ラグビーを始めたきっかけを教えてください。
2歳下の弟がラグビーのクラブチームに入っていて、小学1年生の時に、弟と一緒にラグビーの夏合宿に参加したのがきっかけです。ボールに触らせてもらったり練習を見学していたのですが、おもしろそうだったので、私もラグビーを始めました。
本格的にラグビーをやろうと思ったのはいつごろですか？
小学5年生くらいからです。その頃からだんだん周りが男の子ばかりになっていって、その男の子たちも野球やバスケなど、ラグビー以外のスポーツを選ぶようになっていました。それまでは、日曜日にラグビーの練習があるから行くのがあたり前、という感じでしたが、環境が変わり始めた中で、私は中学生になってもラグビーをやるんだろうなというイメージがありましたし、続けていきたいなと思っていました。
辞めていく子もいる中で、ラグビーを続けたいと思ったのは、ラグビーのどこに魅力を感じたからですか？
その時は、女子ひとりだったし、意地みたいなものもありました。練習をしていても、男の子が前にいて私は後ろから追いかけていく、というようなことが多かったのですが、女子だからってビリでいたくない、という思いがずっとあったし、辞めずに頑張っていれば、いつか認めてもらえるんじゃないかという思いもあって続けていました。今は純粋にラグビーを楽しんでいて、ラグビー以外のことにとらわれてプレーをすることはないのですが、高校生までは自分が求めないとラグビーができない環境にいたので、そういう環境の中で、私は絶対に辞めない、という気持ちが強かったのだと思います。
今はラグビーのどのようなところに魅力を感じますか？
コンタクトスポーツなので、見ている人にそれが伝わりやすいところが魅力かなと思います。また、気持ちがプレーに表れやすくて、仲間のひとりが気持ちの入ったプレーをすれば、みんなの気持ちが引き締まってひとつになって、それを感じながらプレーできるところが好きです。プレーをしているときは、熱くなると同時に冷静にもならなければいけなくて、そういう自分と常に向き合い考えながらラグビーをしているのですが、そんな思いがそれぞれの中にあって、それをチームみんなで感じ合いながらできるのがラグビーの魅力だし、面白いところかなと思います。
今年から社会人という横尾選手。仕事とラグビーの両立は大変ですか？
ラグビーの環境を理解してくださる会社に入社することができたので、大変なことは何ひとつなく、感謝しかしていません。代表活動とクラブチームの活動はすべて出させていただき、それ以外の少ない日数で出勤しているのですが、出勤したときは気遣って話しかけてくださったり、すごく温かく迎え入れてくださるし、クラブチームが優勝したときなどは、社内で「優勝しました」と紹介してくださったり、私だけでなくクラブチームも応援してくださっているんです。そのような環境で仕事をさせていただいているので、本当に感謝しています。
アスナビを通じて就職したとのことですが、ラグビーの練習もしながら就職活動をするのは大変だったのでは？
アスナビも利用していましたが、普通の大学生と同じように就職活動もしていたので、採用されるかわからない不安はありました。でも、どうしてもラグビーがやりたかったし、世界で勝つために会社を選んでいたので、面接ではそれを一番最初に言おうと決めていました。ラグビーの話をすると、時には厳しいことも言われましたが、そういう経験があったから今の環境のありがたさを実感するので、大変でしたが就職活動をして良かったなと思っています。
食生活で気をつけていることはありますか？
ナスやトマトが好きで、基本カロリーが低い食べ物を選んでしまいがちなのですが、太らなきゃいけないし、太りたいので、なるべくカロリーが高そうなものを選ぶようにしています。デザートを選ぶときも、本当はコーヒーゼリーが食べたくても、パフェにしようとか…。
今、はまっていることや趣味などがあれば教えてください。
特にこれというものはありませんが、細かい作業がすごく好きです。代表メンバーで誕生日の人がいたら、プレゼント用のアルバムを作る作業にずっと時間を使うことができます。そういうことが好きなのですが、でも基本、ラグビーが好きです（笑）。
今までのラグビー人生の中で、挫折したり、辞めたいと思った瞬間はありますか？
時期によってモチベーションや目標とするものが違っていたので、私はなかったです。小さい時は男の子に負けたくないと思ってやっていたし、高校生の時は代表を目指していたし、今では代表で勝つことが目標です。目標がどんどん変わっていくので、その時その時の目標に向かってがんばっている感じでした。
今後の意気込みと、ファンの皆さんへメッセージをお願いします。
11月のアジア予選で勝って世界大会に挑み、勝利することが今の一番の目標ですし、それが私たちのやらなければいけないことだと思っています。そのために今、自分が代表メンバーに入ることも大事ですし、そこまでの課程にある大会をひとつひとつしっかり、その大会で終わらせないで試合をしていくことが大切だと思うので、アジア予選に向けて常に考えながら、しっかりと練習を積んでいきたいと思います。
11月のアジア予選は東京でも開催されるということなので、ぜひ会場に来ていただいて、優勝する瞬間を一緒にグラウンドの上で見ていただきたいなと思います。応援よろしくお願いいたします。
同じクラブチームで同い年、仲も良いという鈴木選手の「ここがすごい！」と思うところを教えてください。
実沙紀のすごいところは、プレーも私生活も素直でぶれないところです。本当は正しいと思っていることでも、やっぱり言ってはいけない場面、言えない場面というのはあって、私は「A」と言っていたことでも、偉い方が「B」と言ったら「B」に同意してしまう時があるのですが、実沙紀は正しいことは正しいと思っていて、どんな時でも「A」と言える強さを持っている。そこが実沙紀のいいところですごいところだと思います。チームでも、私たちが勝ち負けでぶれてしまうことだったり自分たちの出来でぶれてしまうところを、実沙紀がいることで、本来見ていたものをみんながもう一度見ることができるようになるので、そういうぶれなさを持っている人がチームにひとりいてくれることは、チームにとっても大切なことだと思います。
それに加えてすごく素直なので、今日はいいことがあったんだなとか、すごくわかりやすくて、良いところだなって思います（笑）。
