キッチン会議

二極化する夫の家事参加夫の家事参加のアンケートから

コラム | 2017.8.30

「キッチン会議」では自分らしいキッチンを見つけ出すためのヒントを、
みなさんと真面目に、時には頭をやわらかくして話し合っていきたいと思います。
毎回コラムで話題を提供したり、建築家や専門家の意見を紹介したり、
アンケートを通してみなさんの暮らしぶりや考えをうかがったり。
さまざまな視点でキッチンを見つめながら、「キッチンの答え」を一緒に考えていきましょう。

先日の夫の家事参加についてのアンケートでは平日65.5%、休日72.9%の方が家事に参加しているという回答でした。かつてのような家事は妻がするものという考えはうすらいできているといえそうです。その理由としては共働き家族が増えていることは想像できます。今回のアンケートの属性を見ると平均で64.0%の人が共働きです。(2015年の政府統計では62%が共働き世帯でした) 特に30代、40代では8割近くにもなっています。年齢が高くなるとやめるというより、30代、40代の人が企業の制度が整ってきた時代の世代ということなのでしょう。

第1子出生年別にみた、第1子出産前後の妻の就業変化(年代別-5年ごと)

(出所) 国立社会保障・人口問題研究所 第15回出生動向基本調査(夫婦調査)

政府の統計をみても2010-14年では産後の復帰率は28.3%と高まっています。特に近年の出産後の時短の制度など企業の取り組みは女性の復帰率を高める理由にもなっているでしょう。
このように社会全体としては男女の雇用環境の差が縮まりつつはありますが、反対に家庭内においては変わらず「家事は妻の仕事」または「自分のやることではない」と考えている夫も多くいます。
今回のアンケートでも参加する理由は「共働きだから」、「押し付けてはかわいそうだから」の理由が1位、2位。一方参加しない人の理由1位は「時間がないので」で、「妻の仕事だから」は2位です。これは年齢によってもそう違いはありません。また専業主婦と共働きの家族の家事参加率をみてみてもそこには大きな違いはなく、年齢別にみてみると妻が専業主婦であっても家事への参加率が共働き家族よりも高い数値になっている場合もあります。

料理が好きな夫が増えている

家事参加の理由として料理が好きだからと答えている人が18.7%もいます。最近では多くの企業が定時内で業務を完了させるよう取り組んでいますので、その分家にいる時間が長くなっているのも理由の一つといえるでしょう。しかし家事をしなければならない事として考えるのでなく、料理を楽しみとして捉えているのは興味深い傾向です。家庭で料理を家族で楽しむことは成熟した社会の幸せ像のひとつといえるでしょう。

クロス分析「Q6ご主人に伺います。家事に積極的に参加している方、それはどうしてですか (複数回答可)」×「年齢」

夫にもっと家事参加してもらいたい

多くの方は夫にもっと家事に参加してもらいたいと思っています。手伝ってもらいたくないという人は平均では7.5%と少数です。年齢別にみると20代、30代、40代ではともに0%です。どちらとも言えない人はたくさんの理由があると思いますが、自由回答で見られるように、かえって大変になる、教えるのが大変、自分でやったほうが早いなどの意見もありますが、自分でやることで家事の大変さを理解し暮らしへの愛着が湧いてくるものだとも言えます。家事に参加しない夫への質問では、自由回答でやってはみたがうまくいかなかった、きっかけがつかめない、やり方が分からないなど気持ちはあるもののうまくできないという答えもありました。このあたり夫の家事参加のために妻の方も見守って、気持ちを盛り上げてあげる必要がありそうです。

二極化する家事参加のへ意識

今回のアンケートでは予想以上に家事参加の夫が増えているということは把握できましたが、一方で頑として「家事は妻がするもの」と考えている人も一定数いることは確かなようです。共働きが主流の社会とは言っても社会や企業には男性が家事をするための文化はいまだ育っていないことも実情です。こうした慣習を変えていく必要もあるでしょう。また今回のアンケートから兆しを読み取れるような、家事をやらなければいけないものとしてでなく、積極的に夫婦のコミュニケーションとして捉えていくのも解決の方法かもしれません。さらに高齢化する日本で男性が一人で暮らすというケースもこれからはふえるでしょう。まだ家事参加していないという方はまずやってみてはどうでしょうか、新しい気づきが生まれるはずです。成熟時代に向かいつつある日本の社会の中での家事についてみなさんはどのように思いますか。ぜひ参考にしてください。

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