2019.3.18

キッチンに床暖房は不要?メリット・デメリットや種類を知ろう

住まいづくり

寒い冬の日にキッチンで料理をするのは大変です。特に足元が冷えていると、水を使うときなどもより寒さを感じてしまいます。もし、冬場の家事や調理に不満を感じているなら、キッチンに床暖房を付けてみるのもひとつの手です。ただ、キッチンの広さやタイプによっては、床暖房を取り付けるのが適さない場合もあります。そこで今回は、キッチンに床暖房を取り付けるメリットやデメリットを中心に、床暖房の基礎的な知識について解説します。新築やリフォームでキッチンに床暖房を入れようと考えているならぜひ参考にしてみてください。

目次

  1. キッチン床暖房のメリット・デメリットは?検討前に要チェック
  2. 向いている?床暖房をおすすめしたいキッチンや家庭のタイプ
  3. 知っておきたい!キッチン床暖房の特徴や種類
  4. キッチンに床暖房をつけるときのポイントは?設置の際の注意点
  5. 床暖房をつけないとしたら?キッチンを寒さから守るリフォーム
  6. キッチンが寒い!床暖房のタイプ別特徴を知って検討しよう

1.キッチン床暖房のメリット・デメリットは?検討前に要チェック

キッチン床暖房

キッチンの床暖房にはさまざまなメリットとデメリットがあります。もし、キッチンへの床暖房を検討しているなら、まずその前にキッチン床暖房のメリットとデメリットの両方をしっかりチェックしておくことが大切です。それでは、実際どのようなメリットやデメリットがあるのか、具体的に見ていくことにしましょう。

キッチンに床暖房をつけるメリット

水を使うことが多いキッチンでは、特に冬場の底冷えが厳しくなりがちです。足元が冷えてしまうと、体全体も寒さを感じやすくなります。冬のキッチンで寒さに耐えながら料理している人も少なくないのではないでしょうか。そんなとき、キッチンに床暖房があると非常に便利です。足元から部屋全体を暖かくできるキッチンなら、底冷えしやすい冬場のキッチンでも寒さを感じることなく料理に集中できます。

また、床暖房のメリットは足元から暖かくできるだけではありません。エアコンなどの暖房器具と比べて、床暖房はほこりを立てることもなく、空気を汚すようなこともまずありません。そのため、部屋の定期的な換気も必要なく、暖かい状態をずっと保ち続けることができます。ストーブのように火を使うわけでもないので、火事の心配がないのはもちろん、子どもがいる家庭でも安心して使えます。

床暖房はエアコンのように暖かい空気を送り込むことで部屋を暖めているのではありません。使用することで部屋が乾燥することもなく、音やニオイを出さずに部屋全体を暖められるという点もメリットのひとつだといえます。エアコンやホットカーペットは定期的な手入れが欠かせませんが、床暖房は掃除の手間もあまりかからず、楽に使えるところも良いところです。

キッチンに床暖房をつけるデメリット

キッチンに床暖房を取り付けるとなれば、新築にせよリフォームにせよ、ある程度の大がかりな工事は必須となります。床材を張り替えたり、燃料設備を設置したりするため、その分の高いコストはどうしても避けられません。そのため、エアコンやストーブに比べて、初期費用や修理費用がかかりがちな点は床暖房のデメリットです。

また、床暖房にはそれぞれ適した床材というものがあります。キッチンに好みの床材を使いたいと考えていても、床暖房との相性が悪ければ別の種類に変えなければいけないこともあります。もちろん、床暖房を導入すれば、床一面に暖房設備が取り付けられるため、床下収納を作ることもできません。床暖房を取り付ける際は、さまざまなデメリットがあることも認識しておきましょう。

2.向いている?床暖房をおすすめしたいキッチンや家庭のタイプ

キッチン床暖房2

キッチンのタイプや住宅の様式によっては、床暖房を付けたほうが良いという家庭も少なくありません。たとえば、リビングとキッチンの間に仕切りがあり、エアコンやストーブの暖かい空気がキッチンまで届きにくい場合などです。その場合、床暖房を取り付けるメリットも大きいといえるでしょう。

よく料理をする家庭や、食洗器が付いていないという家庭も、長時間キッチンに立っていることが多くなるので床暖房がおすすめです。また、そこまで料理をするわけではなくても、朝や夜の寒い時間帯にキッチンを使うことが多いなら、床暖房を取り付けておいたほうが安心して料理に打ち込めます。

もちろん、床暖房がなくても、スリッパやマットを使えば底冷えはある程度防ぐことができます。ただ、スリッパを履く習慣がなかったり、マットをあまり敷きたくないという家庭なら、やはり床暖房がおすすめです。床暖房を取り付けてしまえば、スリッパやマットを使わなくても足を冷やすことなくキッチンを利用できます。

3.知っておきたい!キッチン床暖房の特徴や種類

キッチン床暖房3

床暖房にもいろいろな種類があり、それぞれ特徴やメリットも異なります。実際に導入する前に、床暖房のいろいろな種類についても知っておきたいところです。ここでは、床暖房の基礎知識や種類、またそれぞれの特徴などについて解説します。

床暖房の基礎知識

床暖房は2つの方法で部屋全体を暖めています。ひとつが床から直接的に伝わる伝導熱、もうひとつが床から部屋全体に拡散するふく射熱です。電動熱で足元に熱を伝えながら、ふく射熱で部屋中に熱を広げられるため、床暖房は人と部屋を同時に暖められ、しかも効率的に部屋全体を暖めることができるという特徴があります。床暖房の原理としては、床下に温水を流したり床下に設置した発熱材に電気を流して発熱させたりすることで熱を伝えるというものです。

床暖房の種類

床暖房の種類は、主に温水式と電気式の2種類です。温水式は床下に配管を設置するという方法であるのに対して、電気式は床下に発熱材を直接埋め込むという仕組みになっています。それでは、次に温水式と電気式のメリットや特徴などについてみていくことにしましょう。

温水式

温水式の床暖房は、床下に通されたパイプに温められたお湯が巡ることで部屋を暖めます。パイプに通すお湯は給湯器などの熱源によって温められるのが一般的です。温水式の床暖房は立ち上がりが早く、部屋全体を均一に暖められる点に大きなメリットがあります。部屋の暖まり方にムラが少ないため、どこにいても床暖房の恩恵を感じることができます。また、一点に熱が集中しないため、やけどの心配がない点もメリットのひとつです。電気式に比べてランニングコストが低く、財布に優しい点も見逃せないところでしょう。

一方、デメリットは設置費用の高さです。床下にパイプを張り巡らさなければならないため、費用が高額な上、工事にも手間がかかります。リフォームの場合、住宅の構造によってはそもそも温水式を導入できないことがあるため注意が必要です。

電気式

電気式床暖房は、電気ヒーターをフローリングの下に配置する方式です。温水式に比べて導入にそこまで手間がかからず、初期費用も比較的安めです。工事自体は難しくないので、リフォーム時に導入する際も住宅の様式をあまり選びません。床暖房を後付けするなら、電気式のほうが手軽で安いといえるでしょう。

一方、電気式は立ち上がりにやや時間がかかる傾向にあります。初期費用が安い一方で、ランニングコストが高めな点がデメリットのひとつです。また、狭い面積を暖めるのに適している一方、局所的に暖めてしまうことがあるため、使い方を誤ると低温やけどを起こしてしまうことがあります。そのため、安全面に考慮した対策が必須となるでしょう。

4.キッチンに床暖房をつけるときのポイントは?設置の際の注意点

キッチン床暖房4

キッチンに床暖房を付ける際は、設置面積や設置する場所、また床下の断熱材の有無などに注意しなければなりません。床暖房の設置面積が大きすぎれば、ランニングコストが高くなってしまいます。床暖房は設置する床面の7割程度をカバーするのが一般的だといわれています。自宅の状況を考えて、最適な面積を取り付けられるようにしましょう。

設置する場所に関しては、家具の位置との兼ね合いを考えることが大切です。効率よく足元を暖められるように、事前に家具の配置について打ち合わせしておき、床暖房を取り付けた真上に棚や家電が来ないように設置場所を考えましょう。もちろん、リモコンの位置や段差の発生にも十分気を付けることが大切です。

また、床暖房は電気やガスを使う暖房器具です。契約している電気・ガスの容量によっては、床暖房を取り付けると足りなくなってしまうことがあります。設置する前に容量をしっかり確認しておきましょう。床下に断熱材が入っていない家庭では、床暖房を導入しても暖房効率が下がってしまいます。キッチンに床暖房を導入するなら、キッチンの床下にも断熱材が入っているか確認しておくと安心です。

リフォームで床暖房を取り付ける場合、電気式でも温水式でも取り付け工事をすることになります。その間は、キッチンが使えなくなってしまいます。床暖房の種類によって工事期間は変わってくるので、導入前にどのくらい期間がかかるのか確認することも忘れないようにしましょう。

5.床暖房をつけないとしたら?キッチンを寒さから守るリフォーム

キッチン床暖房5

住宅の様式に合わなかったり、工事する余裕がなかったりする場合、床暖房以外の方法でキッチンを暖かくする方法を考えてみましょう。たとえば、キッチンの窓を「二重窓」にしたり、断熱性能の高いものに変えるだけでも部屋の暖まり方が大きく変わってきます。また、窓や壁、床の上に取り付けるだけで空間の断熱性能を劇的に高められるというリフォーム「ココエコ」もあります。

もちろん、キッチンにストーブを持ってきたり、エアコンの設定温度を高くしたりすることでも、キッチンの寒さを改善することはできるかもしれません。しかし、より根本的にキッチンを寒さから守るためには、リフォームで部屋自体の断熱性能を高めてしまうのが最も効率的な方法です。床暖房の導入と同時に、断熱性を高めるリフォームもしっかり検討してみましょう。

6.キッチンが寒い!床暖房のタイプ別特徴を知って検討しよう

キッチン床暖房6

床暖房を取り付ければ、キッチンで寒い思いをすることもなくなるはずです。ただ、床暖房にはそれぞれ種類があり、特徴やコストも大きく変わってきます。床暖房を取り付けることが決まっている場合でも、温水式と電気式のどちらが良いか、そのメリットとデメリットを良く考えた上で最終的な判断を下しましょう。もし、どうするべきか迷ったら、リフォーム相談会やショールームで相談してみるのもひとつの手です。プロの意見を聞いてみて、判断の参考にしてみると良いでしょう。

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