現地レポート 2017

2017年4月から9月まで実施した「みんなにトイレをプロジェクト」による「SATO」寄付予定台数は208,805台に上りました。皆さまのご支援、ご協力、誠にありがとうございました。今後、「SATO」は国連機関や国際NGOを通じて、インド、バングラデシュ、タンザニア、ルワンダの緊急性の高い地域や人びとに寄付され、約100万人の衛生環境の改善に役立てられます。

地図:SATO寄付予定地域・台数。ルワンダ約3万台、タンザニア約8万台、インド約2万5千台、バングラデシュ約6万5千台。協力団体、UNHCR・WarterAid・BRAC・Habitat for Humanity。2017年12月現在 バングラデシュ視察レポート インド視察レポート

バングラデシュ

2017年12月、なかでも緊急性の高い地域の一つとして、バングラデシュのロヒンギャの人々の難民キャンプに国連UNHCR協会および国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)を通じて、5,000台の「SATO」が届けられました。6月から10月のモンスーン時期を前に、水と衛生環境が改善しつつある現在の難民キャンプの様子をお伝えします。

「ロヒンギャ難民キャンプ」
について

地図:インド、オスマナバード地方まで移動略図。ムンバイまで飛行機、その後鉄道で435km。

2017年8月25日にミャンマー国内で起きた暴力行為をきっかけに、70万人(2018年5月時点)を超えるロヒンギャの人々がバングラデシュに逃れました。避難した人のうち、55%が18歳未満の子どもです。
難民の多くは、コックスバザール近郊のクトゥパロンキャンプとナヤパラキャンプの2箇所で生活しています。

発生から約10ヶ月を経て、長引くキャンプ生活は、一時的な措置の緊急フェーズから、耐久フェーズに入りつつあります。具体的には、これまでの数万人弱向けの既存施設の活用から、数十万人規模の「人道的基準」※1を満たす施設として、インフラ整備の拡張が行われています。

※1「人道的基準」とは、トイレは20人(4家族)に1基と言われています。 出典:スフィア・ハンドブック 2011年版(日本語版)

ロヒンギャ難民キャンプでの「SATO」

そのような状況の中、「SATO」の1)フラップ構造による臭いと虫の防止、2)パイプ不要の構造により、設置が簡便で誤使用が低減されるなど、優れた機能性と高い価格競争力が評価され、キャンプエリアの標準仕様として承認されました。これにより、効率的な汚物処理と衛生管理を含む、標準化された衛生インフラを提供することが可能となりました。3月末時点では、キャンプエリア全体で約5万基※2のトイレが設置されました。

※2 SATO以外の仕様のトイレも含む

  • 左2基のトイレを先に稼動し、汚水槽がいっぱいになると右側に追加のトイレを立ち上げる仕組み

  • キャンプエリアの標準仕様として承認された「SATO」

  • 識字率の低いロヒンギャ難民のために、トイレの衛生的な使い方を図解で表示

インド

「みんなにトイレをプロジェクト」による1台目の「SATO」が寄付されたインドの村の方の声をお届けします。

国を挙げて衛生課題に取り組む

世界で2番目に人口の多い国、インド。屋外排泄をする人は3億人を超え、人口の約4分の1を占めます。
この問題を解決するため、モディ首相は、2019年までにすべての家庭にトイレを設置することを目標として掲げた「クリーン・インディア」キャンペーンを実施。
現在、インド国内では毎日約47,000台のトイレの施工が進められています。

地図:インド、オスマナバード地方まで移動略図。ムンバイまで飛行機、その後鉄道で435km。

インド最大の都市ムンバイから電車で9時間、約430km離れたオスマナバード地方のワグホーリ村には約250世帯が住み、主に農業や畜産で生計をたてています。全世帯のうち100世帯は自宅敷地内にトイレがなく、多くの村人が日常的に農地での屋外排泄を余儀なくされています。この村では、経済的な理由に加え、制限ある生活用水をトイレの洗浄に使うことができないなどの理由から、トイレの設置がなかなか実現していませんでした。
今後は、国際NGO「Habitat for Humanity」を通して、トイレが無い家庭を対象に、「SATO」が寄付される予定です。

現地の様子

写真:民族衣装を着ているメーラさん

村の女性たちのリーダー的存在のメーラさん。屋外排泄の危険性について訴え、トイレの重要性に関する村人の理解向上に大きく貢献しています。
特に女性の安全や尊厳に悪影響を与える屋外排泄を無くすためには、「女性が家庭の中で意見を言えるようになることが大切」と語ってくれました。

  • ワグホーリ村の様子。

  • 女性たちは「SATO」に興味津々。

  • 子供たちの夢は先生、警官、医者、等。

「SATO」の設置を
楽しみにしている
モハメドファミリー

(左から)義理のお母さん・パーヴェーンさん・娘さん・義理のお兄さん・義理のお父さん。建設中のトイレの前で「完成まで20日くらい」と喜ぶパーヴェーンさん

「SATO」の設置を楽しみにしているモハメドファミリー

義理の両親の家と中庭をはさんで建てられた家に住むパーヴェーンさん(22)は、義理のお父さんとお兄さんが建設中のお風呂とトイレの完成をとても楽しみにしています。現在子供と一緒に早朝 と夕方の2回、自宅から 徒歩約20分もかけて農地へ排泄に出かけており、その生活はとても不便だと言います。
1年ほど前からトイレの重要性を認識し始め、今回「SATO」が寄付されることで「毎日決まった時間に遠く離れた場所に排泄に行く必要がなくなり、うれしい」と笑顔を見せてくれました。

写真:SATOを手に笑顔の少女

娘たちの健やかな
成長のために設置を決めた
アウリーファミリー

娘たちの健やかな成長のために設置を決めたアウリーファミリー

マニーシャさん(30) は、自宅が手狭になることを覚悟の上で、室内にトイレの設置を希望しています。所有農地がないため、日昇前と日没後の誰もいない時間帯を狙い、他人の農地へ排泄に行くのは危険だからです。
子供たちは学校のトイレで排泄する習慣が身についていますが、放課後は施錠されるため、真っ暗な農地に子どもを連れて行くことも。あと数年で月経を迎えるであろう娘たちのためにも、トイレは必須だと考えています。
半年以内に「SATO」が設置されると聞くと、「屋外排泄をしていることで、子供たちがからかわれなくなると思うと安心する」と話してくれました。

(左から)マニーシャさんとその娘たち。妹(右)の夢は学校の先生になること。

2018年夏ごろまでに、
このワグホーリ村のすべての
トイレのないご家庭に
「SATO」が寄付される
予定です。

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