トイレとリビングが近いのは不評?気になる音や臭いの対策方法
トイレがある場所は、住宅によって異なります。子育てをする場合や、老後に暮らしやすい間取りを考えていくうえで、トイレの位置は重要なポイントです。そのため、リビングにトイレが近い間取りの場合、一般的な評価が気になりますよね。リビングにトイレが直結した間取りになっていたり、家を新築するにあたってトイレとリビングが近い間取りを検討していたりするようなケースでは、音や臭いの対策方法についても心得ておきましょう。この記事では、トイレとリビングが近いことのメリット・デメリットを紹介していきます。
1.リビングにトイレが直結した間取りのメリット

リビングとトイレがあまりに近いと、音や臭いなどデメリットばかりに目が行きがちです。しかし、リビングとトイレが直結している間取りには、いくつかのメリットもあります。ここでは、リビングにトイレが直結した間取りに住んだ場合のメリットについて見ていきましょう。
リビングとの温度差があまりない
一般的な家庭のトイレのなかには、エアコンなどの冷暖房設備はありません。そのため、リビングからトイレが離れたところに位置していると、夏は暑く、冬は寒いというデメリットにつながります。たとえば、トイレが廊下に位置していたり、玄関の前にあったりすると、リビングからトイレに向かって移動をする際に温度差を感じやすく、冬はトイレの温度も低いままになりやすいという問題があります。リビングは家族みんなが集まるスペースであることから、1年を通して適温に保たれている場合がほとんどです。したがって、寒さが厳しい冬でも、リビングがあたたまっていれば、トイレもあたたまりやすいといえるでしょう。
壁がない分広く見えやすい
リビングから離れた位置にトイレを設けようとすると、専用の壁やドアを作る必要があります。壁やドアが多いと、それだけ部屋が狭く見えてしまいます。特に、家を新築する場合は、土地の広さにも限りがあるため、リビングをゆったりとした空間にできるかどうかは重要なポイントとなるでしょう。リビングが壁やドアで仕切られていなければ、それだけ開放感のある空間となります。
子どもとトイレトレーニングがしやすい

リビングとトイレが直結していると、子どものトイレトレーニングがしやすいという点は大きなメリットのひとつです。子どものトイレトレーニングをする際には、トイレとリビングが離れていると、失敗してしまうこともしばしばあります。また、小さな子どものなかには「トイレトレーニングが嫌」や「ひとりでトイレに行くのはこわい」などと思う子どももいます。そんなときにトイレとリビングが近かったら、スムーズに排泄ができ、結果としてトイレトレーニングがはかどる可能性もあるといえるでしょう。
高齢者も使いやすい
小さな子どもがいる家庭に限らず、高齢者が暮らす家庭の場合でも、リビングとトイレが直結していると便利です。リビングにトイレが直結した間取りは、「老後で足腰が弱くなってきたときのことを想定して、トイレに行きやすくしておきたい」と考えている人には適したものです。たとえば、年齢を重ねて退職すると、リビングで過ごす時間が増える傾向にあります。リビングとトイレが直結していれば、足腰が弱くなり、移動が億劫な場合でもトイレに行きやすいといえます。加えて、リビングとトイレを直結させることで段差が減り、足元が心配な人でも安心して行き来ができるという特徴もあるのです。
2.リビングにトイレが直結した間取りのデメリット

リビングにトイレが直結した間取りには、メリットがたくさんあります。しかし、いくつかのデメリットもあるのです。間取りで悩んでいるのであれば、リビングとトイレが直結している間取りのデメリットについても把握しておきましょう。
臭いや音が気になる
リビングにトイレが直結している場合の大きなデメリットといえば、臭いや音もれにまつわるものです。特に、来客があったときなどには、「リビングとトイレが近くにあるだけで落ち着かない」という人もめずらしくありません。
トイレのドアを開けるとリビングから見える
リビングとトイレが直結していると、トイレのドアを開けた場合、トイレのなかからリビングが丸見えになってしまう可能性があります。特に、食卓からトイレのなかが見えてしまうのは、あまり気持ちの良いものではありません。どうしても気になる場合には、トイレのなかが丸見えになってしまわないような工夫が必要です。たとえば、リビングで座る場所を変更して、トイレのドアから意図的に視線をずらすなどしてみると良いでしょう。
来客の際に気を遣う
リビングにトイレが直結していると、レイアウトによってはトイレの音がリビングに聞こえてしまうケースもあります。特に、来客時には、多くの人が排泄の音や臭いを気にすることになるでしょう。また、訪問客にとっても、リビングとトイレが直結していると、「使いづらい」と気を使わせてしまう可能性があります。
3.リビングの近くにトイレがある場合の対策

リビングの近くにトイレがあると、臭いや音が気になるという悩みを持つ人も見られます。一度家を建ててしまうと、トイレの位置は気軽に変えることができません。どんな対策ができるのか、ひとつずつご紹介します。
目隠しをする
賃貸に住んでいる場合でも、簡単にトイレの音漏れ対策や目隠しをする方法があります。トイレの音漏れや目隠しを簡単に行いたいなら、パーテーションを使うのも有効です。たとえば、トイレの扉を隠すようにパーテーションを立てておくだけで、目隠しができます。折りたたみ式のパーテーションなら、簡単に購入可能です。また、戸建てや、リフォームも視野に入れている場合なら、天井にカーテンレールを取りつけて目隠しをするという方法もあります。
常に換気をしておく
トイレの臭い対策では、十分に換気を行うことも重要なポイントになります。トイレの嫌な臭いが気になる場合には、空気を清潔に保つような工夫をすることが欠かせません。トイレに窓や換気扇がある場合には、常に換気をしてきれいな空気を心がけることが大切です。
マメに掃除をして清潔を保つ

トイレを小まめに掃除して清潔を保つことによって、臭いが予防できる可能性があります。たとえば、便器を掃除するときには、便器のふち裏や、シャワートイレと便器の境目部分も丁寧に掃除をしておくことがポイントです。また、トイレ掃除というと、「便器をきれいにしたら終わり」という人も見られます。しかし、トイレの臭いは便器の汚れだけではありません。便器のほかにも、壁や床、天井についた汚れも臭いの原因になっている可能性があります。トイレの臭いを抑えるためにも、便器に加えて壁・床・天井もお掃除シートを使うなどして拭き掃除を行い、臭いを残さないように気をつけましょう。
消臭剤を置く
消臭剤は、トイレの臭いを抑えるための定番アイテムです。そのため、トイレの臭いが気になるときは、トイレのなかに消臭剤を置いておくだけで臭いが低減する可能性があります。しかし、消臭剤を選ぶときには、臭いをごまかすものを選んでは逆効果です。消臭剤は悪臭を吸収するタイプを選んでトイレのなかに置いたほうが、臭い対策としては有効です。
脱臭機能のある設備にする
新築・リフォームを検討中であれば、脱臭機能のあるトイレや「エコカラット」を設置しても良いでしょう。エコカラットは、気になる臭いの脱臭効果のある壁材です。加えて調湿効果もあり、湿度が高い時は湿気を吸収し、乾燥しているときは湿気を放出。カビやダニの繁殖の抑制も期待できるというメリットがあります。脱臭機能を備えたトイレであれば、トイレとリビングが直結している場合でも安心ですね。
4.リビングとトイレが近くても対策次第で快適に過ごせる!

トイレとリビングが直結していることには、メリットとデメリットがあります。リビングとトイレが近いというと、それだけで不快と感じる人も実際には見られます。しかし、小さな子どもや高齢者が生活する家庭などでは、リビングとトイレが近いことはデメリットばかりではありません。このように、トイレの位置で悩んだら、リビングとトイレが直結している間取りの場合、実際に住む人のライフスタイルに合わせた対策を行うことが大切です。家族みんなが快適に過ごすために、トイレの臭いが気になる場合は、簡単にできる対策からはじめてみましょう。