キッチン会議

小さな家の小さなキッチン自分サイズの暮らしの豊かさを

YADOKARI ウエスギセイタさん・さわだいっせいさん

取材 | 2016.9.27

「キッチン会議」では自分らしいキッチンを見つけ出すためのヒントを、
みなさんと真面目に、時には頭をやわらかくして話し合っていきたいと思います。
毎回コラムで話題を提供したり、建築家や専門家の意見を紹介したり、
アンケートを通してみなさんの暮らしぶりや考えをうかがったり。
さまざまな視点でキッチンを見つめながら、「キッチンの答え」を一緒に考えていきましょう。

お二人はミニマルライフ、スモールハウス、モバイルハウス、多拠点居住といったテーマに特化したウェブサイト「未来住まい方会議」を主催しています。2012年スタート以来毎日2-3件の世界のスモールハウスなどの記事を紹介し続け、すでに3000件以上の人々の暮らしを紹介し続けています。小さな家や移動する家を考えることは今までの枠組みにとらわれない新たな暮らしかたの選択肢を広げることだと言います。今回は2人にミニマルな暮らしをしている人のキッチンについて伺いました。

1 THE BIG BLUE BUS TOUR

http://yadokari.net/minimal-life/16394/
simplybphotos.com

ご主人の転勤前に半年間休暇をとって、家族6人で中古のスクールバスを改造してフロリダからアラスカまで5000マイルの旅を計画。座席をはずして小さなキッチン、リビング、勉強机などをつくりました。トイレ、シャワーはなくキャンプ場などを利用するそうです。我慢しなければならないからこそ、水のありがたさや、トイレのありがたさも感じることができるとか。いつかは巣立ってしまう子供とたちと一緒の時間を過ごしたいという家族の想い、きっと素敵な思い出に残るに違いありません。キッチンは小さくても、愛情のこもった料理には格別の味がつまっていることでしょう。

2 セルフビルドで全部つくる「Mini House」

http://yadokari.net/minimal-life/3625/

http://yadokari.net/minimal-life/3625/

アメリカシアトルに住むアーティストのミシェルさんは小さなガレージを9ヶ月間かけて改装しました。自分サイズの家を作ることで、そこに自分が関われること、最低限でもそれで十分と思えるほど隅々まで気が配られています。このキッチン台の上に移動式のコンロを置いただけのキッチン、とはいえしっかり料理もできそうです。

3 +ONEスウェーデンのキットハウス

thedesignhome.com

http://yadokari.net/minimal-life/621/

15m²のコンパクトな家、これはプロダクトとして販売されています。家の中には小さなシンク、そして外には壁の中にキッチンが埋め込まれています。
トイレ、シャワー、キッチンも備えたコンパクトな家です。

4 INSPIRATION by YADOKARI

http://inspiration.yadokari.net

これはYADOKARI自身が販売した10棟限定のキットハウス、価格は300万円、トイレ、シャワー、キッチンも完備しています。最近完成した山梨のお客さんは、大きなデッキにこの小屋をたて、友人たちを呼んでの週末のひと時を楽しむとか、ベッドルームが足りない時はテントを張って、外でも寝るそうです。家の中にもキッチンはありますが、料理も外部空間を活用したくなるというのも小さな家の特徴です。

小さな家と小さなキッチン、どれも普通の家のキッチンに比べれば決して十分な大きさではないかもしれませんが、あえて小さなキッチンを使うこと、さらには自分で作ってみることで、キッチンがより身近なものになり、愛着のわくものになってくる、そのことで暮らしの豊かさを発見するのかもしれません。小さなキッチン、みなさんも作ってみたくなりませんか?

YADOKARI株式会社
共同代表取締役 さわだいっせい / ウエスギセイタ

住まいと暮らし・働き方の原点を問い直し、これからを考えるソーシャルデザインカンパニー「YADOKARI」。住まいや暮らしに関わる企画プロデュース、空き家・空き地の再活用、まちづくり支援、イベント・ワークショップなどを主に手がける。

また、世界中の小さな家やミニマルライフ事例を紹介する「未来住まい方会議」を運営。250万円の移動式スモールハウス「INSPIRATION」や小屋型スモールハウス「THE SKELETON HUT」を発表。全国の遊休不動産・空き家のリユース情報を扱う「休日不動産」、空き部屋の再活用シェアドミトリー「点と線」、新たな働き方を提案する「未来働き方会議」などを企画・運営。また名建築の保全・再生の一環で黒川紀章設計「中銀カプセルタワー」をシェアオフィスとして運営。著書に『アイム・ミニマリスト』(三栄書房)、『未来住まい方会議』(三輪舎)、『月極本』(YADOKARI)などがある。

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