2019.3.29

天窓から雨漏り?DIYで直せる?業者に頼むべき?

住まいづくり

住宅は、住む人にとって大事な生活拠点です。より快適な暮らしのためには、間取りを工夫したり、便利な機能を備えた設備を導入したりすると良いかもしれません。天窓もそのひとつ。住宅に天窓を取り付けるときは、どのような役割があるのかを知ることが大切です。また、なんらかのトラブルが起きる可能性を把握したうえで、修理方法を考えておく必要もあります。ここでは、天窓が持つ機能をはじめ、雨漏りなどのトラブル事例、直すならDIYで対応すべきか業者に依頼すべきかについて解説します。

目次

  1. 天窓の役割について
  2. 天窓のよくあるトラブル&お悩み
  3. 窓の改修を業者へ依頼する
  4. 窓の改修を、自身で実施(DIY)する場合
  5. 天窓の修理はプロに依頼すれば安心

1.天窓の役割について

天窓の役割について

天窓を取り付けるときは、天窓の役割について知っておきましょう。ここでは、住宅の天窓の役割について解説します。

日中の採光を取り込む・光が奥まで届く

日中の採光を取り込む・光が奥まで届

住宅に天窓を設置する大きなメリットは、日中の採光を取り込むことや、取り込んだ光が奥まで届くことです。住居の採光について「建築基準法」では、開口部の有効面積は居室の床面積の7分の1以上とされています。採光方法として「壁窓」は身近な存在です。ただし、壁窓を設置しても、周辺の住宅事情によっては十分な採光が期待されません。また、壁窓からの光は横一方向から差し込むため、日中でも部屋が薄暗く感じることもでてきます。北向きの部屋は代表的な事例です。

しかし、天窓の設置によって、昼間はほぼ一定量の光を取り入れることが可能です。ちなみに、天窓の開口部についても「建築基準法」で規定されており、天窓からの採光は壁窓の約3倍が期待されます。

風通しを良くする

天窓のもうひとつの大きな魅力は、風通しを良くすることです。天窓には「固定式」と「開閉式」の2つのタイプがあります。前者は「フィックス式」とも呼ばれ、採光のみの役目を持っていますが、後者には換気ができるメリットが注目されています。

空気が暖まると上へ昇る性質があり、その働きを活用するには開閉式の天窓がおすすめです。天窓を開けることで、住宅の一階部分から最上部に向かって風の流れが生まれるからです。換気によって室温を下げる働きも期待されるため、特に夏場は快適に過ごしやすくなります。

空を感じて過ごす贅沢感。天気もわかりやすい

窓には光を取り入れる働きがありますが、天窓はその役目を大きく担ってくれます。天窓により室内が明るくなり、より開放感を得られることも魅力と言えるでしょう。また、青空や星空を眺めることで贅沢気分が味わえます。変化する空の様子を絵画のようにインテリアの一部にできることは、自然と寄り添って暮らしたい人に理想的な環境ではないでしょうか。

天窓から空の様子がわかりやすいため、天気の変化に気付きやすくなります。外へ出なくても空模様の観察が可能であり、外干しの洗濯物を取り込むタイミングにもつながるでしょう。このように、天窓があると実生活に役立つことも期待されます。

2.天窓のよくあるトラブル&お悩み

天窓のよくあるトラブル&お悩み

住宅に天窓を設置するときは、天窓を取り付けるデメリットを知ることも大切です。設置してから後悔しないためにも、トラブルなども把握しておきましょう。ここでは、天窓の設置に関するよくあるトラブルや、悩みについて解説します。

天窓から雨漏り

天窓の設置で起きるトラブルの代表は「雨漏り」です。天窓の設置に際しては、雨漏りが起こるリスクが高いことを把握しておきましょう。ここでは、天窓から雨漏りする原因について説明します。

雨漏りの原因は主に3つ

天窓は、壁窓とは異なって空に向けて設置される点が大きな特徴です。そのため、雨風の影響を受けやすく「雨漏り」にもつながります。天窓から雨漏りする原因は主に3つあります。

まず、考えられる原因は、ガラスと屋根の隙間を埋めているゴムパッキンの劣化です。開閉式の天窓では、合わせ部分のパッキンからも浸水してきます。2番目の原因は、天窓の傾斜の下手に付いている水切りエプロンの経年劣化です。こちらは、アルミや鉛などの素材に穴が空くことが関係しています。3番目に考えられるのはゴミ詰まりです。天窓のまわりの屋根にゴミが詰まると雨水が流れにくくなり、天窓の周囲にたまることで雨漏りしやすくなります。

特に多い雨漏りの原因

天窓に起きる雨漏りの原因のうち、特に多いのはコーキングの劣化です。具体的には、ゴムパッキンにできる穴や剥がれが雨漏りにつながります。なかでも、雨水の侵入口となりやすいのが天窓コーナー部分のジョイントです。天窓を取り付けるときは、水密や気密を目的としたコーキングが施されます。しかし、防水などのために行ったコーキングは、劣化にともない、隙間が開いたりひび割れを起こしたりして雨漏りの原因にもなるのです。そのため、天窓の設置後はコーキングの打ち直しが必要になります。ちなみに、具体的な目安として10年といわれています。

3.窓の改修を業者へ依頼する

窓の改修を業者へ依頼する

天窓からの雨漏りなどの不具合が見つかったときは、速やかに改修することが大切です。その方法として、業者への依頼が挙げられます。ここでは、窓の改修を業者へ依頼する場合のメリットとデメリットについて解説します。

メリット

天窓の改修を業者に依頼する大きなメリットは、作業による危険を回避できることです。天窓を改修するときは屋根に登っての作業が不可欠ですが、業者にまかせることで作業にともなう危険性がなくなります。専門技術による改修が期待できることもメリットのひとつです。DIYでの作業は技術不足による水漏れの再発のリスクがあります。また、DIYでは特殊な技術の習得やパッキン交換などの準備も不可欠です。しかし、業者に依頼することで、DIYで感じるストレスがなくなります。さらに、DIYのあとに不具合が発生した場合、業者に依頼すると費用が余分に掛かってきます。しかし、最初から業者におまかせすると費用や時間の無駄使いも避けられます。

デメリット

業者に改修工事を依頼すると人件費などが必要になるため、DIYよりは費用が掛かります。また、依頼の際、どの業者に依頼すればよいのか迷うこともあるでしょう。業者との契約に際しては「相見積もり」をする方法も選択肢のひとつです。しかし、業者ごとに見積りを依頼するなどの理由から、施工開始まで時間が掛かることも少なくありません。

4.窓の改修を、自身で実施(DIY)する場合

窓の改修を、自身で実施(DIY)する場合

天窓の改修工事を業者への依頼ではなく、自分で実施(DIY)する方法があります。改修を自分でする前には、メリットとデメリットを把握することが大切です。ここでは、DIYによるメリットとデメリットについて解説します。

メリット

天窓の改修をDIYで行う大きなメリットは、取り付けに必要な人件費や経費をカットできることです。また、自分の好きなタイミングで実施できることもメリットのひとつです。室内から止められる程度の雨漏りなら、吸水パックを使って一時的な対応が可能になります。もし、吸水パックが天窓に貼り付けられないときは、床に設置しても良いでしょう。また、天窓が開けられる場合は、天気の良い日を選んで、室外から雨漏り防止スプレーを掛ける方法もあります。ただし、安全面への十分な配慮が不可欠であり、天窓から出すのは腕や上半身までに留めることが重要です。

デメリット

自分でDIYを行うメリットとして、水漏れの修繕ができているかどうかチェックしにくい点が上げられます。もし、改修に再度取り組む場合も屋根に登り降りする必要があり、手間が掛かることは避けられないでしょう。それ以前に、屋根への登り降りが必要な作業は自分で行わないことが大切です。また、天窓の改修工事は高所作業であり、常に危険がともないます。さらに、改修工事は難易度が高いため、自分では完全な工事ができないことも少なくありません。その結果、業者に依頼することになり、時間とお金が消費される可能性も高くなります。

5.天窓の修理はプロに依頼すれば安心

天窓の修理はプロに依頼すれば安心

天窓の改修には、業者に依頼する方法とDIYで対応する方法とがあります。業者に依頼することで費用が割高になりますが、出来栄えの良さはDIYとは比べ物になりません。一方、DIYでの作業は経費節約ができますが、きちんとした作業ができないだけでなく作業による危険が避けられません。また、天窓の改修工事には特殊な作業もあります。そのため、天窓の改修工事は基本的には業者におまかせしたほうが良いでしょう。

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