2021.10
日本は台風の通り道に位置しているため、被害を受けやすい国です。日頃、「台風が接近している」と知ってからどのような対策をしていますか?
日常での台風対策や、台風が来るとわかってから上陸・通過するまでの対応についてご紹介します。飛来物による被害を受けやすい窓への対策も掲載していますので、いざというときに備えてぜひご覧ください。
台風対策の重要性
気象庁の台風統計資料によると、台風は年間で約25個発生しており、そのうち日本には約3個の台風が上陸しています。これは世界でも有数の上陸数です。日本においては7月から10月にかけて発生・接近・上陸が最も多くなり、この時期に台風による被害が集中しています。また、近年の傾向として、2008〜2013年の台風の上陸数は平均1.7回でしたが、2014〜2019年では4.7回となっており 2倍以上の推移となっています。地球温暖化による、台風の勢力増大の可能性も予想されていることから、改めて台風対策が重要になってきています。
台風が原因で起こる災害
海に囲まれた島国かつ山や谷、崖が多く起伏にとんだ地形である日本は、台風に起因した二次災害が起きやすい環境と言えます。上記の災害は単体でも脅威ですが、風害と水害が同時に起きることでより大きな被害を生むので注意が必要です。
風害:台風の右側に注意
台風の発生時には強風や暴風といった風害が起きます。特に、台風の進行方向の右側は、強い風が吹きやすいため、注意が必要です。これは、台風が移動する速度によって発生する風と、台風自体が持っている反時計回りの強風が合わさるためです。
水害:想定外の浸水に注意
風害に加えて、高潮や洪水、波浪害と言った水害にも注意が必要です。特に海や湾に面した地域では、低気圧による海面上昇、暴風による波浪・高潮など複合的な要因により、大波が発生することも。また、アスファルト舗装が進む都市部においても、雨量が用水路や下水道の排水能力を超えてしまうと排水しきれずに溢れてしまい、近くに河川がなくとも浸水被害が発生することがあります(内水氾濫)。
平常時の台風対策
台風に備えて日ごろから対策をしましょう。まずはお家まわりの点検から始めてはいかがでしょうか。万が一の際、思わぬ被害にあわないよう台風対策のポイントをご紹介します。
1自宅の点検・補修
屋根瓦がずれたり割れたりしていないか |
外壁やブロック塀に割れや傾きはないか |
雨どいの固定はできているか、接合部分は外れていないか |
窓、網戸の外れ止めは正しくセットされているか |
シャッターや雨戸がスムーズに開閉できるか、ロックはかかるか |
プロパンガスボンベは倒れないようにしっかり固定されているか |
側溝や排水溝の水はけはよいか。枯れ葉や泥がつまっていないか |
平常時に、屋根・外壁・シャッター・雨戸など家を守る設備に異常がないか確認し、メンテナンスしておくことは台風対策として非常に重要です。具体的なチェック項目を上記にまとめましたので、確認してください。
見落としがちなのが、屋上やバルコニーの側溝や排水溝です。落ち葉やごみが排水溝をふさいでしまうと、プールのように水が溜まってしまうことも。溜まった雨水があふれて、お部屋の中に雨水が入ってきたり、階下に水漏れを起こしてしまう可能性があります。また、雨どいも詰まりがないように清掃しておきましょう。雨水が雨どいからあふれて敷地が水浸しになったり、水の重みで樋が破損することも考えられます。
平常時から定期的に点検を行い、自宅を良好な状態に保ちましょう。
【災害対策リフォームの検討も】
■シャッターや雨戸の設置
■屋根の台風対策
■風に強いカーポートの設置 など
点検の結果、自宅の災害対策に不安を感じた時は設備を強化することで、家族の安全を守ることができます。
特に、「窓」がポイントになります。暴風による飛来物から家を守るために、窓ガラスにダンボールや養生テープを貼る対策は十分ではありません。しっかりと「窓」を守るには、シャッター・雨戸を設置することが効果的です。1階はもちろん、2階の窓にも取り付けできるので、寝室や子供部屋などピンポイントで設備強化することも可能です。
その他にも、屋根材(瓦など)の固定を強固にすることや風に強いカーポートを設置することも台風対策に有効です。大切な家族や家財を守るために、ぜひ、災害対策リフォームをご検討ください。
2防災アプリなど情報ツールの利用者登録(ブックマーク)
防災アプリへの利用者登録や防災WEBサイトへのブックマークなどを行いましょう。具体的には下記をはじめとしたものが挙げられます。
■気象庁ホームページ
■キキクル(気象庁)
■NHK防災アプリ など
災害時は、確実な情報を適切なタイミングで得ることが非常に大切です。危険が差し迫った時に速やかに災害情報を取得できるよう事前に設定を済ませておきましょう。自動で災害情報についてメッセージを受け取る設定にしておけば、更に安心です。
3避難時持ち出し品の準備
いつでも避難できるように、普段から持ち出し品をリュックサックなどに入れて台風に備えます。以下の表に避難1日目を凌ぐ最低限の物品(一次持ち出し品)をまとめました。高齢者や赤ちゃんがいるなど、家族構成によって特別に用意するものがあるので注意しましょう。
食料品 | 乾パン・クラッカー・レトルト食品・缶詰など |
飲料品 | 水(1人1日3リットル)を目安に |
衣類 | 下着・タオル・寝袋・雨具・軍手・靴 |
非常用具 | ヘルメット、防災頭巾、懐中電灯、ナイフ、缶切り、着火剤、除菌シート、筆記用具 |
その他 | お金、身分証明書、印鑑、予備の眼鏡、入れ歯、処方箋、マスク、消毒液、生理用品、ティッシュペーパー、おむつ、粉ミルク、離乳食など |
4生活必需品の備蓄
台風が上陸した場合、電気や水道、ガスなどのライフラインが止まる恐れがありますので、生活必需品を備蓄しましょう。家族の人数に合わせて、最低3日分を目安に用意をしましょう。赤ちゃんがいる家庭は、普段から粉ミルクや離乳食、おむつなどは多めに備蓄しておくと更に安心です。また、生活用水の使用を少なくするために携帯用トイレやドライシャンプーも準備しておくと便利です。
水 | 水(1人1日3リットル)を目安に |
非常食 | ご飯(アルファ米など)、ビスケット、板チョコ、乾パン、缶詰など |
生活用品 | 懐中電灯、ラジオ、乾電池、トイレットペーパー、ティッシュペーパー、マッチ、ろうそく、カセットコンロなど |
また、高層マンションの上層階に居住している方は、特に、生活必需品を多めに備蓄しておくことをお勧めします。台風や二次災害でマンションの非常用電源が故障すると、エレベーターが停止し、生活用品の運搬が困難になる場合があります。可能であれば7日分以上の備蓄をしておくと良いでしょう。
5避難場所の確認
自宅周辺に河川や海、低地または急斜面地がある場合は、氾濫・土砂災害に注意が必要です。必ず防災マップ(ハザードマップ)を入手して避難経路・場所を確認しておきましょう。防災マップは市役所や公民館で配布されているほか、各自治体のホームページでも見ることができます。防災マップを確認しながら、実際に避難経路を歩いておくと安心です。
6マイ・タイムラインの作成
マイ・タイムラインとは、避難に備えた行動(防災行動計画)をあらかじめ決めておくものです。台風の接近時など災害リスクが高まった時に、どういうタイミングでどんな行動をとるか家族と一緒に考えておきましょう。マイ・タイムラインのシートは各都道府県や市区町村のホームページからを入手することができます。
【避難開始のきっかけを決めておく】
(例)警戒レベル3が発令されたタイミングですぐに避難を始める
(例)避難所が開設されたらすぐに避難しよう など
災害時は、危険が差し迫っているにもかかわらず「自分は大丈夫」と思い込んでしまう、「正常性バイアス」という心理が働きやすくなります。避難を始めた時に逃げられないほど状況が悪化していたということがないよう、避難開始のきっかけを家族と話し合い、マイ・タイムラインに書きこんでおきましょう。
避難時には、ハザードマップを確認しながら具体的な被災状況を確認しましょう。また、「早めに避難する」ことも大事なポイントです。ただし、夜間の避難になる場合や、道路が冠水している場合、強風豪雨が激しく移動することが危険と感じる場合は外に出ることは見合わせましょう。家屋の上階や近所の丈夫で高い建物に留まった方が安全な場合があります。
台風が来るとわかったとき(2〜3日前)の台風対策
台風の被害を最小限に抑えるためには、事前に対策をすることが何より大切です。台風が来るとわかったら、すぐに行動し、雨風が強くなる前に万全の体制をとっておくようにしましょう。
1窓ガラスの飛散防止対策
飛来物によって窓ガラスが割れると、二次被害を生みかねないため対策が必要です。窓の外側にシャッターや雨戸があれば安心です。正常に開閉できるか確認しておきましょう。シャッターがついていなければ、窓の外側にベニヤ板を貼る方法や、窓ガラスに飛散防止フィルムを貼る対策も有効です。
なお、台風上陸まで時間がない状況で、シャッターや雨戸がなく、飛散防止フィルムも用意できない場合は、応急処置として段ボールやガムテープを窓に貼り付けます。具体的な方法は、「窓の台風対策4選」でご紹介します。
2非常時における電動シャッターや電気錠の操作方法の確認
停電が起きた際、電気シャッターや玄関ドアの電気錠が正常に作動しない可能性も考えられます。停電時の操作方法を確認しておきましょう。加えて、停電から復旧した際の再設定方法や、設備異常が起こった際にすぐに問い合わせができるよう、メーカー連絡先もチェックしておくことが大切です。
3強風で飛んでいきそうな物の格納・固定
植木鉢や物干し竿などは、風で飛ばされると二次被害を生む可能性があります。屋外の風で飛ばされそうな物は室内に移動させておきましょう。また、網戸がサッシから外れて飛んでいかないように、網戸の外れ止め部品が正しくセットされているかも確認しておきましょう。
プロパンガスはチェーンやバンドで繋がれているか確認します。移動が困難な物置小屋やエアコン室外機なども、支柱や重りでしっかりと固定してください。
4玄関に土嚢や水嚢を用意
玄関の造りによっては、強い風雨が吹き込んだときにドア本と枠の間から雨水が浸入することがあります。玄関や勝手口は、土足や濡れた靴で入ることを想定した土間仕上げのため、サッシのような水密性能はありません。浸水を防ぐためにも、玄関に土嚢や水嚢を用意しましょう。
5ベランダや屋上排水口、雨どいの確認
日頃から定期的に点検を行っている方も再度ゴミや落ち葉の詰まりがないか確認しておきましょう。排水溝や雨どいの詰まりは、浸水や雨漏りの原因となってしまいます。
6台風情報の確認
警戒レベル | 発表元 | 状況 | 取るべき行動 |
---|---|---|---|
レベル1 | 気象庁 | 早期注意情報の発令 今後気象情報が悪化する可能性がある |
状況・避難行動の確認 |
レベル2 | 気象庁 | 大雨・洪水・高潮注意報発令 気象状況が悪化している |
状況・避難行動の確認 |
レベル3 | 市区町村 | 高齢者等避難の発令 災害が起こる可能性がある |
高齢者・障がいのある人の避難開始。 高齢者や障がいのある人以外も、避難準備を開始する。危険な場合は自主避難を行う。 |
レベル4 | 市区町村 | 避難指示の発令 災害が起こる可能性が高い |
全員、安全な場所へ避難する。 |
レベル5 | 市区町村 | 緊急安全確保の発令 災害が発生中または極めて危険な状況 |
レベル5ではすでに安全な非難が不可能。レベル5になる前に必ず避難する。 |
接近している台風の情報をこまめにチェックしましょう。台風の位置や雨・風の規模、警戒レベルを確認してください。警戒レベルが1や2のときは気象庁から発表されます。
一方、警戒レベルが3以上になったときは避難指示が市区町村から発令されます。基本的には、レベル3で「高齢者等避難」、レベル4で「全員避難」となります。しかし、安全のためにもレベル3の時点で高齢者以外の人も、普段の行動を見合わせる、避難の準備を始めるなど、自分の身を守るための行動を始めましょう。
最大の警戒レベルである5は、既にどこかで災害が発生し、切迫している状況です。ただし、市区町村が災害の状況を確実に把握できないという理由で、必ず発令される情報ではありません。市区町村からのレベル4、レベル5の情報発令を待って避難をするのではなく、レベル3以下の状況でも避難したほうがよいと感じれば、すぐに行動しましょう。
台風が来る直前(前日・当日)の台風対策
台風が来る直前は、基本的に外出しないようにしてください。自宅が浸水想定区域や土砂災害警戒区域に入っている場合や、高齢者などサポートが必要な家族がいる場合は、雨風が強くなる前に避難をすることも検討しましょう。
1戸締り
ドアや窓がしっかりと施錠されているか確認します。庭に小屋やガレージなどがある場合は、そちらもチェックしましょう。なお、風圧によって窓・サッシのレール(下枠)に雨が吹き込んで水が溜まることもありますが、住宅用サッシの構造上起こりえることです。
ただし、猛烈な雨風が直接窓に当たるような環境では、サッシの水密・気密性能を超えてしまい、サッシレール(下枠)から室内側に水があふれることも考えられます。吸水シートやタオルなどを敷いて対策をしておきましょう。
【シャッター、雨戸も忘れずに】
ロックがかかっているかを忘れずに確認しましょう。また、暴風の中、外の様子を見るためにシャッターや雨戸を(少しでも)開けることは危険ですのでやめましょう。
2門扉の固定
カーポートなどの跳ね上げ門扉(オーバードア)は、扉を上げたままにせず必ず下におろし、ロックを掛けましょう。また、伸縮性門扉は耐風圧強度がありますが、変形や転倒を防ぐために完全にたたみ、ロープなどでしっかり固定しましょう。
3床上浸水への対策
浸水の可能性がある場合は、貴重品や家電を上階へ移動させておきましょう。また、家電製品はコンセントを抜き、ブレーカーは落とします。また水に浸かってしまったら、乾いた後でも通電はNG。漏電や発火の恐れがあります。
4生活用水の確保
台風による影響で、断水も考えられます。飲料水とは別に、生活用水も確保しておきましょう。断水時のトイレや食器洗いで役立ちますので、お風呂の浴槽やバケツ、洗面器などに水を張るなどして蓄えておきましょう。
尚、1人が1日に使用する生活用水の量は約300Lといわれています。1回のトイレを流すだけでも5〜10Lの水が必要です。
※浴槽などに溜めた水は食中毒の原因にもなるので、絶対に飲用には使用しないでください。
5食事や入浴を早めに済ます
台風が接近しているときは、いつ停電や断水が起こるかわかりません。断水が起きてからのお風呂や食器洗いは、せっかく確保していた生活用水を早急に消費することになってしまいます。停電や断水に備えて食事や入浴を早めに済ませましょう。
6事前に決めたマイ・タイムラインを確認する
事前に決めたマイ・タイムラインを確認し、状況に応じた対応がとれるよう、見通しを立てておきましょう。小さな子供や高齢者、持病がある人、ペットがいるなどいろいろな家族があります。災害時、それぞれの家庭が適切なタイミングで適切な行動をとるには、冷静で客観的な判断力が何より大切です。そのタイミングを見逃さない為に、マイ・タイムラインは事前に検討しておき、すぐに取り出せるよう準備しておきましょう。
7窓から離れた場所で過ごす
自宅が暴風域に入った際は、窓の少ない部屋で過ごすようにし、就寝時は窓やドアから離れた安全な場所で眠るようにしましょう。シャッター・雨戸がついていない窓がある場合、カーテンやブラインドを必ず閉めるようにしましょう。カーテンの裾を窓枠に固定しておくこともよいでしょう。万が一、窓ガラスが割れたときの飛散防止対策になります。
避難する際の注意点
避難は自分の身を守るために速やかに安全な場所へ逃げるものですが、避難をする前に、次の5点に注意しておきましょう。
1ガスの元栓・ブレーカーの確認
避難する際には、火災や漏電などの二次災害を防ぐためにガスやブレーカーを落としてください。また、浸水があった場合は、帰宅後もブレーカーを上げないでください。水が引いた後、電気工事士に確認してもらい、安全を確保してから上げるようにしましょう。
2戸締りの確認
避難する際は防犯のため戸締りも忘れずに行いましょう。玄関だけでなく、シャッター・雨戸の錠も必ず閉め、部屋の小さな窓も必ず施錠してください。また、予備のラジオがあればつけたままの状態にしておきましょう。防犯対策として有効です。
3最低限の荷物・服装での避難
■荷物は必要最低限の分だけ
■カバンはリュックサックなど、両手の自由が確保できるものを
■靴は動きやすいスニーカーがベスト
荷物が多いと避難の妨げになります。あくまでも、最低限必要なものだけにしましょう。避難時に持ち出すカバンにはリュックサックを選び、両手があくようにします。靴は、履きなれたスニーカーで避難しましょう。長靴は水中で浮力が働くため、足元が不安定になりがちです。また、サンダル(ビーチサンダル等含む)も、足をけがする恐れがあるため避けたほうがよいでしょう。
4避難経路・避難場所の再確認
移動開始前にもう一度、避難経路の確認をしましょう。事前に検討しておいた避難経路や避難場所が今の時点で適切か、リアルタイムの災害情報と照らし合わせて確認します。予定していた経路道中で土砂の流出や浸水が発生していれば通行は危険です。迂回を検討する、もしくは目的地である避難場所を変更することも考えましょう。
【マンホールや側溝に注意する】
災害時には、マンホールや側溝のふたが外れていることもあります。また、道路が浸水していると、濁った水で足元が見えにくくなり、マンホールや側溝への転落や、小さな段差に足を取られるなど転倒の危険も高まります。避難時には道路の端を歩かないようにし、傘などで足元を確認ながらゆっくり歩きましょう。
【地下道/地下室には入らない】
地下道や地下室に入ると地上から一気に水が流れ込んで逃げられなくなってしまうおそれがあります。避難経路が遠回りになっても、地下道や地下室には入らず、地上にいるようにしましょう。
5「正常性バイアス」「同調性バイアス」が働くことを認知する
正常性バイアス | 不測の事態に直面したとき、「自分は大丈夫」と都合の悪い情報を無視しようとする心の働き。 例:「自分の地域では水害など起こったことがないので大丈夫」という思い込み |
同調性バイアス |
自分が迷っているときに周りの人の様子をみて、同じ行動を取ることのほうが安全と考える心理。 例:「近隣も避難していなさそうだから、うちもしなくて大丈夫」という思い込み |
正常性バイアスや同調性バイアスが働くと、避難のタイミングが遅れ、命の危険につながります。状況毎の対象方法や、避難のタイミングの目安を事前に決めておけば、客観的な判断力を鈍らせない基準になります。また、避難行動をとる際には近隣の方に声掛けをしましょう。同調性バイアスが働き、近隣の人も避難行動をとりやすくなります。
窓の台風対策4選
台風のときは基本的に室内で過ごしますが、室内にいて心配なことといえば、暴風による窓への被害です。風そのものがガラスを割ることもあれば、風で飛んできたものが衝突してガラスを突き破ることも考えられます。ここでは、窓の台風対策を4つご紹介します。
1シャッターや雨戸を使う
シャッターや雨戸を閉めておくことは、台風時の窓への対策として最も効果的な方法です。窓ガラスが破損した場合、ガラスの破片が飛散し、大変危険です。また、室内に強風が吹きこむことで内側から天井を持ち上げる力が働き、屋根が飛ばされてしまった被害も発生しています。
被害を最小限に抑えるためにシャッター・雨戸の設置をご検討ください。新築の建物だけでなく、リフォーム工事でシャッター・雨戸を後付けすることも可能です。窓メーカーや、お近くの工務店にご相談ください。
2合わせガラスの窓にする
合わせガラスは、2枚のガラスの間に特殊中間膜を挟み込んだガラスです。特殊中間膜により、ガラスが割れても破片が飛びにくく、耐貫通性能にも優れているため、安全性が高く、広範囲に使用することができます。また、防犯ガラスとしても機能し、更に紫外線カットの効果もある為、台風上陸時だけでなく日常においてもメリットの多い、オススメのガラスです。
ただし、シャッターや雨戸と違って、窓ガラス自体を守るものではないので、物が当たればひび割れします。割れた場合はガラス交換が必要です。
3飛散防止フィルムを使う
飛散防止フィルムを室内側のガラス全面に貼ります。窓ガラスにフィルムを貼ることで、ガラスが割れた場合に 破片の飛散を防ぎ、被害を押さえることができます。ただし、こちらも窓ガラスが割れることは防げません。ガラスに物がぶつかって割れた場合はガラス交換が必要です。ホームセンターにも売っていますので手軽にできる台風対策であると言えます。
4段ボールとガムテープを使う
シャッターや雨戸がなく、飛散防止フィルムも貼っていない状況で、なおかつ早急な台風対策が必要な場合は、身近にある段ボールとガムテープを使って窓ガラスの飛散防止対策をしましょう。段ボールを窓のサイズに切り出し、室内側より、窓ガラスにあてがいます。隙間が生じないようガムテープでしっかり貼り付け固定します。段ボールはブルーシートでも代用可能です。その際、カーテンやブラインドは必ず閉めます。
この方法はガラスの強度を上げるのではなく、ガラスが割れた場合の破片の飛散を抑えるための応急処置です。これまで紹介した方法と比較して安全性はかなり低いため、あくまでも最終的な手段としてご活用ください。
台風対策は事前準備が大切
台風は突発的に発生するものですが、予想進路や雨風の強さはニュースや新聞で事前に、また簡単に知ることができます。地震災害と違って、準備や対策がしやすいといえます。
まずはハザードマップの確認をしましょう。自宅の点検やマイ・タイムラインの作成は家族みんなで。避難経路や避難場所の確認はお散歩がてら近所を歩いてみてもよいでしょう。できることから少しずつやってみることが大切です。
私たちは、自然災害からは逃れられません。台風豪雨の脅威に対し、被害を最小限に抑えるために、家族のこと自分のこととして、十分な対策をとっておくようにしましょう。