TECHNOLOGY

『FORCE CARBON』は、
CFRPを建材に適用・展開するため、
これまで研究開発を進めるなかで
蓄積されてきた
LIXILが持つ
技術・ノウハウの総称です。

「軽くて、強い」CFRP

LIGHT AND STRONG

『FORCE CARBON』の“CARBON”とは、カーボンファイバー(炭素繊維)に樹脂を染み込ませ成形加工した複合材料である「CFRP(炭素繊維強化樹脂)」を指します。

CFRPの最大の特長は「軽くて、強い」という点であり、その特長を生かしてさまざまな製品に使用されています。アルミと比較すると重さは約1/2、比強度は10〜20倍、比剛性は3〜10倍であり、そのほかにも振動減衰性、耐腐食性、そして耐薬品性に優れるといった特長を有しています。

幅広い業界で活用

ACROSS INDUSTRIES

CFRPは、一般的な金属やプラスチック材料では両立が困難とされる軽さと強度を併せ持つため、さまざまな業界で活用されています。たとえば、スポーツの分野において、ゴルフシャフトやテニスラケット、さらにはロードバイクなどに活用され、プレイヤーのパフォーマンス向上や疲労低減につながっています。

また、自動車や航空機、人工衛星などは、重量をより軽くし低燃費化することが求められています。そうした業界でも、軽くて強いカーボンの活用が当たり前となっています。

『FORCE CARBON』とは

WHAT’S FORCE CARBON?

LIXILは、これまで画一的であった建材に対し、既成概念を超え新たな価値の創造へ向けたチャレンジを始めました。そのなかで、軽くて強い、自由な造形が可能なCFRPに着目し、建材に適用・展開するため研究開発を進めてきました。そこで蓄積された技術・ノウハウの総称が『FORCE CARBON』です。

『FORCE CARBON』を構成する主な技術要素には、CFRPを効率的に使用するための「構造解析技術」、そしてアルミなどの異素材と組み合わせる「異素材複合化技術」などがあります。

構造解析技術

CFRPは優れた特長を有していますが、建材としてCFRP単独で使用することは困難です。

そこで、LIXIL独自の構造解析技術を活用し、アルミやガラスといった異素材と組み合わせることにより、CFRPの効果を最大限に発言させることを可能にしました。

異素材複合化技術

マルチマテリアル構造においてカーボンの特長を最大限に生かすには、接着が適した接合方法です。しかし、異素材同士の接着においては各素材の熱膨張率が異なるため、温度変化により接着剤が剥がれる恐れがあります。

そこで、カーボンの効果を最大限に発現させるとともに、温度変化だけでなく、屋外環境においても高い耐久性を有する接着技術を開発しました。

PRODUCTS

プラスG ロングアーチ

間口10mのロングアーチを、高さ150mmと非常にスリムな桁で実現することを目指しました。それをアルミだけで実現しようとすると、桁がスリムなため設置環境でかかる荷重を支えきれず、桁が大きくたわんでしまいます。サイズを変えずにたわみを抑制しようとしても、桁自体の重量が上がり、結果としてたわみは大きくなってしまいます。

そこで、構造上たわみが大きくなる場所と、桁に求められる性能を、構造解析技術を駆使して導き出しました。その結果、2本の桁を繋ぐアルミスリーブをCFRPで補強することで、桁の重量を上げることなく、性能を向上させることに成功。住宅や自然と調和した、スリムなロングアーチを実現できました。

PANORAMA WINDOW SEAMLESS

今までの窓では実現できなかった、面一構造かつ究極のノイズレスを実現するパノラマウィンドウの実現を目指しました。框を極限までスリムにしつつ、窓の断熱性能を求めるには、框の材質はカーボン以外に選択の余地はありませんでした。

さらに、窓としての耐風圧性能を出すためには、CFRP製の框とガラスを接着する必要がありますが、それぞれ熱膨張率が大きく異なるため、その差を吸収しなければなりません。そこでLIXILは、接着剤のわずかな厚さで熱膨張率の差を吸収可能な接着技術を開発。これにより、スリムで高耐久なパノラマウインドウを実現しました。

パーティション Concept F

金属や樹脂は製法の都合上、平面的な形状を安定的に成形することに長けています。CFRPの原料である炭素繊維はさまざまな表現を形にすることが可能であり、画一的になりがちだった建材に豊かなデザイン性を与えることが可能となります。

自然の中に溶け込むランダム性と柔らかなデザインだけではなく、高い強度により建材としてのスペックを併せ持つ、これまでにないパーティションを実現しました。