目的に合わせて広さを決める!使いやすいトイレのサイズとは?
リフォームや新築の際、トイレの広さは使う人の目的に合わせて決めていくことが大切です。それぞれの目的に応じて、トイレのサイズやどのような設備を設置するかを決定する必要があります。ここでは、トイレのサイズの決め方やトイレに設置したい設備のサイズなどについて解説します。
1.目的別で決める!最適なトイレのサイズ
トイレはどの程度のサイズにするのが最適なのかは使う人の目的によって異なります。ここからは、目的に合ったトイレのサイズの決め方について紹介していきます。
便器と手洗い器のみ設置する
トイレには必要最低限の設備さえ備わっていればよいという場合、便器と手洗い器が設置されていれば十分でしょう。トイレのサイズは、幅が80cm程度で奥行きが120~160cm程度の約1畳の広さが一般的だとされています。トイレに特別な機能は求めておらず、便器と手洗い器のみを設置するのであれば、約1畳のサイズがあれば十分なスペースを確保できているといえるでしょう。なお、手洗い器には便器と一体化しているタイプと便器から独立しているタイプがあります。便器と一体化しているタイプのほうがトイレ内のスペースを節約できますが、便器から独立している手洗い器であっても奥行きが小さい小型のものを選べば十分設置可能です。
バリアフリーに対応する
バリアフリーに対応したトイレを設ける場合、一般的なサイズよりも広いスペースが必要です。車いすに乗ったままトイレに出入りすることや介助スペースも考慮に入れると、幅は160~180cm程度、奥行きは160~180cm程度が必要となります。一般的なサイズの約2倍の広さが必要になりますので、バリアフリーに対応したトイレを設置する場合は、広いトイレを設置できるスペースがあるか、確認しておきましょう。
小便器(男性用便器)を設置する
一般的なトイレサイズの約2倍、幅が180cm程度で奥行きが180cm程度の約2畳の広さがあれば、通常のトイレに加えて小便器(男性用便器)を設置することができます。小便器(男性用便器)を設置するメリットは、男性が用を足す際にハネが防止できるのでトイレの床などが汚れにくいという点です。また、男性の場合は通常の便器よりも手間がかからないということもメリットの一つでしょう。小便器(男性用便器)にもさまざまなタイプがあります。設置を検討している場合は、どのような機能がついたタイプがよいのか、しっかり検討するようにしましょう。
2.トイレのサイズを決めるときの注意点
見落としがちなポイントですが、トイレのサイズを決める際には、出入口の開閉方法や開閉するためのスペース、掃除のしやすさなども考慮する必要があります。ここからは、トイレのサイズを決める際の注意点について解説していきます。
ドアを開くスペースを考慮する
一般的に、住宅のトイレの出入り口には、手前に開くタイプの片開きドアが使われます。そのため、トイレの個室とは反対側にドアが開閉するためのスペースが必要となることを忘れないようにしましょう。ドアが開閉するスペースが確保できない場合は、引戸を使用することを検討してみましょう。バリアフリーに対応したトイレの場合は、引戸や外開きのドアが採用されることが多くみられます。また、住宅のトイレの場合、出入口の幅は60~75cm程度が一般的です。一方、バリアフリー対応のトイレの場合は車いすが通るスペースが必要となるため、90cm以上を確保するのが望ましいでしょう。
掃除のしやすさを考慮する
トイレのサイズを選ぶときは掃除のしやすさを考慮に入れることも大切です。掃除しながら体を動かすことを考えれば、トイレのサイズは必要最低限のサイズよりも広めに取っておいたほうがよいといえます。便器の掃除のしやすさについては、便器自体のサイズがコンパクトで、凹凸の少ないタンクレスのタイプの便器ほうが掃除がしやすいといえるでしょう。また、トイレの中に掃除用具をしまうことができる収納棚があるとトイレ掃除用の道具を外からもってくる必要がないので便利です。トイレ空間に余裕がある場合は、収納棚を設置することをぜひ検討してください。
3.サイズや機能は?トイレに設置する便器の選び方
トイレを考えるうえで、便器の選び方を知っておくということも重要なポイントでしょう。ここからは、便器の選び方について、サイズと機能という2つのポイントを解説していきます。
サイズ
便器のサイズは、タンク付きのタイプとタンクのないタンクレスのタイプで異なります。タンク付きの一般的なサイズは、床からタンクの上までの高さが100cm程度、便器の幅が45cm程度、便器の奥行(便器の手前からタンクの奥まで)が80cm程度となります。また、タンクレスの一般的なサイズは、一般的な寸法は、床からの高さが55cm程度、便器の幅が40cm程度、奥行70cm程度となります。また、タンク付きのタイプでも奥行きがコンパクトなタイプなどもありますので、トイレ空間のサイズにあわせて、どちらのタイプの便器を選ぶか考えましょう。
機能
便器には、防汚や脱臭、抗菌や除菌などのさまざまな機能がついたタイプのものもあります。また、便器のフチがないタイプなど掃除がしやすいように工夫がされたタイプもあります。トイレは毎日使うもので、常に清潔にしておきたい場所です。掃除のしやすさに注目して選んでみるのもよいでしょう。また、一般家庭ではトイレが最も使用水量が多い場所なので、節水効果の高い便器を選べば水道代を節約できるでしょう。自宅には、どのような機能が必要なのか、しっかり検討して選ぶようにしましょう。
4.便器以外のトイレ設備のサイズ
トイレの設備には便器以外にも手洗い器や収納棚などがあます。トイレを考える上では、それぞれのサイズについても考慮しておかなくてはなりません。ここからは、手洗い器と収納棚のサイズについて紹介していきます。
手洗い器
手洗い器には、便器と一体化しているタイプと便器から独立しているタイプがあります。便器から独立している手洗い器を設置したい場合、トイレ内部に30cm程度のスペースを確保する必要があります。手洗い器は種類が豊富にあり、トイレのサイズが1畳以下でも設置することのできるコンパクトタイプもあるため、自宅のトイレに設置することができる手洗い器を探してみましょう。また、カウンターが付いているタイプの手洗い器を設置すれば、さらに便利に使うことができるでしょう。
収納棚
トイレの内部に設置する収納棚には、いろいろなタイプがあります。ここでは、タンクを覆うように設置するタイプと手洗い器と一体化したタイプの2種類について解説します。タンクを覆うタイプの収納棚は、収納機能に加え、タンクや配管を隠すことができます。そのため、タンクレストイレのような見た目に仕上げることができ、すっきりとした印象のトイレになります。また、タンクや配管部分が表にないので、掃除もしやすいといえるでしょう。水圧などの都合で、タンクレストイレを設置できない場合は、検討してみてはどうでしょうか。手洗い器と一体化したタイプの収納棚は、パウダースペースとしても活用できるので、来客の際などにも便利に使えます。
5.トイレのサイズは使いやすさを重視!
トイレのサイズは、利用する人の目的を考慮し、使いやすさも考えながら検討していく必要があります。また、手洗い器や収納棚などの設備を付けることでトイレをより使いやすく快適な空間にすることができるようになります。新築やリフォームの際は、便器以外の便利な設備についても考慮しながら、トイレのサイズを決めていきましょう。