理想の住宅を建てるなら縁起良く!建築吉日で良い日取りを
この記事は、住宅の建築を始めるのに良い日取りを知りたいと思っている方を対象に、建築吉日の基礎知識を紹介します、上棟式や地鎮祭の日取りを決める参考にしてください。
家を建てるときには、地鎮祭や上棟式など、節目節目で良い日を選んで行うことがあります。普段日取りをあまり気にしない方は吉日の考え方になじんでいないので、いざというときに分からないかもしれません。どんなときに、どのような日取りを選べば良いのか参考にしてください。

目次
建築吉日の意味や考え方
結納や結婚式など、日常生活で何か重要なことを行うときに日取りの良い日を選んで行うことがあります。住宅に関しては、引っ越しをするときに良い日を選んだ経験がある方も多いでしょう。同じように、家を建てるときも日取りを気にすることがあります。それが、建築吉日です。その名の通り、建築に関して吉とされる日のことで、さまざまな工事を始めるのに縁起が良い日とされています。
縁起の良い日の決め方にはいくつかの方法があり、冠婚葬祭では主に「六曜(ろくよう)」が使われますが、建築関係では主に「十二直(じゅうにちょく)」が使われています。地鎮祭や上棟式など、建築の重要な節目には十二直に基づいて行うと縁起が良いといわれており、大工さんなどが利用している暦です。六曜と十二直は異なるものさしで吉凶を見るものなので、同じ日でも吉凶が違っていることもあります。建築関係では伝統的に、十二直の方が重視されてきました。

建築吉日の観点から見る六曜と十二直の意味とは?
ここでは、建築吉日の観点から吉日を決める主な方法である六曜と十二直について説明します。それぞれどのようなもので、どのような意味を持つものなのでしょうか。六曜と十二直の暦の見方についても詳しく解説します。
カレンダーに記載されている六曜とは?
六曜とは、大安や仏滅などの日取りのことをいいます。カレンダーにも書いてあるのでご存じの方も多いでしょう。先勝、友引、先負、仏滅、大安、赤口の6種類があり、日ごとの吉凶をこの6つの順番で占うものです。たとえば、結婚式を行うなら大安が良くて仏滅は良くない、葬式は友引を避けて行うべきなど、冠婚葬祭でよく利用されています。先勝は午前が吉で、先負は午後が吉と一般的にいわれています。建築に関しては、建築契約日や完成した建物の引き渡し日、新居への引っ越し日などで六曜を参考にして良い日を選ぶことがあります。

建築関係者以外はあまり知らない十二直とは?
六曜は一般の方にもなじみが深いものです。これに対して、十二直は知っている方が少ないかもしれません。十二直は、北斗七星のある方角をもとにして日取りの吉凶を占うものです。北斗七星の方角は十二支で表されるので、十二直も12種類あり、日常生活のあらゆることの吉凶が定められています。この中で、建築に関係する吉凶が決められていて建築吉日と呼ばれるものは6つ、建・満・平・定・成・開です。
「建(たつ)」には万物を建て生じる日という意味があり、建築関係では最吉日です。「満(みつ)」にはすべてが満たされる日という意味があり、地固めや柱立てをするのには吉ですが、土を動かすのは凶とされています。「平(たいら)」は、物事が平らになるといわれている日で、穴堀り以外は吉となります。「定(さだん)」は建築や移転をするには吉で、「成(なる)」も物事が成就する日として建築で何かを始めるには良い日です。「開(ひらく)」は、開き通じる日なので建築や移転は吉とされています。
建築吉日のなかでも重要な日とは?
建築吉日といわれる日は6つありますが、その中でも何をするのに吉なのか、またどのくらい吉なのかといった吉日の度合いが異なります。そこで、ここでは建築吉日の中でも特に重要となる日について、どのような意味があるのか解説します。

天赦日
まず、「天赦日」があります。天赦日は、「万(よろづ)よし」といわれる日で、何事をするにも良い大吉日とされています。建築吉日の中でも最も良い日だとされているのがこの天赦日です。天赦日には、百の神様が天に登って万物の罪を許すといわれています。何事を行っても成功するという大吉日なので、何か物事を始めるにはうってつけの日です。建築関係では、地鎮祭や上棟式などを行うのに最適な日といえるでしょう。
一粒万倍日
「一粒万倍日」も建築吉日とされている日です。一粒のもみが何万倍もの稲穂として実り、大収穫をもたらすとされている日で、種まきをするのに良い日であるのはもちろんのこと、仕事など何か新しいことを始めるのに最適な日といわれています。建築現場では、地鎮祭や上棟式におすすめの吉日となります。天赦日との関係では、天赦日と一粒万倍日が重なる日があり、その日はさらに良い日といわれています。
三隣亡
建築現場で縁起が悪い日とされている日についても知っておきましょう。まず、「三隣亡(さんりんぼう)」です。字の通り、火事などが起こって3軒両隣りまで焼き滅ぼすといわれている日で、建築では縁起の悪い日とされています。古い地域や年配者が多い地域などでは、気にする方もいるので注意したい日です。
三隣亡にあたる日には一定の規則があり、旧暦1月、4月、7月、10月の戌の日と、旧暦の2月、5月、8月、11月の寅の日、旧暦の3月、6月、9月、12月の午の日となります。現代で日常的に使用されているのは新暦なので、いちいち変換して調べるのは大変かもしれません。建築吉日カレンダーなどを利用して、その年の三隣亡にあたる日を検索するのが早いでしょう。
土用期間
次に、「土用(どよう)期間」について解説します。「土用」にあたる期間は、基礎工事など地面をいじる工事には着工しないほうが良いとされている日です。土用期間は、立春・立夏・立秋・立冬前の18~19日間を指します。
具体的にいつになるのかを見てみると、立春は2月4日ごろで、暦の上では春になる日、立夏は5月6日ごろで、暦の上では夏になる日です。立秋は8月8日ごろで暦の上では秋になる日、立冬は11月8日ごろで暦の上では冬になる日となっています。このように、気候が大きく変わる時期なので、土をさわるような工事は避けたほうが良いといわれているのです。

2018年と2019年の建築吉日は?
ここでは、これから家を建てる予定の方に向けて、2018年、2019年の建築吉日を紹介します。建築吉日としては全部で6種類ありますが、その中でも最吉日とされている天赦日がいつになるのか知っておけば、地鎮祭や上棟式の日取りを決める際に参考になるでしょう。 まず、2018年の天赦日は2月1日、2月15日、4月16日、7月1日、9月13日、11月23日です。2019年の天赦日は、1月27日、2月10日、4月11日、6月26日、9月8日、11月7日、11月23日です。天赦日は毎月必ずあるわけではなく、逆に1カ月に2回くる場合もあります。1年間にごく限られた日しかないので、あらかじめ知っておいて計画的に活用することをおすすめします。
建築吉日は参考程度に!よく話し合って納得の行く日取りにしよう
建築吉日は建築現場では伝統的に重要視されてきましたが、何か科学的な根拠があるわけではないので、気にしない方もいます。建築現場の現実的な都合もあるので、あくまで参考程度に留めることが大切です。ただし、地域等によっては気にする傾向もまだ強くあるので、知識を持ったうえで建築をお願いするハウスメーカーや工務店などとよく話し合い、納得のいく日取りを選ぶようにしましょう。気候的には、冬の乾燥時期のほうが木材が濡れにくいといえるので、建築時期としてはおすすめです。
