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まどからはじまる5つの物語 Episode04「おかえりまど」 まどからはじまる5つの物語 Episode04「おかえりまど」

LIFESTYLE まどからはじまる5つの物語
Episode05「くつろぎまど」

日々の暮らしに合わせて窓を選びたい。そんな思いを込めて「まど」と「住む人」の心地よい関係を模索するプロジェクトを立ち上げました。
新たな“まどのカタチ”を提案してくれるのは、暮らしまわりの快適さ、豊かさを追求する「心地よい暮らし研究会」(略して、ココ研)のみなさん。住む人の目線で考え、日常から生まれた窓についての暮らし提案を5回シリーズでお届けします。
最終回は「くつろぎまど」。一日の終わりに心を癒してくれるとっておきのまどについての物語です――――

窓からの夜風と月の明かりが
大人のリラックスタイムを演出

一日のうちで一番リラックスしてくつろげるときは何時だろう? たぶん多くのお母さんにとって、それは家事を終わらせて子どもが寝静まった夜の時間。あまり長くはとれないその時間は、ときには 15 分ということもある。宝物のような自分のためだけの時間…。

日中は家事や仕事に追われ、さまざまな予定をこなし、あらゆる情報をキャッチして目まぐるしく時が刻まれていく。だからこそそんな時間はなんにもしないほうがいい。テレビもパソコンも、スマホだって遠ざけて、頭を空っぽにしてせわしない日常からちょっとの間だけ解放されたい。

必要なのは疲れた心を癒し、体を解きほぐしてくれるもの。例えば、騒がしい音楽よりかすかに聴こえる虫の声。心地よい夜風や草木や花のほのかな香り…。忙しい一日の終わりに、静かな空間で日常とは正反対の環境を味わうことができたら―――

最終回となる今回は、“一日の終わりのリラックスタイム”がテーマ。その日の疲れを回復し、気分をリセットするための時間と空間について考えてみました。
疲れがたまっているときって、外の自然や風を感じて気分をリフレッシュしたいと思いませんか? そこで登場するのが「くつろぎまど」。一日の終わり=夜という時間帯に、外の空気や夜空の景色を心地よく部屋の中に取り込むことができる窓なのです。
お話しをうかがったのは、いつもおしゃれでスタイリッシュな整理収納法をアドバイスしてくれる近藤こうこさん。リラックスタイムを演出する「くつろぎまど」の効果と、忙しいお母さんがひと息つける、理想的な大人の空間を提案してもらいました。

心を癒してくれる
自然を感じる窓の存在

「じつは私、一軒家に住んだことがほとんどないんです」という近藤さん。現在も高層マンションに住んでいるため、地面に近くて自然が身近に感じられる暮らしに憧れを抱くそう。

「タワーマンションなので、わが家の窓は大きくて見晴らしがよくても開かない窓ばかり。どうしても外の自然とは隔絶されてしまいます。ときどき息が詰まるように感じることもあるんですよ」

そんなときに思い出すのが実家にあった和室の窓。

「幼少時代を過ごした実家もマンションでしたが、母が和室にある窓を上手にアレンジしていました。大きなはき出し窓で、障子もセットになっているんです。その障子越しに、ベランダで母が育てている花や草木が眺められて、マンションなんだけど、どこか昔ながらの日本家屋を思わせる不思議な雰囲気。畳なので寝転がったりペタンと座ってくつろいだり…和室の窓辺のあたりは、家族みんなの憩いの場だったような気がします」

心を癒してくれる自然を感じる窓の存在

“畳の和室×自然が感じられる窓”という、近藤さんのご実家の窓辺の空間。それが、今回の「くつろぎまど」のヒントとなっているのだとか。

「最近は和室がない家も多いですけど、畳に座るってやっぱり日本人には落ち着く。くつろぐためのスペースとして畳の部屋は最適です。でも、和室というだけでは物足りない。そこに外の自然をうまく取り込める窓、『くつろぎまど』があったらよりリラックスできると思います」

上下に分かれたスリット窓で
安心安全に外の自然を取り込む

では、「くつろぎまど」とは具体的にどんな窓なのでしょうか?

「実家の窓辺のような空間を、外の自然がもっと直接的に感じられる一軒家で再現したときに、提案したいのが『くつろぎまど』です。直に座ってくつろげる畳の部屋で、窓から外の庭や自然が楽しめるようなシチュエーションが理想的ですが、一軒家の 1 階で、しかも一日の終わりなので夜という時間帯。となると、オープンな空間は敬遠しがちですよね」

そこで考えたのが、横長のスリット窓を壁の上下に一列ずつ配置する方法。中央は壁になっているので外からの視線もしっかりガードできます。

「上下の窓は開閉できるようにして、涼しい夜風や草木の香りが部屋の中に通るようにします。横長の窓だからカーテンも必要ないし視線も気にならない。上の窓からは夜空の景色も楽しめるし、一石二鳥の窓です」

さらに、窓のサイズや位置にも気を配ることで防犯にも対応。

「人が侵入できないとされる幅が 14 cm以下。また、侵入しにくい高さが 1.7m 以上と言われているそうです。だから、下の窓の幅を 14 cm以下に、上の窓の高さを 1.7m より上に設置すれば、防犯上も安心。防犯対策がバッチリだと、余計な心配をせずに心からリラックスできるでしょう?」

上下に分かれたスリット窓で安心安全に外の自然を取り込む 上下に分かれたスリット窓で安心安全に外の自然を取り込む

畳に座ってくつろぎ
五感で自然を感じる

そんな「くつろぎまど」のある空間を、近藤さんならこんなふうに楽しみたいと言います。

「テーブルを置くとしたら、さりげないローテーブル。椅子ではなくて、畳の上という低い位置に座ることで、下の窓から入ってくる自然の気配を敏感に感じとることができます。例えば、音楽の代わりに風の音やスズ虫の声、アロマの代わりに花や草木の香り…人工的なものはなるべく遠ざけて、五感を研ぎ澄まして外の自然を味わう。そして、それをツマミにワイングラスを傾ける――なんていうのが、私だったら一番リラックスできそう」

明るい照明も必要なし。もし庭にガーデンライトがあって、その明りが下の窓からさし込めば、ほどよい明るさの間接照明になります。

「そうそう、実家の和室の窓も、障子を半分くらい閉めたときの明るさが心地よいです。障子を通して入ってくるやわらかい光が、明るすぎずちょうどいい。明るすぎると神経が昂るので、リラックスしたいときは間接照明くらいの明るさがおすすめです」

下の窓からはガーデンライトのやさしい光、上の窓からは美しい月明り…心地よい明るさに包まれて、なんだか心も癒されそうです。

日常からいったん離れて
気分をリセット

「一日の終わりの時間だけじゃなくても、ときどき仕事や家事の忙しさから離れてひと息つきたいって思うことがあるでしょう? そんなとき、私は近所のカフェに行くんです」

頭を空っぽにして心をリセットすることが目的だから、近藤さんはパソコンもスマホも持たずに出かけるそう。日常とは違う空間に身を置くと、短時間で気分がリセットできてスッキリするのだとか。

「テレビやパソコン、特にスマホなんかを絶えずいじっていると、体より先に頭が疲れてしまう。そういう雑多な情報からちょっと身を引いて、いつもと違う空間でひと息つくことって、心の健康のためにも大事なことだと思うんです。わが家には『くつろぎまど』がないので、私はカフェに行くしかないのですが…それが習慣的に気軽にできればいいなって」

そう、「くつろぎまど」が家にあれば、わざわざカフェに行かなくても、いつでも望むときにリラックスできる空間でひと息つくことができるのです。

「寝る前の読書なんかも同じこと。本という別世界に行くことで、心をリセットして眠る準備をしているのだと思います。でも、もし寝る前の時間を『くつろぎまど』のある部屋で過ごせたら――読書よりもずっとリラックスできて、心地よい眠りにつくことができるんじゃないかしら?」

くつろぎ方は人それぞれ、思いのままに自分にとって心地よいことをすればいいという近藤さん。例えば、1 杯だけワインやビールを味わいながら、一日の終わりを夫とふたりで過ごしたり。お酒が飲めない人だったら、香りを楽しみつつハーブティーを飲んでもいいし、夜風や草木の香りに包まれて、しばしの間ひとりでぼーっとするのもいい―――

日常からいったん離れて気分をリセット

眠りにつく前のひととき、「くつろぎまど」のある部屋では思い思いのリラックスタイムが繰り広げられ、そんな時間と空間がきっと一日の疲れを癒してくれることでしょう。

近藤こうこさん

近藤こうこさん

「空間・時間・身体を整えて 笑顔あふれるママライフ」をコンセプトに、整理収納の専門家として企業への企画提案や WEB 記事執筆など幅広く活動している2児の母。クローゼットオーガナイザ―、骨格スタイルアドバイザーとして個人のお客様へのクローゼット収納コンサルティングも行っている。
ブログ「40 歳からはじめる暮らしの美活」

https://borganize.exblog.jp

心地よい暮らし研究会

整理収納のプロ、雑誌やテレビで生活提案をする暮らしのエキスパートが集まり、掃除、洗濯、片づけ、料理など、暮らしにまつわるすべてのことを、いかに自分にとってラクで心地よくするかを追求。メンバーは、宇高有香さん、マキさん、中山あいこさん、大木聖美さん、近藤こうこさん。