バルコニーの屋根の後付けで気を付けるべきポイント|タイプごとの費用相場も解説

屋根付きのバルコニーの画像

日よけや雨よけのために、バルコニーに屋根の後付けを検討している人もいるでしょう。

後付けの場合、設置費用だけでなく、法律・安全性の面から設置できる環境かを確認することが大切です。しかし、具体的になにを確認したらよいのか分からないという人もいるでしょう。

そこで、本記事ではバルコニーに屋根を後付けする際のポイントについて詳しくみていきます。

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※記事内での費用はあくまで目安の金額で、住宅環境や情勢によって、費用が前後する可能性があります。実際の金額は施工業者にご確認ください。

出口慎一

費用についての監修

出口慎一

日本大学工学部 建築学科 卒業。1988年から現在まで、ゼネコンから地元工務店で建築士としてで活動中。

【保有資格】
  • 一級建築士
  • 二級建築施工管理技士
  • 二級管工事施工管理技士
  • 宅地建物取引士
  • 福祉住環境コーディネーター二級

ベランダとバルコニーの違い

ベランダとバルコニーは住宅の2階以上に設置されている屋外空間です。2つの違いは屋根の有無によって判断されます。ベランダには屋根があり、バルコニーには屋根がありません。

また、利用目的も違いの1つです。一般的にベランダは洗濯物を干すスペースとして設置されます。バルコニーはベランダよりも広いスペースを確保し、くつろぐ空間としても利用するケースが多くあります。

しかし、空間の広さには明確な定義はありません。広い空間でも屋根が付いている場合、ベランダと呼ばれます。

バルコニーの屋根の後付けのポイント

バルコニーの屋根の後付けを検討する場合、費用だけでなく設置環境を十分に確認しなければなりません。設置場所の方角やスペースの確保、建ぺい率などいくつか気を付けたいポイントがあります。

ここでは、バルコニーに屋根を後付けする際のポイントをみていきましょう。

方角はどこを向いているか

設置予定の場所の方角を確認しましょう。

南または南東の場合、バルコニーの屋根の設置によって日差しや気温上昇を和らげられるため、遮熱対策として役に立ちます。

北または北西に設置する場合、日当たりが悪くなり、室内が冷えやすくなります。冬場は暖房費用が高額になる可能性も懸念されるため、北または北西方向への設置の際はその点を留意しておきましょう。

屋根が設置できる環境か

設置予定の場所が、屋根を設置できる環境かを確認しなければなりません。十分なスペースを確保できなかったり、建ぺい率に問題があったりする場合、屋根を設置できないため注意が必要です。

ここでは、屋根を設置するために必要な環境かを判断するための基準についてみていきます。

十分なスペースがあるか

屋根の設置に必要なスペースを十分に確保できるかをチェックしましょう。

たとえば、洗濯物を雨から守りたい場合、物干し竿は屋根の軒先から最低30〜50cm離す必要があります。

また、屋根を後付けする部分の軒から掃き出し窓までのスペースがあるかを事前にチェックしましょう。屋根を設置する場合、10cm以上のスペースが必要です。

建ぺい率は問題ないか

建ぺい率とは、敷地面積に対する建物の面積の割合です。建築基準法によって地域ごとに建ぺい率が制限されています。建ぺい率を超えた建物は建築できないため、バルコニーの屋根を設置する場合は、事前に計算が必要といえるでしょう。

建ぺい率の算出には、住宅を真上から見下ろした際に外壁から1cm以上突き出している部分が含まれます。そのため、出幅が1m以上あるバルコニーの場合、建築面積に含まれるため、注意が必要です。

建ぺい率の算出は素人では難しいため、施工業者に相談するとよいでしょう。

外壁に問題ないか

屋根は外壁に固定します。固定場所の素材がALC外壁材やタイル・レンガ貼りの場合、ヒビ割れや欠損が発生する恐れがあるため、取り付けが困難である点を知っておきましょう。

また、屋根の上に屋外スペースを設けるルーフバルコニーを設置したいという人もいるでしょう。ルーフバルコニーに設置する物干しやインテリアなどの重量は建築基準法で定められています。そのため、事前に耐荷重量や強度の確認をする必要があります。

持ち家か賃貸か

賃貸物件の場合、屋根の後付けには原則として管理人や大家の許可が必要です。

サンシェードやオーニングなど住宅を傷つけずに設置できる屋根であれば、確認せず取り付けられると考えている人もいるでしょう。

しかし、賃貸物件のバルコニーは共用部分であり、避難経路に設定されています。そのため、緊急時に安全に避難できるように、簡易的な屋根の取り付けも禁止されているケースがあるため、注意しましょう。

テラス屋根のタイプごとの設置・工事費用

フラット型のテラス屋根の画像

屋根として設置するテラス屋根の種類は、一般的に次の3種類です。

  • アール型
  • フラット型
  • ルーフ型

ここでは、それぞれの特徴と設置・工事費用の相場を解説します。設置・工事費用は一般的なバルコニーの出幅である885mmの場合の費用を参考にみていきましょう。

アール型

アール型は屋根の先端がRの形になっており、丸みを帯びている点が特徴です。ベランダを包み込むような形状になっているため、日差しや雨の吹き込みを防ぎます。また、丸みを帯びていることから、柔らかい印象を与えます。

アール型の場合、本体価格と設置・工事費用の相場は9万〜14万円程度です。

フラット型

フラット型は屋根先までまっすぐな形状のものを指します。先端が下がっていないため、開放感があります。しかし、雨が入りやすく、洗濯物が濡れやすい点がデメリットです。

フラット型の場合、本体価格と設置・工事費用の相場は9万〜13万円程度です。

ルーフ型

柱で固定せず、外壁に取り付けるだけのタイプをルーフ型と呼びます。柱がないため、ベランダを広々と利用できる点がメリットです。屋根の形は、アール型とフラット型どちらもあります。ただし、取り扱いメーカーが少ないため、選択の幅が狭くなるでしょう。

ルーフ型の場合、本体価格と設置・工事費用の相場は11万〜17万円程度です。

また、オプションとして屋根の素材を耐風圧・耐積雪や断熱・遮熱仕様に加工できるケースもあります。そういった場合の費用の例は次の通りです。

  • 耐風圧・耐積雪:5万円〜
  • 断熱・遮熱仕様:1万円〜
  • 前面・側面パネルの設置:3万円〜

オプションを追加する場合、本体価格と設置・工事費用にオプション料金が加わります。

屋根の取り付けには、費用以外に法律・安全性の面からの検討も必要

バルコニー屋根と家の外観の画像

バルコニーの屋根の後付けでは、設置環境を十分に確認する必要があります。設置スペースの確保や外壁に問題はないかを事前にチェックしましょう。

また、出幅1メートル以上のバルコニーに屋根を取り付ける場合、建ぺい率の算出に含まれます。建築基準法によって建ぺい率を超えた建物は取り付けができないため注意が必要です。

バルコニーの屋根の取り付けはLIXILにご相談ください

屋根の取り付けにおいて法律や安全性の面からの検討が必要と理解できたものの、どのように対応してよいのか分からないという方もいるでしょう。

中でも、建ぺい率の算出は専門的知識がない方にとっては難しいといえます。そもそも、設置する屋根が建ぺい率の算出に含まれるのか分からないという方も少なくありません。

LIXILのオンラインショールームでは、バルコニーの屋根の取り付けに関するご相談も受け付けています。スペースの確保や建ぺい率、外壁に問題がないかを確認した上で、おすすめの商品をご紹介します。

また、オンラインのビデオ通話を活用するため、自宅のバルコニーや設置環境を確認しながら相談できる点も魅力です。

屋根の取り付けでお悩みの方は、ぜひLIXILのオンラインショールームをご利用ください。

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