あたたかい季節は、大きな窓を開けっぱなしにして子どもをベランダで遊ばせて、私は家の中で掃除をしたり洗濯したり。すぐそばで子どもを見守りながら家事ができるから、私も子どももハッピー! 部屋とベランダをひと続きにとらえることで、日常生活もスムーズになるんです」

さて、そこで重要な役割を果たすのが、ベランダもしくはテラスとの境界線となる窓。つまりそれが、部屋の内と外をつなぐ、そしてお母さんと子どもをつなぐ、「なかよしまど」なのです。

外の景色がそのまま
部屋にとり込める窓

「部屋とつながりのある生活空間として気軽にベランダを使いたいから、内と外との隔たりを感じさせない窓がベスト。人が出入りしやすく、外の景色がまるごととり込める大きなサイズの窓が『なかよしまど』に最適です」

また、閉めたときに景色がクリアに見えることも大切。

「わが家の窓はフレームが太かったり、鍵の部分が目立っていたりして、どうしても景色を遮ってしまうんです。本当は、もっと細くてスッキリとしたフレームの窓がおすすめ。例えば、リクシルの LW スライディングなどは、まさに理想的な『なかよしまど』だと思います」

LW スライディングは視界を遮らないよう、窓のフレームを極力スリムにしたすっきりデザインが特徴。開口スペースいっぱいに窓が開くフルオープンタイプもあり、内と外との一体感がぐんとアップする窓です。

「それともうひとつ、うちの窓は古いせいもあって結露がひどい! 冬なんかは常に水滴でくもっていて、外の景色が見えなくなってしまうんです。もちろん、窓掃除も手間がかかるし、油断すると窓のフレームもカーテンもカビてしまうから本当に困りもの。『なかよしまど』を選ぶときは、断熱効果などの機能性もしっかり確認したいところですね」

ベンチで段差をつけて
子どもの事故防止

存在しないかのように視界を遮らない窓が理想ではありますが、そんな窓だとひとつ問題が…。

「あんまり外がクリアに見える窓だと、子どもって不注意だから、閉まっていると知らずに窓に衝突することがあるんです。全速力で行ったら、絶対ケガをしてしまうので危険!子どもの衝突防止も兼ねて低めのベンチを窓の前に設置しておくと安心かもしれません」

ベンチで段差をつけて子どもの事故防止 ベンチで段差をつけて子どもの事故防止

ちょっとした段差があれば、そこで一度立ち止まるので、ぶつかったり転んだりといった事故もなくなります。それに、ベンチがあればお母さんも腰掛けて子どもを見守れるのでラクチンです。

「水遊びのあとに使うタオルを置いたり、熱中症対策に飲み物をベンチに用意しておくことだってできるし、ほかにもいろいろ便利に使えそうです」

部屋を心地よくしてくれる
ベランダのグリーン効果

「自然を感じにくい」というのがマンション住まいのデメリットだという中山さん。それを解消すべく、ベランダでたくさんの植物を育てています。

部屋を心地よくしてくれるベランダのグリーン効果 部屋を心地よくしてくれるベランダのグリーン効果

「最初は部屋の中で観葉植物を育てていました。でも、意外とこれがタイヘン。例えば、パキラは植木鉢の下から水が流れ出るまでたっぷり水をあげるんですが、受け皿がザブザブになって床に溢れてしまったり…。夏は小さな虫がわいて、困り果てることもありました」

そこで、自然のものは外で育てるのが一番だと気づいたそう。外なら水もジャブジャブあげられるし、多少の虫も気になりません。

「何より、ベランダと部屋がゆるく仕切られた『なかよしまど』なら、グリーンが室内にあるかのように身近に感じることができるんです。大きな窓から、みずみずしいグリーンが見えるだけで気持ちがフッと和らぐし、部屋の中にナチュラルなオーラが漂ってくるような気がします。

部屋からの景色だけではなく、子どもたちが水遊びしたり、ピクニックごっこをしたりするときだって、グリーンがあればずっと楽しいし気分がいい!」

中山家には、ベランダの窓とちょうど向かい合う位置にキッチンの腰窓が。その窓の面格子にもアイビーの蔦を這わせるなど、冬でも枯れないグリーンで一年中癒されています。

部屋を心地よくしてくれるベランダのグリーン効果 部屋を心地よくしてくれるベランダのグリーン効果

「ベランダの窓とキッチンの窓は、私の中で対になっています。2つの窓を開けると、部屋の中を風がスーッと通って夏は天然のエアコンみたい。どちらの窓にもグリーンがあるから、草木の香りも一緒に入ってきて部屋にいながら自然が感じられるんです」

外を遮る機能が重視されがちな窓ですが、中山さんが考える「なかよしまど」は外の自然となかよくつながるための開放的な窓。いつでもどんな住まいでも、「どことなく自然の気配が感じられる暮らし」を叶えてくれる窓なのです。

中山あいこさん

中山あいこさん

季節を大切にするていねいな家仕事が人気。家事や子育てを楽しむことをモットーとした著書を 2 冊出版。「ずっと、心地よい暮らし」をテーマに雑誌や WEB サイトで記事を執筆する他、セミナー講師や個人向けの片づけコンサルタントとしても活躍。
ライブドア公式ブログ「生活のメモ」

http://seikatsunomemo.com

心地よい暮らし研究会

整理収納のプロ、雑誌やテレビで生活提案をする暮らしのエキスパートが集まり、掃除、洗濯、片づけ、料理など、暮らしにまつわるすべてのことを、いかに自分にとってラクで心地よくするかを追求。メンバーは、宇高有香さん、マキさん、中山あいこさん、大木聖美さん、近藤こうこさん。