キッチン会議

便利な時代に大きくなるキッチン。

コラム | 2016.10.25

「キッチン会議」では自分らしいキッチンを見つけ出すためのヒントを、
みなさんと真面目に、時には頭をやわらかくして話し合っていきたいと思います。
毎回コラムで話題を提供したり、建築家や専門家の意見を紹介したり、
アンケートを通してみなさんの暮らしぶりや考えをうかがったり。
さまざまな視点でキッチンを見つめながら、「キッチンの答え」を一緒に考えていきましょう。

今は毎日の料理が簡単になってきている時代とも言えます。スーパーや専門店でも調理済みのおいしいものがたくさん売られていて、つくるより購入される方も増えています。特に、共働きなどで料理をする時間が限られている人や、一人暮らしで料理をするより買ってきた方が安上がりという人、高齢になって食配などのサービスを利用している人も増えています。このように便利になっている現代では、毎日の料理の時間やキッチンの使用時間が以前に比べ少なくなる傾向にあるともいえます。

少し余談ですが、かつての家庭の料理は煮物などを中心としたものでした。その原点は冷蔵庫がなかった時代にさかのぼります。保存食であった干し野菜や、ひじきや高野豆腐などの乾物類を煮て戻すというのが昔ながらの日本の家庭料理でした。しかし我々の食卓には洋食が登場し、このようなかつてどこにでもあった料理は自分では作らなくなっていったのです。

こうした状況は料理が嫌いだからというわけではありません。時間がないというのが大きな理由でしょう。アンケートでは、料理が好きという人は3割以上います。毎日の料理とは別に、特別な時や週末に料理をするという人も多くいます。日常の料理はますます簡単になり、一方で週末などの時間のある時には手間をかけて手の込んだ料理をつくる人も多いようです。

日常の料理が少なくなっているのと反比例するかのように、キッチンは大きくなっています。それは前段に書いたように、キッチン選びの基準が特別な時に合わせたものへとなるからです。人も呼びたいと思うでしょう。パスタやピザを生地からつくる人もいるでしょう。魚を下ろす人だっているに違いありません。そのために大きいキッチンが望まれます。さらにオープンキッチンが人気になり、視覚的にいつもキッチンが目に入るようになる昨今では、家具のように見た目にも美しいものが欲しくなるのです。キッチンは料理をするというだけでなく人々の豊かさを表すシンボルにもなってきています。

しかし、この大きなキッチンをフル活用する料理がどのくらいの頻度で起きるのかということも考えてみるべきです。そうするとキッチンを料理のために使わない時に他の目的に使うということも考えるべきでしょう。食事をするのはもちろん、お茶を飲むとか、仕事をするとか、本を読むなど、料理以外でキッチンを使うというシーンも考えるのが妥当なのかもしれません。ますます大きくなるキッチン、しかし家の大きさは限られています。であるならばキッチン以外の部分のダイニングやリビングを小さくしたり、ダイニングをキッチンと一体化させたりして、キッチンをより充実させていくというのもいいでしょう。
そして特別な日には大きなキッチンを最大限活用する。こうした状況が現代の理想像なのかもしれません。
いかがでしょうか。みなさんの家の日々の料理、どのように変わってきているでしょうか。

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