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イラスト

利用者視点で考える
視覚障害の
ある人

ひとことで「視覚障害」といっても、見る力(視力)、
見える範囲(視野)、色の見え方(色覚)など、
どの機能に障害があるかによりさまざまです。
さらに、視力に障害がある人でも、
まったく見えない状態(全盲)の人と
見えづらい状態(弱視)の人がいます。
全盲の人は主に触覚と聴覚で、
弱視の人はこれに加え視覚でも情報を得ています。
「目」から得られる情報が少ない(ない)中、
外出先のトイレをどのように
利用しているのでしょうか。

イラスト

視覚障害のある人の多くが
「一般トイレ」を利用

視覚障害のある人のパブリックトイレ利用状況に関する調査では、多くの人たちが、多機能トイレではなく「一般トイレを使う」と回答しました。

「多機能トイレ」と「一般トイレ」の
どちらを利用しますか?

画像:一般社団法人日本レストルーム工業会調査, 2015
  • 調査データ出典:一般社団法人日本レストルーム工業会調査, 2015

LIXILの調査では、多機能トイレを利用しない理由として、「空間が広すぎて、便器やスイッチの位置がわかりづらい」「鍵の開け閉めがわかりづらく、閉じ込められるようで不安」などの声があがりました。

多機能トイレを利用しない理由は?

画像:視覚障害者のパブリックトイレ利用実態調査, 2018(LIXIL)
  • 調査データ出典:視覚障害者のパブリックトイレ利用実態調査, 2018(LIXIL)

「一般トイレの場所探し」
「男女別入り口の認識」が第一関門

一般トイレの場所探しについて、89%の人が「困る」と回答。また、男女別入り口の認識については、86%の人が「困る」と回答しました。2000年度の調査から大きな変化は見られず、「一般トイレの場所探し」も「男女別入り口の認識」もまだまだ高い障壁になっていることがうかがえます。

一般トイレの場所探しで困ることはありますか?

画像:視覚障害者のパブリックトイレ利用実態調査, 2018(LIXIL)/ 視覚障害者の公共トイレ使用実態調査, 2000(INAX)

トイレの男女別入り口を認識するのに困ることはありますか?

画像:視覚障害者のパブリックトイレ利用実態調査, 2018(LIXIL)/ 視覚障害者の公共トイレ使用実態調査, 2000(INAX)
  • 調査データ出典:視覚障害者のパブリックトイレ利用実態調査, 2018(LIXIL)/ 視覚障害者の公共トイレ使用実態調査, 2000(INAX)

視覚障害のある人がトイレを探すときは「音」が頼り

全盲の人と弱視の人に、「公共施設におけるトイレの探し方」についてインタビュー調査を実施。最も頼りにしているのが「人に聞くこと」であり、「音声ガイダンス」「流水音」「ハンドドライヤー音」「足音」などの音も頼りにしていることがわかりました。(全盲の人6名・弱視の人6名 計12名にインタビュー)

公共施設でのトイレの探し方は?

全盲の人(何か音が流れていると、トイレの場所がわかりやすい。 女性の「ハイヒールで歩く足音」や「化粧品の香り」で女性トイレと識別。 男女別に、「短い音楽」が流れると入り口もわかる。) 弱視の人(音声ガイダンスは流れていれば、頼る。 慣れないところでは、まず人に聞くのが基本。 何回も男女を間違えて入った。男女別ピクトグラムを確認するが、小さくて見えない。)

音声ガイダンスがある場合、利用しますか?

画像:視覚障害者のパブリックトイレ利用実態調査, 2018(LIXIL)
  • 調査データ出典:視覚障害者のパブリックトイレ利用実態調査, 2018(LIXIL)
POINT

音によるサポートや
空間レイアウトの工夫

  • 複雑なレイアウトは視覚障害者のバリアになることもあるため、音声ガイダンスなどの配慮が望まれます。

視覚障害のある男性にとっては
“小便器探し”も障壁のひとつ

「小便器の位置を探すこと」「小便器の立ち位置を探すこと」については、弱視の人に比べて全盲の人がより困っていることがわかりました。実際に位置を把握する方法としては、全盲・弱視に関わらず、「白杖と手で触って確認する」 という人が多いのですが、 手の汚れを気にしたり、他の人に迷惑をかけないよう個室を利用するという声もありました。

小便器の位置を探すのに困ることはありますか?

画像:視覚障害者のパブリックトイレ利用実態調査, 2018(LIXIL)

小便器の立ち位置を探すのに
困ることはありますか?

画像:視覚障害者のパブリックトイレ利用実態調査, 2018(LIXIL)

小便器の探し方は?

全盲の人(小便器の位置を探すのは、白杖と声がけ。 汚したり、迷惑かけたりしないように、個室に入り座って用を足す。 小便器を触って、手が汚れたので、背面壁を触って、小便器との距離を確認している。) 弱視の人(「小便器があるな」と思ったら便器の上の方を手で触る。 便器の両端を触ってここが真ん中だとわかる。)
  • 調査データ出典:視覚障害者のパブリックトイレ利用実態調査, 2018(LIXIL)
POINT

視覚障害のある人に配慮した
小便器スペースの工夫

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  • 壁面と小便器の色のコントラストで、小便器の位置をわかりやすくする。
  • 小便器と小便器の間に仕切りを設けることで、壁面部に用を足してしまうことを防ぐ。
  • 手すりを設置することで、小便器までの距離を把握しやすくする。

「流し方がわからない」
多様化する大便器の洗浄方式

近年、パブリックトイレも、センサー式洗浄や自動洗浄といった“高機能化”が進みました。しかし、視覚に障害があると、洗浄方式の多様化や操作の複雑化によって戸惑うことも少なくありません。この課題の解決策として、「操作ボタンの位置の規格化」が重要なポイントになります。

ボタンやレバーを探すのに、
困ることはありますか?

画像:視覚障害者のパブリックトイレ利用実態調査, 2018(LIXIL)

自動洗浄で
困ることはありますか?

画像:視覚障害者のパブリックトイレ利用実態調査, 2018(LIXIL)

センサー式洗浄で
困ることはありますか?

画像:視覚障害者のパブリックトイレ利用実態調査, 2018(LIXIL)
  • 調査データ出典:視覚障害者のパブリックトイレ利用実態調査, 2018(LIXIL)

ボタン操作の複雑化も大きな課題

視覚障害のある人の7割以上が「流すボタンと間違えて、非常呼出しボタンを押してしまった経験がある」と回答しています。トイレの高機能化によって、操作ボタンが増え、その配置もトイレごとに異なるケースが多いため、 押すボタンを間違ってしまうケースも多いことがわかります。

間違えて「非常呼出しボタン」を押してしまった経験がありますか?

画像:視覚障害者のパブリックトイレ利用実態調査, 2018(LIXIL)
  • 調査データ出典:視覚障害者のパブリックトイレ利用実態調査, 2018(LIXIL)
POINT

わかりやすい操作ボタンとJIS配列

視覚障害のある人にとって、利用するトイレにより紙巻器や流すボタンなどの位置が異なることは、大きなストレスになります。そこで、多くの人にとって使いやすい紙巻器やボタンの配置を検証し、規格化されたのが「公共トイレJIS配列(JIS S 0026)」。配置の共通ルールを設けることで、視覚障害のある人はもちろん、より多くのトイレ利用者の混乱を解消することができます。現在、多機能トイレには普及しつつありますが、今後は一般トイレへのさらなる普及が求められています。

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LIXILでは、認識しやすい文字と、わかりやすい大きなボタンのリモコンをご用意しています。コントラストがはっきりした配色で、視認性のよいデザインです。

  • 一部対応できない商品もございます。

LIXIL User Survey Report
「視覚障害者への配慮」

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