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2022-23年

グランプリ

イオンモール豊川

受賞企業

施主
イオンモール株式会社 様
設計事務所
清水建設株式会社 様
建設会社
清水建設株式会社 様
加工店
トヨハシフロント株式会社 様
スルガフロント株式会社 様

講評

商業施設は様々な建築用途の中で最も社会性が強い。住宅、業務、文化施設等々多くの建築が特定の人を対象とする閉鎖性が強い用途であるのに対し、商業施設は不特定多数の人を対象とし、社会に開かれ、誰でもアクセスができる。

都市・建築学史上イタリアに有名な地図がある。「ジャンバチスタ・ノリの地図」と呼ばれるもので、アクセサビリティによって領域を分類、記述した地図である。その場所が公に対して開かれた場所であれば白、閉じられていれば黒で塗り分けることで、都市の構造を図と地で表象したものだ。この中で興味深いのは商業の原点である「市場」が道路や公園と同じく公の領域として分類された点である。古来商業の場は誰でもアクセスできる公共空間として機能していた。しかし現代の商業施設は、効率追求のために閉鎖的になり、中の活動が見えにくくなった。

これを改善すべくイオンモール豊川は公共性を重視して、開口を最大化することで商業本来の店を、見せ、魅せる意図が読み取れる大胆な開口をデザインした。最近の商業施設はパークPFIを活用した公園や緑地を併設するなど、商業用途以外の様々な活動やイベントと連携して施設内外をつなぐなどその関係性を良好なものにする事例が散見できる。多くの商業施設が衰退する現代において、開放性の高い商業施設、SCとして施設内の様々なコンテンツを近隣街区に訴求して、更に外部から不特定多数の人々を大きな開口へ招き入れることは、経済性のみならず、地域社会の活性にも貢献する。それを可能にするのがフロントサッシ(店舗用建材)による開口部を最大化するデザインである。昨今商業施設の再活性化ニーズが高まる中、今後の複合商業施設の再開発モデルになり得ることが期待できる。こうした点を高く評価してグランプリに選定した。