柘植審査委員長総評

LIXILフロントコンテストは今年で30回を迎えた。
過去の受賞作品を振り返って見ると圧倒的に商業施設に関わる優秀作品が多数を占めている。
これは商業が店と顧客、商品と客、との関係性のなかでフロントを介して商品を訴求する原理に基づくものであり、これが活気に満ちた都市環境をつくるからである。
LIXILフロントコンテストはこうした評価基準を重視することで結果的に商業施設が多く受賞してきた。
ところが近年商業施設以外の施設や建築用途の受賞が散見される。
今年は駅舎や駅の渡線橋など交通施設に優れたデザインが見られた。
またここ数年では教育施設や福祉施設、更に文化施設や業務施設など建築における様々な用途に贈賞している。
これら受賞作に共通するのが、外部空間と内部空間や、個人と社会など、建築によって仕切られた異なる要素をその境であるフロントにより繋ぐことが重要であるという理念である。
言葉を変えるとコミュニケーションを促すという普遍的な社会機能である。
昨年度総評では企業の社会貢献の視点からこの関係性に言及したが、より広い意味において再度社会の関係性を重視することは重要である。
情報通信テクノロジー革命が進行するなか、実空間における人、物、環境のインターフェイスや関係性を如何にデザインするかが問われる現代社会において、フロント材の新たなデザインが商業のみならず、様々な領域に広がりこのコンテストを通して新たなフロントの啓発に期待したい。

小規模施設部門

大規模施設部門

特別賞

優秀加工店賞

  • 北海道(株)北新アルミ工業 様
  • 宮城県(有)成和フロント工業 様
  • 新潟県(有)三和建商トーヨー住器 様
  • 埼玉県武蔵建材工業(株) 様
  • 千葉県サンアルミ建材(株) 様
  • 東京都平澤建装(株) 様
  • 神奈川県(株)渡辺サッシ工業 様
  • 静岡県スルガフロント(株) 様
  • 愛知県トヨハシフロント(株) 様
  • 大阪府(株)信田屋 様
  • 大阪府丸山アルミ建材(株) 様
  • 広島県(株)新生サッシ 様
  • 鹿児島(株)匠 様