テラス屋根を設置すると、窓際の温度上昇の緩和や雨除けなどのメリットがあるため、後付けを検討している方も少なくありません。
しかし、使用する素材によっては開放感がなくなってしまう可能性があり、テラス屋根をどのように選んだらよいのか分からないという声も多く聞かれます。
本記事では、テラス屋根の後付けする場合のメリットやデメリットに触れつつ、確認したい5つのポイントについて解説します。設置にかかる費用目安についても見ていくため、後付けを検討している方はぜひ参考にしてください。
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※記事内での費用はあくまで目安の金額で、住宅環境や情勢によって、費用が前後する可能性があります。実際の金額は施工業者にご確認ください。
日本大学工学部 建築学科 卒業。1988年から現在まで、ゼネコンから地元工務店で建築士としてで活動中。
【保有資格】目次
テラス屋根を設置すると、次のようなメリットがあります。
夏場の窓際は温度が上昇し、暑くなってしまいます。窓際の温度の上昇が気になる場合、熱線遮断タイプの屋根材を使用するとよいでしょう。室温が上がりにくくなり、エアコンの効率が良くなります。
また、テラス屋根は庭や窓際の雨除け対策にもなります。弱い風雨であれば、テラス屋根の内側に干した洗濯物は濡れません。急な夕立や梅雨の時期でも洗濯物が濡れにくくなるため、雨を気にするストレスもなくなるでしょう。
テラス屋根の素材によっては、開放感がなくなってしまう可能性もあるため、素材選びの際には注意が必要です。
外から家の中を見るときや家の中から外を見るときに、どうしても薄暗く感じてしまう場合もあります。
対策としては、次の2つの方法が挙げられます。
例えば、テラス全体を覆うパターンとテラスの一部のみを覆うパターンでは開放感に大きな違いがあるでしょう。慎重に屋根が必要な面積を検討し、必要以上に大きなものを設置しないことが大切です。
また、デメリットとして風や雪の影響を受けやすい点が挙げられます。強風や大雪に耐え切れず、屋根が飛んでしまったり、破損してしまったりする可能性もあります。
通常の風や雪には耐えられる設計になっているものの、必ずしも耐え切れるわけではありません。
風が心配な場合、耐強風タイプのテラス屋根や風よけのフェンスの設置をおすすめします。
大雪が降る地域の場合、積雪に対応するタイプを選択するという手もあります。しかし、耐積雪のタイプであっても積雪を放っておくと重みで破損するため、適切なタイミングで雪下ろしを行うことが大切です。
テラス屋根を後付けする場合、使用する目的を明確にしましょう。目的を明確に設定できれば、必要な素材やデザインなどのイメージを膨らませやすくなります。
また、お住まいの地域によっては暴風や積雪対策も必要になるでしょう。
ここでは、下記を中心に、テラス屋根を後付けする際のポイントを詳しく見ていきます。
テラス屋根を後付けする目的を確認しましょう。趣味を楽しむためか、温度上昇を抑えるためかによって、屋根の素材や形状は違ってきます。
例えば、ガーデニングを楽しみたい場合、木材を使用したテラス屋根を設置し、植物を絡ませるのも一つの手です。そうすることによって、藤棚のようなテラス屋根を楽しめるでしょう。
温度上昇を抑えるために設置したい場合、木材ではなく、遮熱性のある素材を選択する必要があります。
目的によって素材の機能性などを選択します。断熱性や透過率など重視したい機能を確認しましょう。
テラス屋根に使用される主な素材と特徴は次の3つです。
素材 | 機能・特徴 |
---|---|
ポリカーボネート |
|
セッパン(鋼板材) |
|
塩化ビニール |
|
近年では、ポリカーボネートが選択されるケースが増えてきています。日差しが入り込むため、洗濯物が乾きやすく、薄暗くなりにくい点が魅力です。
雪が降る地域の場合、積雪に強いセッパンを検討するとよいでしょう。
テラス屋根のデザインは、住宅と調和しているものを選びましょう。テラス屋根の柱は住宅のベランダやサッシの色と揃える点がポイントです。
グレーやホワイト、ブラウン系のカラーに揃えると、住宅の外観と馴染みやすいです。
風や雪の心配がある地域の場合、耐積雪や耐風圧の強度を確認してから選びましょう。
耐積雪量に焦点を当てると、一般的に次の3種類に分けられているため、住んでいる地域に合わせたタイプを選択することが大切です。
耐積雪量 | タイプ | 地域 |
---|---|---|
積雪100cm以上 | 豪雪地域対応タイプ | 日本海側の豪雪地帯など |
積雪20〜50cm程度 | 積雪地域対応タイプ | 一定量の雪が降る地域など |
積雪20cm未満 | 一般地域対応タイプ | 雪の少ない大都市圏など |
今まで雪が降らなかった地域でも突然大雪が降るケースも少なくありません。そういった場合に備えて、ワンランク上のタイプを選択すると安心です。
テラス屋根の素材や形状によって費用は変動するため、一般的な費用目安を見ていきます。
なお、工事費用は設置する施工業者によって異なるため、複数の業者から見積りをもらい、比較検討をする必要があります。また、材質や耐積雪・耐風強度、住宅環境によって本体費用や工事費用が変動するため、具体的な費用に関しては施工業者にご相談ください。
壁付けタイプの場合、テラス屋根の本体費用は5万〜9万円程度です。加えて、次のような工事が発生します。
工事内容 | 追加費用例 |
---|---|
支柱基礎工事費用 | 2万円 |
外壁固定費用 | 2万円 |
防水工事費用 | 1万円 |
約5万円の工事費用が発生するため、壁付けタイプのテラス屋根の場合、10万〜14万円程度の費用が目安になります。
独立タイプの場合、テラス屋根本体の費用目安は14万円程度です。また、次のような工事を行う必要があります。
工事内容 | 追加費用例 |
---|---|
支柱基礎工事費用 | 4万円 |
テラス屋根設置費用 | 2万円 |
6万円程度の工事費用が発生するため、独立タイプの設置費用の目安は20万円程度になります。
また、遮熱性や耐積雪の機能を追加したい場合、費用に追加料金が発生します。追加仕様と費用の目安は次の通りです。
追加仕様 | 追加費用例 |
---|---|
遮熱性 | 2万〜3万円 |
耐積雪 | 5万円 |
物干しパーツ | 2万円 |
テラス屋根を設置する目的に応じた仕様を選択しましょう。
本記事では、テラス屋根を後付けする際に気を付けたいポイントについて解説しました。
テラス屋根は雨よけや温度上昇を抑えるなどのメリットがあるものの、設置面積が大きすぎると開放感がなくなり、窓際が薄暗くなってしまう可能性があります。
薄暗くなってしまうのを避けるためには、施工業者に相談し、透明度の高い素材を使用したり、設置面積を小さくしたりするとよいでしょう。
また、テラス屋根は風や雪の影響を受けやすいため、風が強い・積雪が多い地域の場合、対策を講じる必要があります。
テラス屋根を後付けする場合、使用する目的だけでなく、地域の気候に合わせた素材を選択することが大切です。
一口にテラス屋根を後付けしたいといっても、使用する素材によって機能性が大きく異なります。
さまざまな素材があるため、プロの専門家に一度相談してみるのもよいのではないでしょうか。
LIXILの無料オンラインショールームでは、テラス屋根の後付けに関するご相談も受け付けています。使用する素材やデザイン、追加したい仕様などさまざまな疑問や悩みを気軽に相談できます。
また、オンラインで相談できるため、自宅から店舗に移動する必要はありません。
テラス屋根の後付けでお悩みの方は、ぜひLIXILのオンラインショールームをご利用ください。
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