キッチン会議

キッチンカウンターの上には何も置かない。

コラム | 2016.4.19

「キッチン会議」では自分らしいキッチンを見つけ出すためのヒントを、
みなさんと真面目に、時には頭をやわらかくして話し合っていきたいと思います。
毎回コラムで話題を提供したり、建築家や専門家の意見を紹介したり、
アンケートを通してみなさんの暮らしぶりや考えをうかがったり。
さまざまな視点でキッチンを見つめながら、「キッチンの答え」を一緒に考えていきましょう。

今回はキッチンカウンターの上の整理について考えてみようと思います。
以前調査でお邪魔したお客様の家での話です。このかたはキッチンカウンターの上に後片付けの後は何も置かないということを徹底していると言っていました。確かに何も置いてありませんでした。調味料どころか、洗剤もスポンジもです。毎回決まった場所にしまうと言います。カウンターの上は何かしらおきたくなるものですが、置いてあると知らないうちにまたひとつまたひとつと他のものが増えていってしまいます。毎回料理が終わったら全てを定位置に戻す。このことでキッチンはいつも整然となるものです。なんとなく便利そうと思うスポンジ置き場や、三角コーナー、鍋も道具もみんな手元に置きたいと思うかもしれません。しかし家の台所はレストランではありません。毎回リセットして料理をする。あえて面倒なことを丁寧にしてみることで、結果的にものが定位置にあり、実はそのほうが効率良く料理ができるものです。

キッチンのアンケートをとると、収納が足りない、物が置けない、作業スペースが小さいなどの意見が多く出てきます。しかしスペースには限りがあります。毎回定位置に仕舞えば、作業スペースも広く使えるものです。料理をしながら洗い物もし、つねに整理をしながら料理をするのです。

ある料理家は、料理のメニューが決まったら、必要な調味料、必要な道具、必要なお皿をその度ごとに定位置から持ち運んで料理を始めると言います。一見大変そうに思うのですが、その作業が料理の段取りを考え効率につながるというのです。使ったら元に戻す。洗ったらふいて元に戻す。そしてキッチンの上には何も置かない。当たり前のようなことですが徹底してみると料理もうまくなるような気がするから不思議です。綺麗になったカウンターの上なら掃除もしやすいしいつも清潔に保つこともできます。私たちの日常は、ついつい便利さを基準に考えがちですが、こうした考え方、ぜひ参考にしてください。

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