2018.12.14

“ヒートショック”の要因となりうる室内温度差を「住まいStudio」で体感!

ニュース

LIXILの体験型ショールーム「住まいStudio」とは?

LIXILの体験型ショールーム「住まいStudio」

断熱性を始めとする基本性能の高い住宅は、エネルギー消費量を削減できるだけではなく、室内温度差による健康リスクから家族を守れる点も大きなメリット。 “ZEH住宅(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)”の普及が促進されていますが、基本性能の大切さは実際に住んでみないとわかりにくいものです。

そこでLIXILは、2017年10月に体験型ショールーム 「住まいStudio」をオープンしました。住まいStudioとは、施設内に設置された「昔の家(昭和55年省エネ基準)」「今の家(平成28年省エネ基準)」「これからの家(HEAT20 G2グレード※)」にて室内環境の違いを体感し、サーモグラフ等で温度を比較することでそれぞれの性能差を理解できる施設。家を建てる前に住宅の基本性能の重要性を実感できることから、多くの人が訪れています。

※HEAT20:「2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会」のことで、省エネルギーと室内温熱環境の質の観点から「目指す目標像と要求水準」としてグレード値が提案されています。

今回は、これからの寒い季節に増加する“ヒートショック”の原因となりうる“室内温度差”を中心にレポートします。

「住まいの温度差をなくすこと」はなぜ大切?

今回の体験会の冒頭では、LIXILの「ヒトと地球にやさしい住環境づくり」に向けた取り組みを紹介しました。

「住まいの温度差をなくすこと」が大切

「近年、地球温暖化の影響による自然災害などの“環境リスク”、そして室内熱中症やヒートショックなどの“健康リスク”が大きな問題となっています。そこでLIXILは、住まいにおける省エネと健康・快適を両立させるために、“住まいの温度”に着目。室温を適切にコントロールすることが、地球環境と家族の健康を守ることに繋がると考えました。

そして2018年4月に始動させたのが、『THINK HEAT』です。THINK HEATとは、『省エネ』かつ『健康・快適』な暮らしを実現するために、住まいにできることを、学び・体感を通して一緒に考え、行動変容する取り組みのことです。」

LIXILオリジナル温度計
(写真:LIXILオリジナル温度計。2018年11月1日より全国のLIXILショールームで対象商品をお見積りいただいた方に先着でプレゼント。なくなり次第終了。)

「LIXILは『STOP!ヒートショック※』に参加し、“ヒートショック”の予防啓発に取り組んでいます。ヒートショックとは、急激な温度差で血圧が乱高下することにより心臓や血管の疾患が起こること。住まいの温度差が引き起こすヒートショックの関連死は、年間約19,000人にものぼります。

特にヒートショックが起こる可能性が高いのは、冬場の入浴時。まずは浴室・脱衣室に焦点を当てて温度の重要性を伝えていくことが、やがて住まい全体の温度差を見つめ直してもらうきっかけになればと考えています」

STOP!ヒートショック
※「STOP!ヒートショック」:ヒートショックに関する正しい理解の浸透と対策を促進するため、理念をともにする複数企業の共同の取り組み。

健康リスクを抑える冬の室内温度の目安は18℃だと言われています。「昔の家」「今の家」「これからの家」の温度、そしてヒートショックの原因となりうる室内温度差はそれぞれどのくらいなのでしょうか。

「住まいStudio」で室温バリアフリーを体感!

外気温0℃の真冬を想定した「Studio-冬-」。3つの部屋は間取りや広さは全く同じ、同じ家庭用エアコンを設置し、暖房の設定温度も全て20℃に統一してあります。

まずは、「昔の家」を体験。リビングは暖房がついているのにも関わらず足元が冷え、室内の上の方と大きな温度差が生じています。サーモカメラを見てみると、床や窓は冷気が溜まり真っ青であるのに加え、身体も青くなっている部分が現れています。さらに、暖房のついていない廊下とトイレは約10℃。参加者から「寒い……」との声が上がっていました。

「住まいStudio」で室温バリアフリーを体感1

次に向かったのは「今の家」。リビングの暖かさは向上し、室内の上下の温度差や窓の温度に改善が見られます。サーモカメラでは床が緑色に変化し、身体にも赤い部分が増えましたが、「満足か」と聞かれると、まだ足先は冷えるので「う~ん、でもちょっと寒い。」という声が上がっていました。また、廊下とトイレは約13℃とやはり寒さを感じます。

「住まいStudio」で室温バリアフリーを体感2

最後は「これからの家」。室内の隅々まで温度ムラが解消されており、参加者から驚きの声が。窓や床の温度もさらに改善され、足元もスリッパいらずの快適さです。サーモカメラでは床が黄色に、身体は完全な赤色に変化。廊下とトイレの温度は約18℃と、不快な寒さは感じられません。

「住まいStudio」で室温バリアフリーを体感3

ヒートショックの要因となりうる部屋間の温度差は「昔の家」「今の家」では約10~11℃と顕著であったのに比べ、「これからの家」は約5℃と大きく改善されていました。また「これからの家」は断熱・気密性に優れているため、健康リスクを抑えられるのに加え、光熱費の大幅な削減も期待できます。

室内温度差を体感した後は外気0℃の空間に行ったり、断熱性能の違いを表した断面模型やLIXILの換気システムと、壁や床、天井の断熱材をじっくり見学したりと、施設内を余すことなく体験。施設に訪れる人が、家の基本性能の違いを体感できる仕組みになっています。

家の基本性能の違い

LIXILは、これからも商品やサービスを通じて室内温度差のない「快適で健やかな住まい」の提案を続けていきます。そして、「地球にも人にも優しいエコ」を推進し、THINK HEATの輪を広げていきます。

THINK HEATのページはこちら
「住まいStudio」のページはこちら

この記事の関連キーワード