こんにちは。「飛騨産業」HIDA東京ミッドタウン店の河井です。
今回のコラムでは、HIDAでも長年取り扱っている木材「ホワイトオーク材」についてご紹介したいと思います。
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堅くて丈夫な木材、ホワイトオーク材の魅力。
「オーク」と聞くと、樫(カシ)の木をイメージされる方が多いのですが、実はホワイトオークとはブナ科コナラ属(オーク)コナラ節の落葉広葉樹の総称を指します。
「ナラ」「ミズナラ」「カシ」「カシワ」などがこれに該当し、重厚で堅く、木目が真っすぐで独特の存在感があります。
飛騨産業では、主に樹齢100年前後の北米産ホワイトオーク材を使用しています。
堅くて丈夫な上に曲木など加工にも適しているため、チェア・テーブルはもちろん、チェストやキャビネットといった箱もの家具から、ベッドフレームまでさまざまな家具に使用することができます。
「HIDA」のコンパクトで軽快、空間を広く使える“こぶりな” 家具の「cobrinaシリーズ」にも、ホワイトオーク材が使われています。
カラーバリエーションが豊富なのも特徴で、「cobrina」のチェアはグレー・ブラックといったカラー塗装のほか、ナチュラルな色味のラインナップも。
ホワイトオーク材の個性的な木目「虎斑(とらふ)」
化粧合板などとは違い、ホワイトオーク材の天然木の木目や色味はさまざまです。
例えば、一本の幹の中でも「心材」と呼ばれる幹の中心部は色が濃く、「辺材」と呼ばれる外側の部分は色が薄く、同じ幹でも色が異なります。
また、木目の中でも装飾性が高く美しいものを杢(もく)と呼んでいます。代表的なものがホワイトオーク材に現れる虎斑(とらふ)。
直線的な木目が特徴である柾目(まさめ)材にのみ出る模様で、光沢があり、シルバーグレインと呼ばれて珍重されています。
杢は天然の木材であると同時に、良質な木材である証なのです。
ホワイトオーク材の虎斑だけではなく、天然木の木材にはその他にもさまざまな特徴があります。
木材に個性ある表情を与える「小節・葉節」
天然木ならではの特徴のひとつに「小節・葉節」があります。
木は成長とともに小さな枝を落とし、大きな枝へと変わってゆきます。しかし幹の中には枝の芯である「節」が残っています。
幹が大きくなるにつれて「節」は表面から内側に入り込むので、製材することで表面に現れてくるのです。
この節が「小節・葉節」と呼ばれるもので、製材した後の加工の段階で現れることもあります。
従来は節の入った材料は家具用材としては使用されていませんでしたが、飛騨産業では節も個性のひとつだと捉えて有効活用しています。
長く使って味わい深く育てる「経年変化」
無垢の木は、時間が経つほどに味わい深い表情となる素材です。使い込むうちにゆっくりと色が変化していきます。このような材色の変化も、天然木の魅力と言えるでしょう。
経年変化を楽しむためには、家具と長く付き合うためのちょっとした気づかいが必要です。
少し手がかかるかもしれませんが、「コップなど水分のあるものは直接置かない」「熱いものは直接置かない」など、日常の中で意識することで家具はとても長持ちします。
素材を知って、最適な家具選びを
ホワイトオークは天然木の個性が存分に発揮される木材。
木のぬくもりを近くに感じたい人にはぴったりの材料ですし、どんなテイストのお部屋にもなじみやすいと思います。
また、今回さまざまな木材の特徴を紹介しましたが、天然木は貴重な森林資源。
一般的に原木から家具になるのはわずか30%と言われています。
そのため、飛騨産業ではかつて家具用に使われていなかった「虎斑」や「小節・葉節」を含む材料も、品質に影響がない限りは商品として完成させています。
地球環境を保護するためにもご理解いただければうれしいです。
木材の種類と特徴をしっかりと知って、自分に合った家具を選んでみてくださいね。
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