新築時には考えていなかったけれど、フェンスや門扉を後付けで設置したいという方もいるのではないでしょうか。
フェンスや門扉を後付けで設置する場合、デザインや種類、施錠方法や開き方などさまざまな点を意識して検討する必要があります。
本記事では、フェンス・門扉のメリットとデメリットに触れつつ、後付けのポイントについて解説していきます。また、設置費用の相場も掲載しているため、ぜひ参考にしてください。
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※記事内での費用はあくまで目安の金額で、住宅環境や情勢によって、費用が前後する可能性があります。実際の金額は施工業者にご確認ください。
日本大学工学部 建築学科 卒業。1988年から現在まで、ゼネコンから地元工務店で建築士としてで活動中。
【保有資格】目次
フェンスを付けることで、目隠しや防犯の効果が見込めます。ただ、フェンスは目隠しになる一方で、開放感がなくなってしまう点がデメリットにあげられます。
ここでは、フェンスを付けるメリットとデメリットについて見ていきましょう。
フェンス設置による主なメリットは次の通りです。
また、地震等による倒壊の恐れがあるブロック塀を撤去し、より安全性の高いフェンスに改修するケースも増えてきています。
例えば、大阪市では一定の高さ以上のブロック塀を撤去し、フェンスに改修する費用を一部補助する事業を推進しており、人的被害の防止を図っています。
このように、フェンスは安全面においてもメリットがある設備です。
参考: 大阪市:ブロック塀等の撤去を促進する補助制度について
フェンスは視界を遮るため、開放感がなくなり、敷地が狭く感じてしまうケースも少なくありません。
また、次のようなデメリットもあります。
とくに、目隠し用のフェンスの場合、板と板の間隔が狭くなるため、通気性が悪くなる傾向があります。また、風の影響を受けやすくなることから、台風や強風によって倒れてしまう可能性が高くなるので、設置条件に注意しましょう。
門扉とは住宅と道路との境界として設置される門の扉です。ここでは、門扉を付けるメリット・デメリットについて詳しく見ていきましょう。
門扉を付ける大きなメリットは次の通りです。
子供やペットの飛び出しを防止する役割があるため、安全性が高くなります。
門扉は出入り口を開閉しなければ外に出られません。道路に出る前に、一度立ち止まるタイミングを与えるため、急に飛び出す危険性は少なくなるでしょう。
住宅への侵入を防ぐ効果も見込めます。不審者にとって建物へ侵入する際の障害物が増えるため、狙われにくくなるでしょう。
また、来訪者やセールスなど家族以外の人も同様に入りにくくなります。セールスが苦手という方にとっては嬉しいポイントといえるでしょう。
一般的に、門扉は1日に何度も開閉されるため、相応の傷みが蓄積されます。そのため、定期的なメンテナンスが必要です。
メンテナンスを行わないまま長期間門扉を使用していると、扉を吊っている金具(ヒンジ)が緩んで垂れてしまい、キーキーとした金属音が鳴る場合があります。金属部分の点検・メンテナンスは定期的に行うようにしましょう。
また、住宅が傾斜地や地盤の緩い土地の場合、門扉本体にズレが生じやすくなります。メンテナンスを放置して使い続けると、リフォームで交換しなければならなくなるため注意が必要です。
ここからは、フェンスの後付けの3つのポイントを見ていきましょう。ポイントを確認する前に、まずフェンスを後付けする目的を明確にすることが大切です。
一口に後付けといっても、既存のフェンスがなく新たに後付けするパターンと、既存のフェンスに目隠し用のアイテムを付けるパターンの2つがあります。
本項目では、既存のフェンスがなく新たに後付けするパターンに焦点を当てて解説していきます。
具体的なフェンスの後付けのポイントは下記の3つです。
フェンスを後付けする際には、まず周囲の環境に着目しましょう。隣接する家の日当たりを遮っていないか、境界を超えていないかをよく確認することが大切です。
場合によっては、隣人トラブルに発展するリスクも想定されます。そのため、隣人をはじめ、施工業者や土地家屋調査士に相談しつつ進めるとよいでしょう。
目隠しのためにフェンスを設置する場合、最適な高さを設計する点がポイントです。一般的に、大人の視線から隠せる高さは180〜200cm程度です。
しかし、必ずしも最適な高さが180〜200cmとは限りません。近隣と比べて圧迫感が出過ぎないように注意が必要です。
隣接する家のフェンスや見た目とのバランスを考慮しつつ、高さを設計しましょう。
フェンスのデザインや種類を選ぶ際のポイントは次の2つです。
せっかく設置するなら個性的なデザインがよいという方もいるでしょう。しかし、個性的なデザインや配色のフェンスを設置すると、悪目立ちしてしまう可能性があります。
統一感を持たせるには、フェンスは家の外壁と同色のものを選ぶことが大切です。
また、フェンスの主な種類と特徴を見ていきましょう。
項目 | 特徴・素材 | おすすめの家のデザイン |
---|---|---|
アルミ・スチール製フェンス |
・横向きライン ・縦向きライン ・格子タイプ ・ルーバータイプ等 |
・どのようなデザインの家にもマッチする |
和風・竹垣デザインフェンス |
・天然素材 ・樹脂製 |
・和風の家 |
木製フェンス |
・木製 ・人工木材 |
・ナチュラル風やカントリー調の家 |
目隠しとして設置したいけれど、自然光を遮りたくないという場合、ポリカーボネート板タイプのフェンスもあります。
それぞれ素材によって耐久性や値段、メンテナンス方法が大きく異なるため、施工業者と相談しながら決めるとよいでしょう。
フェンスと同様に、門扉も後付けする目的を明確にすることが大切です。目的を明確にし、次のようなポイントを確認していきましょう。
それぞれ詳しく見ていきます。
門扉の施錠方法は、大きく電気錠付・電気錠無しの2つに分けられます。
電気錠付の門扉は、専用のカードキーや暗証番号などで解錠します。カードキーを持っている方、暗証番号を知っている方、など限られた方のみしか解錠できないため、防犯性が高い門扉を考えている方はチェックしてみましょう。
電気錠無しの門扉で施錠する場合は、南京錠やワイヤーロック、シリンダー錠などが用いられます。自分で手軽に鍵を付けたい方はぜひ検討してみてください。
フェンスと同様に、デザインや種類を選ぶポイントは統一感があるかどうかです。住居と門扉を外から眺めた時の統一感や、庭やリビングから見た時に違和感のないようなデザインを選択しましょう。
また、種類に着目するのも選択肢の1つです。門扉にはさまざまな種類がありますが、ここでは人気の高い3種類を見ていきましょう。
種類 | 特徴 |
---|---|
アルミ製 |
【アルミ形材タイプ】 ・シンプル ・軽量で開閉しやすい 【鋳物タイプ】 ・デザイン性が高い ・価格が高い |
木製 |
・ナチュラルなデザイン ・手触りが優しい ・腐食が発生しやすい |
ステンレス |
・重い ・強度が高い ・長期的に使用できる |
それぞれメリットとデメリットがあるため、慎重に選ぶ必要があります。
また、開閉方法には片開き・両開き・引き戸の3種類があるため、設置個所や使い勝手を考慮して選びましょう。
レイアウトを選ぶ際には、門扉を開けたときの軌跡と門扉から玄関までの動線を考える点がポイントです。
詳細まで確認せずにレイアウトを決めてしまったため、門扉が建物や柱に当たって開かないというミスも起こる可能性があります。
ミスを起こさないために、レイアウトは経験豊富な施工業者と相談しながら検討するとよいでしょう。
フェンスの本体費用の目安は1枚(幅1m前後)で5千〜10万円程度と、製品や素材によって大きな差があります。
一概には言えませんが、施行幅1mあたりの費用の目安は、材料費や工事費込みで約7千〜4万円程度です。
住居の周囲を囲うとすると、かなり高額な設置費用がかかる可能性があります。
出来る限り費用を抑えたい場合、外からよく見える部分のみ良い素材を使用しましょう。外から見えにくい部分には比較的安い素材を使用すると、設置費用を抑えられます。
また、目隠しフェンスの場合、どの程度目隠しをするかによっても価格が変化します。
門扉の価格相場は開き方によって異なるため、次の表にまとめました。
開き方 | 価格例 |
---|---|
片開き(1枚扉を開閉) | 2万〜70万円 |
両開き(2枚の扉を左右に並べて開閉) | 5万〜120万円 |
親子開き(2枚のドア幅が異なる両開き※親扉のみを開閉させて片開きで使用) | 4万〜85万円 |
引き戸(扉を左右にスライドさせたり、アコーディオンのように開閉) | 9万〜70万円 |
※アルミ門扉・鋳物・電気錠付き門扉の金額例
上記に加えて、工事費用(目安3万〜5万円程度)が発生します。
本記事では門扉とフェンスを後付けする場合のポイントや価格相場について解説しました。
門扉やフェンスはデザインや種類によって特徴が異なり、施工費用にも大きな差があります。後付けして設置する場合、フェンスは隣接する環境を、門扉は定期的なメンテナンスを意識することが大切です。
また、デザインを選択する際にも注意が必要です。個性的なデザインの門扉やフェンスを設置してしまうと、悪目立ちしてしまいます。
門扉やフェンスを後付けする場合、住居の外壁と同色のものを選択し、統一感を持たせたデザインを検討しましょう。
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門扉やフェンスはデザインや素材などによって特徴も価格も大きく異なるため、プロに相談してみたいという方もいるでしょう。
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