2019.3.22

システムキッチンはDIYできる?やり方と知っておくといいこと

住まいづくり

システムキッチンを実際に使ってみたら使用に不便を感じたり、古くなって使い勝手が悪くなっている場合には、キッチンのリフォームを検討するのがよいでしょう。キッチンのリフォームを行う場合、気になるもののひとつが費用です。少しでも費用を抑えたいのであればDIYで使い勝手を改善するのも1つの方法です。また、DIYならリフォームより手軽に雰囲気を変えることができるため、システムキッチンを自分でDIYできるのではないかと考える方もいることでしょう。そこで今回は、システムキッチンの具体的なDIY方法やDIYの前に知っておきたい注意点やポイントについて解説します。

目次

  1. システムキッチンのDIYの準備
  2. システムキッチンのDIYのやり方
  3. システムキッチンはDIYできない部分がある
  4. システムキッチンをリフォームするには
  5. システムキッチンのDIYは無理のない範囲でしよう

1.システムキッチンのDIYの準備

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失敗なくDIYを行うためには、事前の準備を万全にしておくことが重要となります。いざ作業を始めたものの準備が不十分で先に進めなくなったり、間違えた工程で進め仕上がりに後悔する場合もあるからです。そこで、まずは、システムキッチンのDIYで必要となる道具や作業を開始する前に済ませておきたい準備について説明します。

必要な道具をそろえる

システムキッチンのDIYを行う際に用意しておきたい道具を8つ紹介します。まず、1つ目が先端に回転機能が付いていて、穴を開けたり、ビスを締めたりする作業を電動で行うことができる「電動ドリルドライバー」です。2つ目はドリルドライバーの先端に取り付ける部品の「電動工具用ビット」で、穴を開けるときやビスを締めるときなど、目的に合わせて使い分けます。3つ目は手動用の「ドライバー」です。刃先がプラスやマイナスなどの形状になっており、サイズもざまざまなものがあるので、場所や用途に合わせて選び使用します。

さらに、4つ目は木材切断に必要な「のこぎり」、5つ目は釘打ちで使用する「かなづち」です。6つ目は長さを測る「メジャー」、7つ目は木材への印付けなどで使う「曲尺」、8つ目は作業時に材料を固定させたり、接着するときに押さえておいたりする際に便利な「しゃこまん(クランプ)」です。これらはいずれもホームセンターなどで購入できます。

システムキッチンのサイズを測る

DIYでは正しい計測が重要です。まずは、作業を始める前に取り付けや配置を予定している家具や小物などのサイズをしっかりと確認しておくことが大切です。キャビネットや収納棚などを取り付けたいのであれば計測した寸法に少し余裕を持たせたスペースを用意しておかなければいけません。余裕を持たせておくスペースは、取り付けや配置するものにもよりますが、実際のサイズに加えて10cm程度を目安にして確保しておくとよいでしょう。

キッチンの雰囲気を決める

完成のイメージを事前に作っておくこともDIYの準備として大切なポイントです。イメージする雰囲気によって必要となる素材やデザインが変わってくるからです。たとえば、木製の素材を使用すればナチュラルな雰囲気なキッチンを、ステンレス製の素材ならスタイリッシュな雰囲気のキッチンを作ることができます。さらに、システムキッチンでは小さなパーツによって雰囲気を大きく変えることもできます。キッチンやキッチン収納の把手などの小さな部分でも色やデザインが違うだけで、キッチン空間のイメージに影響を与えることができます。

2.システムキッチンのDIYのやり方

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準備が整ったら実際の作業に入ります。システムキッチンでDIYをするのは、キャビネットの扉の変更やキッチンまわりの壁やタイルのアレンジ、キッチンカウンターや棚作りなどになるでしょう。つぎは、これらのDIYについて、具体的に説明します。

キャビネットの扉を変える

システムキッチンのイメージを変えるためには、キャビネットの扉だけを新しいものに替えるDIYを行うのも方法のひとつです。扉をまるごと変える場合には、扉の寸法を測り、サイズに合わせて新しい扉として使用する材料をカットしパネルとして製作しておかなければいけません。幅と高さだけでなく、厚さを測ることも忘れずに行いましょう。サイズを明記した図面を作成しておけば、ホームセンターなどでカットしてもらうことも可能です。また、必要に応じて扉の材料への塗装やワックスやニスで仕上げなどもしておきます。
さらに、パネルには把手も忘れずに付けておきましょう。

もっと手軽にキッチンのイメージを変えたいのであれば、既存の扉の上からシートなどを貼って雰囲気を変えたり、イメージに合わせて別のデザインの把手に付け替えたりするといった方法もあります。

壁をタイルやシートでアレンジする

システムキッチンやキッチン収納などキッチン空間に配置されている棚などを変えなくても、キッチンまわりの壁などにシートを張って壁の雰囲気を変えるだけでキッチン空間の雰囲気を変えることができます。たとえば、もともとタイルが張ってある場合には、タイルとタイルの隙間のつなぎ目となる目地を別の色に塗り替えるだけで印象を変えることができます。白やライトグレーのような薄い色が使用されるケースが多く見られますが、カラフルな色や濃い色を使うとポップな雰囲気や、引き締まった雰囲気を作ることもできます。ただし、ガスコンロなどのまわりなどは、燃えない材料を使う必要がありますので、注意が必要です。

また、後々のことを考えて現状の壁に戻せるようにしておきたい場合などは、シートを使ったDIYが便利です。壁紙シートを直接貼り付けるのではなく、壁にマスキングテープを貼ったうえに、両面テープを付けた壁紙シートを貼ると、壁を傷つけずに簡単にはがせるようになります。こちらも同様に、ガスコンロなどのまわりには、燃えない材料を使う必要がありますので、注意が必要です。

キッチンカウンターや棚を作る

手軽にDIYをしたいならカラーボックスを使った方法がおすすめです。カラーボックスを複数積み上げて、その上に天板を固定させればキッチンカウンターを作ることができます。土台にカラーボックスを使用しているので、キッチンに収納を増やすことができる点も魅力です。ただし、カラーボックスは強度がそれほどないため、両端を合板などで補強する、上に重いものを載せないなどの工夫が必要になります。

ほかには、すのこを使って棚を作るDIYもあります。自宅にぴったりのサイズでオリジナルの棚を作ればキッチン空間にあるデットスペースを有効利用することもできます。作り方は、基本は、すのこを棚の両端の壁、天板、底板、棚板(棚板は必要な枚数を用意します)に、すのこと同じ長さの有孔ボードを棚の背面の壁に使用します。必要に応じてそれぞれの切断や塗装を行います。塗装をすることで、色々な雰囲気を演出できます。それらを組み立てたら完成です。

3.システムキッチンはDIYできない部分がある

DIYを行えば、コストを抑えて手軽にシステムキッチンの雰囲気を変えることができます。ただし、ガスコンロや換気扇などのシステムキッチンの設備については資格をもった専門家が工事を行わなければいけない部分も多くあるため注意が必要です。システムキッチンでDIYできない部分を以下で紹介していますので、専門家への依頼とDIYの使い分けの判断材料にするとよいでしょう。

シンク

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排水管を接続する作業が必要となるシンクの交換は、DIYで実施するのは難しく、専門家に依頼したほうがよい部分です。システムキッチンのシンクを交換するために特別な資格は必要ありませんが、DIYで排水の接続を間違えると水漏れなどのトラブルが発生して大惨事となりかねません。また、一般的には、シンクの交換だけを行うことはできず、シンクを交換するためにはシステムキッチンのキャビネットごと交換することが必要となります。システムキッチン全体の交換は、専門家へ依頼した方がよいでしょう。

ビルトインタイプのガスコンロ

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システムキッチンのうち、ガス管の接続が必須となるビルトインタイプのガスコンロはDIYができない部分です。ビルトインタイプのガスコンロとはキッチン中に組み込まれているガスコンロのことをいいます。ガス管の接続作業が必要となるビルトインタイプのガスコンロのリフォームは資格のある専門家しか行うことはできません。必ずガスが取り扱える有資格者に依頼するようにしましょう。

大幅なレイアウト変更

システムキッチンを部分的にDIYするだけではなく、キッチン空間のレイアウトを大きく変更する場合にはDIYで行わないほうがよいでしょう。水道やガスなどの位置を変えることは専門家でないと難しいですし、壁など家の構造に関わる部分は、知識がないと危険が伴います。安全面や作業の難易度を考えると、専門家に作業を依頼した方がよいでしょう。

4.システムキッチンをリフォームするには

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プロに依頼すると、システムキッチンを自分の好みの雰囲気にリフォームすることができます。理想のキッチン空間を目指して、システムキッチン自体の取り換えリフォーム、システムキッチン自体はそのままでガスコンロなどの設備ののリフォーム、DIYのように気になる部分だけを変えるリフォームなど、お使いのシステムキッチンの状況や予算に応じて、提案してもらうこともできるでしょう。

5.システムキッチンのDIYは無理のない範囲でしよう

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気軽にできるDIYも便利なリフォーム方法ですが、システムキッチンの場合には制約もあるので、無理のない範囲で行うことが重要です。特に大掛かりな変更をしたい場合には、知識や経験がないと失敗のリスクが高まります。せっかく、理想のキッチンを作りたいと始めたDIYが、逆に現状よりも悪い状態となってしまう場合もあるため注意が必要です。また、コストを抑えたいと思って行ったDIYがうまくいかず、失敗した箇所の直しも含めて業者に依頼することで結局は高い費用となってしまう場合もあります。

DIYに不安がある場合や、システムキッチン自体の交換などのリフォームを考えているなら、プロに相談してみるとよいでしょう。希望に適したデザインや素材を選びながら予算も含めて無理のないリフォームイメージを提案してもらうことができます。

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