おうち時間が増えたことで、家庭菜園づくりにチャレンジする人が増えているそうです。気軽にトライするなら、料理で使い終わった部分を水だけで育てる「リボーンベジタブル=再生野菜」がおすすめ。最近話題の「再生野菜(リボベジ)」の魅力と育て方をご紹介します。
「再生野菜(リボベジ)」の魅力は、いつもなら捨ててしまう食材を再利用できること。野菜のヘタや葉、芯などを水に浸けておくだけで、再び収穫して食べられます。
また、キッチンにグリーンがあると、空間がパッと明るくなります。お気に入りのガラスの器や色がキレイなお皿などで育てれば、ちょっとおしゃれなインテリアとしても活躍しますね。
土を使わないためキッチンカウンターの上に置いても汚れを気にせずにすみ、調理や洗いもののついでにサッと水を替えればいいので、お世話もカンタンです。
思い立ったらすぐに始められるのが魅力の「再生野菜(リボベジ)」ですが、育て方のポイントをご紹介しましょう。
「再生野菜(リボベジ)」は切れ端のなかにある栄養だけを使って成長します。そのため、あまりにもギリギリで切ってしまうと、育ちが悪くなります。また、成長点(植物がそこから伸びていくところ)を切り落とすと、再生はしません。新芽やわき芽が出てくる部分を残すようにカットしましょう。ちなみに、成長点が葉の上部にある野菜は「再生野菜(リボベジ)」には向きません。例えば、豆苗は成長点が根に近い部分にあるのに対して、カイワレ大根は成長点が葉に近い部分にあります。似たような形をしているからといって同じように育つとは限らないのが、「再生野菜(リボベジ)」の面白いところです。
切り花のようにたっぷりと水をいれた容器に漬けると、植物が腐ってしまう原因になります。「再生野菜(リボベジ)」の失敗の原因の多くは、水が多かったことによるもの。水は植物のカットした部分がふれる程度に薄く張るくらいで大丈夫です。特に、新しく伸びてきた部分は水に浸からないよう気を付けましょう。
植物が育つためには水と光が必要になるため、「再生野菜(リボベジ)」の容器は陽のあたる窓際などの明るい場所に置くのがおすすめです。
水が腐ってしまうことを防ぐために、水は毎日取り替えます。夏の暑い時期など気温が高い季節は1日2回は替えたいものです。その際、減っている分の水を足すのではなく、古い水を捨てて、新しい水を入れるようにしましょう。ヌメリなどがあれば、軽く洗い流しておきます。
腐ったりカビたりした部分をそのままにしておくと、新しく出てきた芽もダメになってしまいます。外側の葉などが水を含んでぶよぶよしたり黒ずんできたりしたら、水替えの時にその部分をこまめに取り除いておきます。また、それまで元気よく育っていた野菜が全体的に傷み始めたら、成長できる限界に達したサイン。収穫して美味しくいただきましょう。
ニンジンや大根、カブなどの根菜類は、葉を育てます。実は葉の部分にもビタミンやミネラルなどの栄養がたっぷり含まれているんです。例えば、大根の葉はβ-カロテンやビタミンC、ビタミンK、葉酸などが豊富で、特にβ-カロテンは普段私たちが食べている根の部分よりも多いほどです。その他、カリウムやカルシウムも根より葉に多く含まれます。根菜類はへたの部分をやや厚めに切り、へたの表面だけが水に浸かるようにして育てます。
その他意外なものとしては、キャベツやレタス、白菜なども育てることができます。芯の部分を水に漬けておくと新しい葉が出て、上手く育てれば結球することもあります。
ブロッコリーやサツマイモ、サトイモなどは、芽は伸びてきますが食用には適しません。観賞用として育ててみましょう。
ネギ、豆苗、パクチー、クレソン、ミツバ、小松菜、チンゲン菜、ホウレンソウ、ニンジン、大根、カブ、ラディッシュ、ニンニク、バジル、セリ、ルッコラなど
カイワレ大根、トマト、ナス、キュウリ、ピーマン、パプリカ、アスパラガスなど
育てた野菜はどれくらい経てば食べられるのでしょうか?
季節にもよりますが、ネギや豆苗なら10日~2週間後ほどで食べられます。小松菜やレタスなども2週間~1カ月経てば収穫できるでしょう。
水だけで育てるため、さすがに元の野菜と同じサイズまで育つことはありませんが、肉料理に付け合わせとして添えたり、味噌汁の具として使ったりする分には充分です。子どものおままごとのようなかわいい野菜たちをたくさん盛り合わせて、サラダにしてもいいですね。
豆腐の薬味としてネギを一本だけ刻んだり、スープに彩りが足りない時にニンジンの葉をちぎって乗せたりと、キッチンカウンターで野菜を育てていると便利に感じるシーンは、意外と多いものです。
まさに今捨てようとしている野菜の切れ端を水につければいいという感じで、気軽に始められる「再生野菜(リボベジ)」。お気に入りのカップやおしゃれな保存容器、デザインのきれいな空き缶など器にもこだわれば、素敵なインテリアにもなります。また、器をガラスにすると、野菜のグリーンがより鮮やかに映え、光が水の屈折を受けてキラキラと輝きながらキッチンの天板に降り注ぐ様子も楽しめます。
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