2018.10.22

使いやすい玄関を実現!玄関框は機能性とデザインにこだわろう

住まいづくり
玄関框

「玄関框(げんかんかまち)」とは、玄関や土間で、建物の外と中を分けるために設けられた横木の段差のことです。別名で「上がり框(あがりかまち)」ともいいます。家の中では靴を脱ぐ習慣のある日本家屋ではおなじみのものですが、玄関框という言葉を知らなかったという方のほうが多いかもしれません。毎日使う玄関で当たり前のように目にする場所なので、デザイン次第で家の印象を決めると同時に、機能性にもこだわりたいスペースです。

目次

  1. 玄関の使いやすさにも直結!玄関框はなぜ必要?
  2. 玄関框のデザインの種類は?
  3. 玄関框の素材にはどんなものがあるの?
  4. 低いほうがいい?玄関框の適切な高さとは
  5. 玄関框の設計を考える上でのポイント
  6. 玄関框の取り付けに必要な費用や期間は?
  7. 玄関框にこだわって使いやすい玄関を目指そう

玄関の使いやすさにも直結!玄関框はなぜ必要?

玄関の使いやすさにも直結!玄関框はなぜ必要?

玄関框とは、玄関の上り口で靴を脱ぐところにある横木の段差のことです。家の中で靴を脱ぐ日本人にとって、靴を脱ぐ、履くといった場所であると同時に、家の外と中を分ける境界線としての機能を持つ重要なスペースとなっています。そして、玄関框は単に外と中の境界線としての役割だけでなく、簡単なコミュニケーションの場としての機能も持っています。
来客や郵便物の受け取りなどで、玄関框は家と外とのコミュニケーションの窓口として大きな役割を果たしているのです。また、お出かけの時や家の周りの用事、買い物帰りや旅行帰りの際には、荷物の一時的な置き場として利用されることもあります。このように、玄関框は日本人の生活にとって、あたりまえのようにさまざまな場面で有効活用されているスペースと言えるでしょう。

玄関框のデザインの種類は?

玄関框は外から家へ入るときに必ず通過する場所です。したがって、単なる玄関としての役割だけでなく、家の第一印象を決める「家の顔」としての側面も持ち合わせています。家のデザインを自分好みにアレンジするリノベーションが行われるようになったこともあり、玄関框のデザインも多様なものへと進化しています。たとえば、段差の縁が直線状の「ストレートタイプ」、斜めや曲線の縁になった「カーブタイプ」、そのほかに「コの字型」「L字型」の形状などがあり、さらに材質も木材、石材、タイルなど、そのバリエーションは多彩です。マンション、アパートなどの玄関の狭い家屋ではストレートタイプが主流で、そこへ好みの素材や使いやすい形状や段差の高さをアレンジすることになります。

玄関框の素材にはどんなものがあるの?

玄関框の素材

玄関框の形状を決めたあとは、その材質を何にするかを検討することになるでしょう。玄関框はデザイン性だけでなく、その機能性も重視して素材を選ぶ必要があります。特に、荷物を置くことの多い玄関框では、ある程度の荷重がかかっても耐えられる耐久性を確保しておきたいところです。耐久性に問題なければ、好みに合わせた素材やデザイン選びを楽しむことができます。

木材

玄関框の素材として定番とも言えるのが木材です。玄関框は家に入ってすぐ目に付く場所にあるので、高級感と同時にぬくもり、あたたかみを感じられる自然素材である木材は、玄関框として使われることが多いです。なかでも人気の素材は「欅(けやき)」「楓(かえで)」「樺桜(かばざくら)」「楡(にれ)」など、木目が波を打って美しく、耐久性、弾力性に優れた木材です。木材の種類は豊富なので、大きさや形状、色などを吟味して、理想的な素材を選んでいきましょう。

石・タイル

石材やタイルでも、耐久性が高く、なおかつ見た目にも美しい素材が好まれる傾向にあります。石材で人気なのは「御影石」「大理石」といった定番素材です。特に、御影石は色のバリエーションも豊富なので玄関周りの素材として好まれています。
タイルはデザイン、材質の種類ともにとても豊富にあるので、デザインにこだわりたいという方にはおすすめの素材です。

低いほうがいい?玄関框の適切な高さとは

玄関框の適切な高さ

玄関框を作るうえで多くの失敗談が寄せられている問題が「高さ」をどれくらいにするかということです。玄関框の高さは、これがベストといった基準がなく、一般的に10~300mmのあいだで、それぞれの家に合った高さを選ぶしかありません。ハウスメーカーでは、賃貸住宅で50~70mm、戸建住宅では150~170mmの間に設定しているところが多いようです。
ただし、介護が必要な家族がいる家庭などでは、高さを低めに調整する必要があるでしょう。その場合、単に高さを低くするだけでなく、少し腰を掛けられる部分を合わせて作っておくといった、形状やデザインを含めての工夫も重要です。また、新しい住まいに移る、玄関框をリフォームするといった場合は、それまでの生活で慣れていた以前の玄関框の高さに合わせておくということが、玄関框で失敗しないためのコツです。

玄関框の設計を考える上でのポイント

玄関框を作る際には、耐久性、高さに注意して設計することが大切だという説明をしてきました。それに加えて、住む人に応じた利便性についても考えておくことがとても重要です。玄関はほぼ毎日使用するスペースですから、使い勝手が悪いと生活をするうえでのストレスとなります。たとえば、高齢者のお住まいの家で、玄関のバリアフリー化のために玄関框の高さをかなり低くしたとします。一見便利なようですが、実は靴を履いたり、外出着を着たり脱いだりする際に、体の負担なく少し腰かけられる程度の段差が必要であることが多いです。したがって、玄関のサイドにベンチを設置するなど、家族のニーズに合った設計が重要となるでしょう。また、建具や床材などは家の雰囲気に合ったコーディネートを考えて、素材や色を選ぶことが大切です。

玄関框の取り付けに必要な費用や期間は?

玄関框の取り付けに必要な費用や期間

玄関框の取り付けやリフォームをするには費用が気になるところ。ここでは、施工費用、施工期間などについて説明していきます。施工の範囲、規模などによって予算や工期が大幅に変わる傾向があるので、それぞれの家のニーズに合った工事を選択しなければならないでしょう。

工事費用について

玄関のリフォームは規模の小さいものならおよそ5万円程度から、大きいものであればおよそ50~100万円程度までとリフォームする箇所によってさまざまです。玄関框に関しては、補修程度のものならおよそ3万円程度の予算で収まることが多いです。また、ドアや玄関収納などを交換せずに、玄関框のリフォームであれば、およそ10万円程度となることが多いです。ただし、現在の状況や玄関部分の広さ、使用する材料などによって、費用は変動します。
また、材質だけでなく、デザインにこだわればコストは上がりますし、介護のためのバリアフリー化工事、スロープなどを新設する場合には、さらに費用がかかってくることを念頭に置いておきましょう。

施工期間について

工事の期間についても費用と同じく、玄関框の補修や部分リフォームなど、小さな規模の工事なら施工期間は1日で終わるものが多いです。ただし、タイルの張替えや材質の一新、玄関部分をフルオーダーする場合などでは、大掛かりな工事が必要となるため、施工期間が1カ月以上かかることも少なくありません。段差の高さを変更する工事も大掛かりになります。この場合では、玄関框を下地から組みなおして玄関全体のデザインを変更することもありますので、施工期間は少なくとも1カ月以上はかかると見ておいたほうがいいでしょう。バリアフリー化で新たにスロープを新設する工事では、セメント工事なども加わるので、工期は長く、費用も高くなります。

玄関框にこだわって使いやすい玄関を目指そう

玄関框にこだわって使いやすい玄関を

玄関框、上がり框といった名称を知らない方も、玄関框が玄関だけでなく家の印象を決定づける重要な場所だということは理解できたのではないでしょうか。また、玄関框は毎日使うスペースにあるので、使いやすさという点でもそれぞれの家族の事情に合った設計に作ることが非常に大切になります。
これから玄関先のリフォームを考えている、あるいは新しい住宅に住まいを移すと考えている方は、玄関框のデザインだけでなく、家族構成や以前の玄関框の高さ、そして自分たちのライフスタイルに合った理想の玄関作りを意識してみてはいかがでしょうか。

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