2019.3.27

快適なキッチンは床選びが大切!ポイントを解説

住まいづくり

キッチンの印象と機能性を左右する「床」。キッチンの床は、料理の油や食材・水はねで汚れやすい上に、ワゴンの移動や食器・カトラリーの落下などで傷つきやすい場所です。理想のキッチンを手に入れるためには、デザイン性はさることながら耐久性や掃除のしやすさも考慮して床材を選ばなければなりません。今回は、キッチンの床選びの際に抑えておきたいポイントや、床材ごとのメリット・デメリットについて紹介します。

目次

  1. キッチンの床の素材
  2. キッチンの床選びのポイント
  3. キッチンの床選びを大事にして快適な生活を

1.キッチンの床の素材

キッチンの床素材で、一般的に使われているものにはどのような種類があるのでしょうか。ここでは、代表的な「フローリング」「クッションフロア」「タイル」「コルク」の4種類についてくわしく解説します。

フローリング

フローリング

床材として広く普及しているのが木質系の「フローリング」です。「フローリング」は、「無垢フローリング」と「複合フローリング」とに大きく分けられます。「無垢フローリング」とは、他の木材が混じっていない単層の床材で、木目や色をそのまま楽しむことができ、経年による傷や汚れも味わいとなり、自然な印象の「フローリング」です。一方で「複合フローリング」とは、基材となる合板の上に化粧材を張り合わせたものを指します。主に使われている化粧材は2つのタイプで、「天然木の突板」と「樹脂化粧シート」など特殊な化粧材を張ったものとがあります。一般的に多くの住宅で使われているのが、この「複合フローリング」です。

複合フローリング」は、化粧材の特殊加工によって耐水性や汚れ・傷に強いといった特徴が挙げられます。さらに、防音機能や床暖房がつけられたり、色やデザインのバリエーションが豊富でイメージに合ったものを選ぶこともできます。木目調だけでなく、大理石やタイル風のものもあり、水回りを清潔に見せたい人やモダンなインテリアを好む人には最適な床材といえるでしょう。

デメリットは、「フローリング」には吸水性があるため、水はねや汚れを放置するとシミ汚れのもとになってしまうことです。こまめに手入れしないと汚れが染み込んで、表面加工されているものはボロボロに剥がれてしまうこともあります。また、基本的に一部分だけを張り替えることはできません。食器などを落として大きな傷ができても、その部分だけ交換することはできませんので、子供や被介護者のいる家庭など床が傷つきやすい環境にある場合は不向きかもしれません。

クッションフロア

クッションフロア

「クッションフロア」とは、塩化ビニール樹脂製のシート状の床材をいいます。吸水性がなく水や油が付着しても内部まで浸透しにくいため、キッチンをはじめトイレや洗面所といった水回りによく使われています。食器を落としても割れにくく、適度な弾力性が足腰の負担も軽減してくれます。価格も手頃で、抗菌や防カビ機能を持つもの、さまざまな色柄から選べることも大きな魅力でしょう。

しかし、塩化ビニールの特性として、熱や薬剤に弱いといったデメリットがあります。さらに、LDKの間取りではキッチンのみ「クッションフロア」にすると、「フローリング」との境目が気になるかもしれません。ビニールは他の素材に比べるとどうしても質感が見劣りします。キッチンとリビングの統一感を出したいときは、別の床材を選んだほうがよいでしょう。コストや機能性を優先したいときにおすすめですが、耐久年数はさほど長くありません。定期的な張り替えが必要なことも考慮すべきです。

タイル

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「タイル」は陶磁器の硬い床材で、おしゃれで高級感があり、デザインに拘りたい人に人気の床材です。吸収性がないため汚れがすぐに拭き取れ、薬剤や熱・衝撃にも強く、耐久性に優れた素材です。汚れ落としには、洗剤や漂白剤を使うことができます。素焼きのテラコッタタイルから、モダンな大理石・ガラスタイルまで多種多様な色とデザインがあり、インテリアを重視する人にはもってこいの素材といえるでしょう。

デメリットは、すき間(目地)に汚れやカビがつきやすいことです。白やパステルカラーなど明るいタイルは爽やかな空間を演出できますが、メンテナンスを怠るとカビ汚れなどがこびりつきなかなか取れません。色選びは慎重にするべきでしょう。また、他の素材と比べて硬いので、食器を落とすと割れてしまいます。

コルク

「コルク」は、コルク樫の樹皮を原料とした木質系の床材です。弾力がありソフトな質感なので、長時間の立ち仕事でも足が疲れにくいです。素材内部に空気を含んでいるため断熱性・保湿性に優れており、冬の冷たさを軽減してくれるのも嬉しいメリットでしょう。その他にも、衝撃を吸収するので「物を落としても割れにくい」、表面加工をすれば「防水性や耐久性を高めることもできる」「遮音性が高い」「摩擦係数が高く、滑りにくい」といった点もよく知られています。

反面、「コルク」は紫外線に弱く、経年により黄色く変色してしまい、傷がつきやすいといった特徴もあります。デザインは色の濃淡を選ぶ程度で、どの製品を選んだとしても同じイメージにしかなりません。スタイリッシュさや高級感を求める人は、別の素地を選んだほうが無難でしょう。

2.キッチンの床選びのポイント

キッチンの床材は、どのような点を注視して選べばよいのでしょうか。「デザインの統一性」「使いやすさ・掃除のしやすさ」「床下収納」「床暖房」の4点に絞って説明します。

デザインを統一しよう

キッチンのみ独立したスタイルなら、そこに合った床材を選ぶだけですみます。しかし、リビングとキッチンが一体化したオープンキッチンのような空間では、リビングとの調和を考えて床材を選ばないと、統一感のないちぐはぐな印象になってしまいます。例えば、キッチンに「クッションフロア」を採用するなら、リビングの「フローリング」と質感や色合いに似たものを選べば、空間が途切れたような不自然さをカバーできます。

さらに、キッチンのシンク、取っ手や扉の色・デザインも考慮しなくてはなりません。これらの配色を考える上で便利なのが、色の特性です。薄い色は遠くにあるように感じられ、濃い色は近くにあるように感じられます。この特性を念頭に、広い空間に見せたいときは薄い色を、シャープさやシックさを出したなら濃い色と薄い色を使い分けて、「床・シンク・リビング」のバランスを考えてみましょう。機能性だけでなく、部屋全体のインテリアや色味、どのような空間にしたいのかを明確にして床材を選んでください。

使いやすさ・掃除のしやすさを踏まえよう

キッチンは毎日使う場所ですので、「動きやすさ・歩きやすさ・転びにくさ」も考えて素材を選びましょう。料理や片付け・収納・整理と、キッチンでの作業時間は意外に長くなりがちです。さらに、洗い物をしたり料理を運んだりと、動きが多いのも特徴です。このため、「動きやすいか」「滑らないか」「足への負担がかからないか」といった点も、選ぶ際には大切なポイントです。

また、キッチンは油はねや水滴の飛び散りと、住居な中でもとりわけ汚れる場所です。汚れはすぐに拭き取るのが原則ですが、素材によってはシミになりやすいものや変色してしまうものもあるので、素材の特徴をよく調べてから選びましょう。

便利な床下収納を考えよう

便利な床下収納を考えよう

長持ちするものをストックする場所として、「床下収納」も便利です。「床下収納」は、使用頻度の少ない調理器具や台所用品、日持ちのする食材の保存に最適です。スッキリとしているのに収納量を増やせて便利な「床下収納」ですが、新聞紙やキッチン用の除湿剤を置くなど湿気対策は必須です。また、あまり重い鍋などを収納すると、取り出すときに腰や腕を痛めるおそれもあります。女性や高齢者などは、「床下収納」の代わりに「パントリー」で収納を増やしてもよいかもしれません。

床暖房で快適に過ごそう

床暖房で快適に過ごそう

キッチンで長時間作業する人や、冷え性の人は「床暖房」もおすすめです。特に冬場は足元が冷えるため、「床暖房」を導入すれば快適に作業ができるでしょう。ただし、床材によっては「床暖房」に適さないものもあります。導入を検討しているなら、対応している製品かどうか事前にチェックしておきましょう。

3.キッチンの床選びを大事にして快適な生活を

キッチンの床選びは、素材の特徴とメリット・デメリットをふまえた上で、使いやすさや手入れのしやすさ、インテリアとの相性も考える必要があります。また、リビングと一体化しているスタイルの場合は、その統一感も大切なことがわかったのではないでしょうか。日常的に使う空間ですから、ぜひ適切な床材を選んで、快適な毎日を過ごしてください。

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