2019.3.29

窓のDIYについて。業者に頼むべき?

住まいづくり

住宅において、窓がもたらす恩恵は非常に大きいものです。しかし、窓に求める機能は時代や住む人の生活スタイルによって変化していくものであり、必ずしも建築当初の状態をずっと保たなければならないわけではありません。なかには、現状に満足できず、自分好みの窓に替えたいと思う人もいるのではないでしょうか。ここでは、窓の改修工事をDIYで行う場合と業者に依頼する場合のメリットやデメリットを解説します。

目次

  1. 窓の種類。一枚ガラスの窓と、二重窓やペアガラスとの違い
  2. 二重窓やペアガラスの取り付けを業者へ依頼する場合
  3. 二重窓やペアガラスの取り付けを、自身で実施(DIY)する場合
  4. 窓周りのリフォームはDIYよりも業者に依頼することが安心

1.窓の種類。一枚ガラスの窓と、二重窓やペアガラスとの違い

一枚ガラスの窓と、二重窓やペアガラスとの違い

一口に窓と言っても、さまざまな種類があります。そのなかでも代表的な区分とされているのが一枚ガラスの窓と二重窓およびペアガラスです。どちらを選んだほうがいいということではなく、持っている機能や価格が異なります。価格が高ければ高いほど優れているというわけでもありません。用途に応じて選ぶことが大切です。用途に適した窓を選べば、住環境はより快適なものになるでしょう。一枚ガラスの窓と二重窓やペアガラスとの違いを解説します。

一枚ガラスの窓の問題点とは?

住宅では通常、一枚ガラスの窓を使用しています。このガラスは文字通り一枚のガラスとアルミの枠で制作されたものです。外の冷気をさえぎるものが一枚のガラスのみであること、熱伝導性が高く冷気を室内に伝えやすいアルミを使用していることから、断熱性能に問題があるとされています。ガラスは太陽の光や熱を室内に取り込んでくれる反面、木材と比較すると熱伝導率が高くなり、暖まりやすく冷めやすいという特徴があるといっていいでしょう。

そのため、一枚ガラスの窓から、熱が室内から流出してしまいます。部屋の空気をせっかく暖めても、窓から外へ流れてしまうということです。さらに、コールドドラフト現象も寒いと感じる要因となります。空気は暖かければ上に、冷たければ下に移動するという性質があり、人間が動き回る範囲は冷たい空気がたまりやすい高さです。断熱性能が低い一枚ガラスの窓辺で空気が冷やされ、室内の下のほうに流れ込むコールドドラフト現象は、部屋の温度をより寒く感じさせます。足元が冷えるという感覚は、一枚ガラスの問題点が引き起こしている現象とも言えるでしょう。

断熱効果で節約も!二重窓やペアガラスのメリット

二重窓やペアガラスのメリット

リビングやダイニングとキッチンを隔てる仕切りをなくせば、キッチンが閉鎖的な場所になることはなく、広々とした空間が作れます。キッチンの扉やカウンターの色・素材は、リビングやダイニングのインテリアのイメージに合わせて選びましょう。リビングとキッチンとの間に一体感が生まれれば、家族もキッチンでの家事を手伝いやすくなるかもしれません。テーブル一体型のキッチンにして、料理を作る人と食べる人が同じ空間を共有できるようにしたものもあります。

明るさ

一枚ガラスの問題点は、二重窓を設置することやペアガラスに変更することによって軽減されます。ここでは、二重窓やペアガラスは一枚ガラスの窓では得られないさまざまなメリットを紹介します。

空気の層によって高い断熱効果が得られる

二重窓やペアガラスの最も大きな特徴は、高い断熱効果です。2枚のガラスで空気の層をつくることにより屋外の熱を遮断する性能が飛躍的に向上します。室内の熱を留めておくことができるので、暖房効率も格段とよくなるでしょう。結果として光熱費の節約になるケースも少なくありません。ガラスが2枚になるだけで、室内にいるときの体感温度はかなり高くなるでしょう。

断熱効果以外のメリット

断熱効果以外のメリット

二重窓やペアガラスの設置によって得られるメリットは断熱効果のみではありません。空気の層は音を遮断する効果もあります。すべての音を完全に消すわけではないものの、クッションに似た役割を空気の層が果たしてくれるため、外から室内に入ってくる音は大幅に緩和されるでしょう。また、二重窓やペアガラスは一枚ガラスと比較して気密性が高く、室内の音を外に漏れにくくする効果も期待できます。メンテナンスの面では、結露が起きにくくなるというメリットもあります。内側の窓が直接外気に触れないので、朝になると窓際がべちゃべちゃという事態は防げるでしょう。

2.二重窓やペアガラスの取り付けを業者へ依頼する場合

二重窓やペアガラスの取り付けを業者へ依頼する場合

さまざまなメリットがある二重窓やペアガラスに変更することは、生活の質を向上させることにもつながります。現状の窓には問題点が多く、今すぐに窓を取り替えたいと思う人もいるでしょう。しかし、窓の設置工事は決して難易度が低いものではありません。そこで、方法として挙げられるのが、業者への依頼です。窓の設置工事を業者へ依頼する場合のメリットとデメリットを解説します。

メリット

業者へ依頼する場合の最も大きなメリットは、安心、安全であるということです。一般的に、専門的な知識や技術がある場合を除いて、窓の設置工事をDIYで行うことは簡単ではありません。特殊な技術や工具が必要になることも多いでしょう。完全な施工を行おうと思えば、時間と労力が必要になることは明らかです。一方、業者へ依頼すれば技術も工具も必要ありません。希望を伝えて料金を支払えば、ストレスなく設置工事が完了します。

DIYは「自分の力で施工した」という充足感がある一方、結果として不完全な施工となり、不具合が出てきて再度施工が必要になることも珍しくありません。施工を繰り返すことは無駄な費用がかかることにもつながります。業者へ依頼すれば、施工後のサポートを受けられるケースも多く、代金の支払いによって快適な住環境のみならず、安心と安全を買うことができます。

デメリット

業者へ依頼するデメリットとしては、業者選定と費用面の問題が挙げられます。窓の設置工事を行っている業者は多数あり、どこに依頼すれば自分が望む施工を行ってくれるかわからないという人も多いでしょう。悩んでいるうちに設置工事が先延ばしになってしまうことも少なくありません。費用面においては、DIYと比較して高額であることも事実です。しかし、デメリットとされる問題点も、解決する方法はあります。信頼できる情報源を確保しておくことや、事前にしっかりと希望を伝え、見積書を提示してもらうこと、1カ所ではなく複数の業者に打診して比較検討することが大切です。

3.二重窓やペアガラスの取り付けを、自身で実施(DIY)する場合

二重窓やペアガラスの取り付けを、自身で実施(DIY)する場合

二重窓やペアガラスをDIYで取り付けようと考える人もいるでしょう。もちろん、普段からDIYによって家のメンテナンスを行っていて、DIYのハウツーを心得ているのであれば、ひとつの選択肢となるでしょう。ここでは、DIYで窓の設置工事を行う際のメリットとデメリットを解説します。

メリット

DIYによる設置工事のメリットは、経費を削減できることです。二重窓やペアガラスの設置工事はいわゆるリフォームであり、人件費や経費が発生します。すべてを自分で行えば、人件費が発生することはありません。経費も自分で調達することにより大幅に削減できるでしょう。

DIY専用の商品などを用いれば、建物に手を加えることなく簡易的な工事が可能です。たとえば、内側からの二重窓にしたい場合は、窓枠に外部レールを両面テープで貼るだけで済むので、賃貸住宅であっても原状回復も比較的容易にできるでしょう。またDIYは、職人さんなど知らない人が家に入ることに抵抗がある人にとっても、有効な選択肢となるでしょう。

デメリット

一方、DIYには安さなどのメリットを差し引いても、無視できないデメリットが存在します。まず、DIYを行うには知識と工具が必要です。DIYの経験が豊富で手慣れている人であれば、工具も所有しており、時間もお金も節約できるでしょう。しかし、DIYの経験が数少ないにもかかわらず、窓の設置工事を自分で行おうとする場合は、工具をそろえることから始まります。購入には当然お金がかかりますし、施工に関する勉強も必要になるでしょう。

仕上がりにおいても、サイズどおりに計測ができていないことによるズレが発生したり、取り付けがきちんとできなかったりと、問題が出てくることも少なくありません。不完全な施工の結果、断熱や防音、結露防止といった二重窓やペアガラスの効果が実感できない可能性もあります。DIYで窓の設置工事を行う際には、さまざまなデメリットがあることも忘れてはなりません。

4.窓周りのリフォームはDIYよりも業者に依頼することが安心

窓周りのリフォームはDIYよりも業者に依頼することが安心

窓周りのリフォームは、何よりも安心と安全が重要です。住宅は、自分で手をかけることで愛着がわいていくものである一方、何十年という期間を安心して暮らせることが第一の役割でもあります。DIYによって不完全な施工を行ってしまえば、せっかくの二重窓やペアガラスが持つ恩恵を受けられないことにもなりかねません。窓周りのリフォームには特殊な作業もあるので、基本的には業者に任せたほうがいいでしょう。

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