キッチン会議

パントリーをつくってみる。

コラム | 2016.3.14

「キッチン会議」では自分らしいキッチンを見つけ出すためのヒントを、
みなさんと真面目に、時には頭をやわらかくして話し合っていきたいと思います。
毎回コラムで話題を提供したり、建築家や専門家の意見を紹介したり、
アンケートを通してみなさんの暮らしぶりや考えをうかがったり。
さまざまな視点でキッチンを見つめながら、「キッチンの答え」を一緒に考えていきましょう。

キッチンはますます暮らしの真ん中に露出し始めています。オープンキッチンは確かに多くの人の憧れです。料理をしながら、お酒を飲んだり、人をもてなしたりするのは楽しいものです。一方でキッチンが家の真ん中に出てくればどうしても細々としたものが散乱した時に目立ってしまいます。いかに厳選してものを少なくしようとしても、料理にはいろいろな道具も必要ですし、好みのお皿も欲しくなります。最低限というわけにはなかなかいかないものです。そこで「パントリーを作る」ということを今回は考えてみたいと思います。扉の閉まる綺麗な背面食器棚を作るのもいいですが、費用は高く付くものです。そこで、別の小さな部屋を設けて、簡単に棚だけをならべて、食器や調理器具、乾物類や食材のストック類を収納してみるというのはどうでしょうか。また根菜類なども置けると便利です。こうしたパントリーがあるとキッチンは快適にそして綺麗に保ちやすくなるでしょう。ポイントは普段使いのものと来客時、または特別な料理に使うものとに分けることです。毎日使うものは最低限にして手の届くところに、また見せてもいお気に入りの道具などは外に出しておくのもいいでしょう。見せるものと隠すものを明確に分けることが大切です。お気に入りの道具に囲まれて料理をするのは気分のいいものです。料理好きな人にはもちろん便利なパントリーですが、たとえあまり料理をしない人でもこうした隠せる収納があることでキッチンはいつも整理されて、小さなキッチンでも十分になるかもしれません。
下の絵をごらんください。パントリーを作りながらキッチンとの関係を絵にしてみました。

180センチのキッチンです。少しコンパクトですが、その分背面に大きな作業カウンターやものをおくスペースを持ち、右奥にパントリーを作ってみました。キッチンの上はいつも綺麗に保ち、そして自慢の美しいキッチンをおいています。キッチンはまさに料理をする場所だけでなく、暮らしのシンボルとして家の真ん中に露出しています。

これはマンションなどでよくある配置ですが、キッチン奥にパントリーを設けてみました。キッチンの大きさは215センチ、こうすればキッチンの上部にも棚を設けなくても平気です。キッチン上部は何も置かなくてもいいですし、開放的な棚を設けて鍋などを露出して置くのもいいかもしれません。

これは壁付きキッチン(255センチ)の例ですが、壁付きキッチンは大きさも十分に取れて作業もしやすいのですが、収納が不足しがちです。そこで背面にカウンターを設け、カウンター下を収納に、さらにキッチンの右奥にパントリーを設けました。こうすれば料理をしながら、背面のカウンターで配膳をしたり、朝の食事や、気のおけない友人などならここで食事をしながら、料理をしながらというのも悪くありません。

いかがでしょうか。キッチンとパントリー、キッチンだけで収納を考えるのではなく、パントリーという部屋を考えて見る。そのことでキッチンをもっと暮らしの真ん中に置くことができるかもしれません。ぜひ参考にしてください。

*パントリーとはキッチンに隣接された食品庫、収納庫のことを言います。欧米ではキッチンに隣接された次の間的に使われることもあり、面積に余裕のある家では配膳などをする場所になることもあります。

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